京都府道三俣綾部線 【京都府道522号線

起点:京都府福知山市→終点:京都府綾部市

●概況

 府道三俣綾部線は福知山市堀越と綾部市大島町を結ぶ3ケタ県道。途中で木の芽峠という峠を越えている。

 距離こそ短いものの、途中の峠越え区間は悪路となっており、夏場は草木に覆われ廃道寸前の凄い状態になる県道として有名な存在。

 東のr709長宮峠越え区間とセットに走るとかなり疲れる。

●取材DATA

>>走行日:2006年6月29日

>>走行方向:終点→起点

>>レポート記述方向:終点→起点

◆Update:2007年3月21日

>>京都府道に戻る

京都府道三俣綾部線

京都府福知山市〜京都府綾部市

○京都府道三俣綾部線

  【京都府福知山市〜京都府綾部市】

【レポートは京都府綾部市→京都府福知山市方向(終点→起点方向)です。】

■京都府綾部市【綾部市大島町〜綾部市安場町】

 r522の終点となるのは、京都府綾部市大島町のr8(府道福知山綾部線)とr9(府道綾部大江宮津線)との交差点。r8を綾部市街(R27)から福知山市街に向かうと、交差点を右折するとr9、左折するとr522に入る。r8側に設置されている案内標識のr522には地名が書かれていないところからも、r522が悪路であることが予想される。

 さて交差点を左折してr522に入る。交差点から600mほどの間は住宅街の中を通る2車線道が続く。よくある住宅街の2車線道で、この道が悪路になるとはとうてい信じられない快適な道だ。しかしr8交差点から1.5kmほど進むと住宅街を抜けて、郊外の農村地帯に入る。道幅も1.5車線幅となり、徐々にローカル府道っぽい道になる。

 しばらく郊外の農村地帯を淡々と進んで行く。やがて左側より1.5車線狭路と合流し、綾部市安場町のr483(府道安場田野線)との交差点に到着する。r8交差点から約2kmである。

1.この交差点を左折するとr522に入る。標識

  の左側に注目。地名が書かれていない。

2.最初は住宅街の中を行く快適な2車線道。

  よくある町中の道だ。

3.しばらく行くと1.5車線幅のローカル府道らしい

  道になる。

 

4.やがて郊外の農村地帯を行く道になる。

  この付近はまだ腐道ではない。

5.やがてr483との交差点に到着する。r522は

  ここを右に向かう。

 

■京都府綾部市【綾部市安場町】

 綾部市安場町のr483との交差点を右折すると、r522はさらにローカル府道色を濃くして行く。1〜1.5車線幅の狭路で淡々と農村地帯を進んで行く。r483交差点すぐの所には『この府道は軽自動車程度以外通り抜けできませんという警告標識が設置されていた。この先が極悪狭路であることを示しているのだが、数キロ進むとこの言葉が真実であることを身をもって体験できる。

 r483交差点1.5kmほど進むと狭路の分岐点(写真8)に到着する。道路的には左に向かう1.2車線幅ぐらいの道が本道のように見えるが、こちらの道は間違い。右に向かう1車線(0.8車線ぐらいか)の狭路がr522となる。

 なお、この分岐点が綾部市側での引き返すことの出来る最終ポイントとなる。ここから先の区間は、バイクならどうにか引き返せるが、車では引き返すことがかなり困難な道路状態になる。無理だと思ったらこの分岐点で引き返すことをお勧めする。

6.r483交差点すぐの所にある警告標識。

  この言葉に偽りはありません。

7.少し進むと土砂崩れの現場があった。この

  先、台風の爪痕がいくつか残っている。

8.狭路の分岐点。峠には右の0.8車線路に進む

  のが正解。引き返せる最終ポイントもここ。

■京都府綾部市【綾部市安場町】

 狭路区間に突入する。最初は水田脇を進む農道のような0.8車線狭路を進んで行く。アスファルト舗装の平坦な狭路で見通しも良いので、さして問題なく進んで行くことが出来る。先ほどの分岐点から200mほど進むと急カーブが現れる。このカーブを過ぎると道路状態は一変。薄暗い杉林の中を行く見通しの悪い狭路となる。路面は一応アスファルトで舗装されてはいるが状態は悪く、路面中央にはコケが生えている。いわゆる悪路区間に入った。

 走行した日はたまたま草刈り作業が行われており、路肩の草はほとんどが刈り取られた直後だった。そのため正規(?)の道幅が見えていたが、夏の盛りには路肩の雑草が伸び放題となることは間違いなく、道幅は0.5車線ぐらいになることが予測される。今よりもさらにひどい状態の極悪路になるのだろう。

 山中の悪路を進んで行く。見通しの悪い小刻みなカーブが続くのでペースは上がらない。途中で路肩部分だけが新しいアスファルトとガードレールが設置されている箇所があった。2004年(平16年)10月の台風23号による路肩欠損部を復旧したところ。ガードレールから下を除くと、斜面が崩れたままで谷底に倒れた木々が放置されていた。この先も何カ所か同じような災害による路肩欠損部の復旧場所があった。

9.山間を行くのどかなローカル府道が続く。

  この先から山中へ入る。

10.鬱蒼とした山中に入ると、見通しの悪い狭路

  となる。

11.杉林の中を進む。路面中央にコケが現れ始め

  た。徐々に悪路らしくなって行く。

12.基本的にこんな感じの狭路が続く。夏は路

  肩から草が伸びてさらに狭くなる。

13.真新しいガードレールがあった。道路したの

  斜面が崩れ、路肩が欠損した所。

14.右端に見えるのがr522の距離標識。5.5km

  と記されていた。起点からの距離だろう。

■京都府綾部市【綾部市安場町〜木の芽峠】

 淡々と0.8〜1車線幅の狭路を進んで行く。軽自動車であっても対向車との離合は困難な道幅。普通乗用車ならさらに困難であることは容易に察しがつく。相変わらず見通しの悪い狭路が続くのでペースが上がらない。道は少し勾配のある坂道になってきて、徐々に標高を上げながら進んで行く。

 やがて若干見通しの良い狭路の緩い坂道にでる。その坂道を上りきるとr522名物のヘアピンカーブに到着した。(写真17〜19) 実際はほぼ折り返すような状態のカーブになっているのだが、r8方面から走ってくると道が途切れているように見える。しかも中途半端に段差のような勾配があるので、バイクでもクラッチ操作を誤るとバランスを崩して転倒してしまいかねない。

 道幅はそれなりに広く確保されてはいるが、軽自動車でも1回は切り返さないとならないだろう。この場所も草刈りが行われた直後だったので道幅は広かったが、夏場は沿道の草が生い茂り狭くなっているはず。夏場はこのカーブをクリアするだけでも大変なことだろう。

 このカーブを過ぎると少し勾配のある狭路坂道となる。それまでの区間と比べると少し走りやすいが、相変わらず狭路のままである。そんな狭路坂道を300mほど上って行くと、京都府綾部市と福知山市の境になる木の芽峠に到着する。r8交差点から約6kmである。

15.少し勾配のある坂道になる。草が散乱して

  いるのは草刈り直後のため。

16.コケの生えた狭路を行く。久々に見通しの良

  い坂道に出る。

17.坂を上りきると急カーブに到着。右側から来て

  折り返し、左側の道を進んで行く。

18.大型バイクだと注意して曲がらないと転倒し

  かねない。

19.峠側から撮影。カーブ自体に急勾配がある。

  車だとクリアするのが大変だろう。

20.カーブを過ぎると1車線の狭路坂道となる。

  少し走りやすい道になった。

■京都府福知山市【木の芽峠〜福知山市三俣】

 綾部市から福知山市に入る。市境を越えても少しだけ上りが続いていたので、峠は福知山市に少し走った所のようだ。道はすぐに下りとなり、再び薄暗い山中へと入って行く。福知山市に入っても道路状態は全く変わらず、相変わらず見通しの悪い1車線狭路道が続く。荒れたアスファルト舗装で中央にはコケが生えている。福知山市側は路肩の草は刈られておらず、伸び始めて道路を浸食し始めている場所もあった。綾部市側区間よりも悪い路面状態の場所もあった。

21.市境に到着。綾部市側からのみ草刈りが行

  われている。(R9→r8方向を撮影)

22.福知山市に入ると路肩の草が伸びていた。

  8月頃はもっと伸びていることだろう。

23.草刈りされないr522はこんな感じか。路面に

  はコケが生えている。

24.福知山市側にもあった災害復旧場所。かな

  り大規模な欠損だったと思われる。

25.6月でこの状態。草が伸びれば廃道に近い

  状態になるのだろう。

26.山間の狭路区間が延々と続く。見通しの悪い

  区間は長い。

■京都府福知山市【福知山市三俣〜福知山市堀越】

 見通しの悪い小刻みなカーブが続く狭路を進んで行く。やがて道は平坦な1車線狭路となる。典型的な山中のローカル府道である。市境から3kmほど進むと道路左側に資材置き場が現れた。山中から脱したようだ。ほどなくして道幅は2車線道に広がる。R9側からだと、資材置き場付近が引き返す最終ポイントだろう。

 センターラインのない2車線になったr522は、福知山市三俣地区の集落に至る。山間に広がるのんびりとした農村集落だ。のんびりしたローカル2車線府道を進んで行くと三俣の本集落に入る。土師川を渡る橋を渡ると福知山市堀越地区に入り、ほどなくしてR9との交差点に到着した。r522の起点。綾部市のr8交差点から約10kmであるが、実際の2倍ぐらいの距離に感じた。

27.やがて平坦な狭路となり、ローカル府道らし

  い道路状態になる。

28.資材置き場を過ぎると2車線道になった。腐

  道区間が終わる。

29.ここまで来てやっとr522ヘキサ標識が現れ

  た。(R9→r8方向を撮影)

30.のんびりとした山間の農村集落を進んで行

  く。これまたローカル府道らしい光景。

31.土師川を渡って堀越地区へ。この付近はR9

  旧道か?(R9→r8方向を撮影)

32.この交差点がr522起点。写真左がR9京都方

  面となる。

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 地図を見ると綾部市街からR9に向かう抜け道のように見えますが、抜け道どころか普通の道としても使えない府道です。

 『起終点付近だけ2車線道』という典型的なローカル府道で、それに騙されて入り込む人が少なからずいるかも知れません。綾部市側にある警告標識(写真6)は偽りのない真実であることは、走ったことのある方であればお分かりでしょう。ちなみに福知山市側にはありません。

 東隣のr709長宮峠区間同様、r522も盛夏の頃は路肩の草が伸びて廃道に近い状態になることでしょう。6月に走っていますが、この時点でこういう状態(写真22)なので、8月下旬頃は凄い状態になっていると思われます。走行時は綾部市側のみ草刈りが行われていましたが、これで少しはマシになるのでしょうか。

 腐道区間入口までは沿道の住宅街や集落への生活道路なので交通量はそれなりにあります。しかし腐道区間にはいると、交通量は皆無ととなります。走るとしたら地元の方と悪路をこよなく愛する方々ぐらいです。もちろん通行人などおりません。ごく稀にハイキングで歩く人がいるぐらいでしょう。

 ところで『三俣綾部線』という名称ながら、起点は福知山市堀越地区にあります。おそらくはかつては土師川を渡る橋の北詰が起点で、現起点〜北詰(〜三俣地区集落の西外れ)まではR9旧道だったと思われます。現R9が開通して区間を延長したのでしょう。

■ガソリンスタンド

 もちろんありません。綾部市街や福知山市のR9沿道など給油してからトライして下さい。

■アドバイス

 バイク・車の運転初心者の方、悪路走行初心者の方はくれぐれも一人で走らないで下さい。どうしても走りたいという場合は、2人以上で行かれることをお勧めします。写真17〜19にある名所のr522急カーブは洒落になりません。引き返す最終ポイントは腐道区間入口となります。無理だと思ったら迷わず引き返して下さい。何かあっても助けはなかなかやってきません。

 大型バイクでも走行は可能ですが、例の急カーブをクリアするときは要注意です。クラッチ操作を誤りエンスト→立ち転けとなりかねません。普通車でも何度も切り返ししなければならず、万が一対向車があればどうしようもなくなります。車の場合は軽自が合っていそうです。

 自転車の場合、中途半端な勾配の坂道が続きます。意外と時間と体力を消費するので注意して下さい。なお、腐道区間中には民家はもちろん自販機などはありません。

■注意点

 大雨など悪天候時は土砂崩れなどの恐れがあるので走らない方が良いでしょう。また冬季は路面凍結・積雪があるので冬季も走行は控えた方が無難です。

 照明などは一切無いので夜間走行もやめておいた方が無難です。残念なことに不法投棄が多い府道なので、不法投棄している連中に出会ったり、間違われることも考えられます。ご注意を。

●走行DATA

京都府福知山市〜京都府綾部市

【終点→起点方向を走行】

>>走行日:2006年6月29日

 

>>京都府道三俣綾部線 【終わり】

>>京都府道に戻る