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●取材DATA >>取材日:1998年9月7日/2003年8月30日 >>レポート記述方向:起点→終点 (階段→階段下方向) |
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◆Update:2004年2月6日 |
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国道339号線階段国道 |
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◇国道339号線階段国道 |
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国道1号線から始まる日本の国道の総数は約450本あまり。そのほとんどはバイク・車が通行できる車道となっている。当初から自動車専用道として設定されて徒歩や自転車では走ることは出来ない国道も数本あるが、基本的にはバイク(126cc以上)と車であれば通行可能だ。 国道の中には地形的な理由から全通しておらず、どこかで分断されている『分断国道』という国道も結構ある。そんな道でも、分断区間を除けばバイク・車での通行は可能であり、「車道」としての役割を果たしていると言える。ところが国道というものはいろんな道があって、国道として指定されておきながらバイク・車の通行が不可能で、「車道」としての役割を果たしていない道がある。 その一つが国道339号線。公式には起点終点間が全通しており、国土地理院を初め各出版社の地図にも全区間途切れることなく国道として記されている。ところが青森県外ヶ浜町の竜飛崎では、国道として全通しているのにも関わらず、バイク・車の通行が不可能な区間がある。何故か?理由は簡単。
階段が国道として指定されているから。
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それが有名な『階段国道』。全長338.2m、階段数362段の階段だ。「登山道」が国道という道は何本か存在するのだが、さすがに「階段」そのものが国道に指定されているのは全国探しても竜飛崎の国道339号線だけである。数ある3ケタ国道の中でも異色な『道』なのだ。階段では、一般のバイク・車で上り下りすることは出来ない。 なぜ階段が国道に指定に指定されたか、その経緯はよく分かっていない。一説には、ルート設定時に担当者が現地ではなく地図上でルートを選定したという話があるが、これも真偽のほどは不明である。 |
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●注意 1998年9月のDATAを基に、2003年8月訪問時に得た情報を付け加えています。ただし写真については、1998年9月訪問時に撮影した写真を中心に使用しています。(一部2003年8月撮影の写真を使用) |
●国道339号線階段国道 |
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■階段上入口〜集会場前【レポートは階段(上)→階段(下)方向です。】 |
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青森県弘前市方向からR339を北上し続けてくる。冬期は閉鎖される青森県小泊村のワインディング区間を抜けて外ヶ浜町字三厩(旧:三厩村)に入ると、海岸沿いに進むR339への連絡道路との交差点に到着する。ここを左折すると勾配のある2車線道を進み、『ホテル竜飛』前と竜飛岬の石碑前を通り過ぎると、今は閉鎖されてしまった旅館の建物が見えてくる。ここで「車道」としてのR339が終わって「階段国道」が始まる。 階段入口はすっかり観光ポイントと化しており、立派な案内看板まで設置されている。観光バスの案内ルートにも組み込まれているようで、竜飛崎の石碑から歩いて移動して来る観光ツアー客の団体が多い。踊り場には『階段国道』というプレートが付いたR339国道標識が設置されており、この前で記念写真を撮影する観光客の姿が目立つ。訪問時の少し前に、某テレビ局の番組で紹介されたこともあって、2003年8月に訪れた時は観光客で混雑していた。20分ほどすると観光客は引き上げて行き、1998年9月の時のような静けさが戻ってきた。 踊り場から階段を下り始める。階段は人が2人横になることが出来るぐらいの幅で、中央に手摺りが設置されており、一応は上下の分離がされている。緩やかな勾配で階段の高さもそう高くはない。しかし石畳の階段なので、足の悪い方には少し辛い階段だろう。周囲の木は生い茂っていて遊歩道的な雰囲気のする階段だ。 やがて階段はなくなり、緩やかな勾配がついた石畳の坂道となる。すぐ目の前は津軽海峡で、その先には北海道の島影が見える。この石畳の坂道横は元中学校だったそうだ。98年時は広場だったのだが、03年に来た時は集会場が建てられていた。 |
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■集会場前〜階段下入口【レポートは階段(上)→階段(下)方向です。】 |
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集会所横を過ぎると階段下半分に入る。上半分同様、人が2人横に並ぶぐらいの幅しかない。自転車で上る人を考慮して、端には幅20cmほどの坂道が併設されている。下半分は山の斜面に沿って設置されていて、眼下に竜飛地区の集落と遠くに北海道の島影を見ながら階段を下って行くことになる。上半分と比べると、階段の勾配が急なように感じてしまう。 急な傾斜の階段を下って行く。山の斜面に作られた坂道を整備して階段としたそうだが、それでも3箇所の葛折りがあった。階段のない坂道だった頃も上るのが大変だったのだろう。しばらく階段を下って行くと竜飛の集落はすぐそこに近づいてきた。階段を下りきるともう一本国道標識が設置されていた。 そこから先は地区の集落内へ入って行く。下町の路地裏という感じの道で、人が一人歩けるぐらいの道幅しかない。民家の軒先を歩いて行く。路面は赤色のタイルが敷かれている。一本道なので道を間違うことはまずあり得ない。集落内を”コ”の字型に歩いて行くと、とある民家の駐車場に出た。洗濯干場ともなっている。 駐車場入口には、階段上入口にあったのと同じ観光案内板が設置されていた。ここが階段国道下入口。全長約338m、階段総数362段の階段国道の終わりである。 |
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<<MEMO>> |
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■概況など 階段国道は本当に階段でした。標高差は分かりませんが全長約338mの階段国道は、ここもバイク・車が通行不可能だというのに、R339国道標識が設置されています。階段上入口、集会所前、階段下と階段下入口の4箇所に1枚づつ、計4枚の国道標識が設置されています。 急な勾配の階段というこで、普段運動をされていない方は上りがかなり応えます。休憩しながら上るのが良いでしょう。階段の端に幅20cmほどの狭い坂道が併設されていますので、こちらを歩けば多少は楽かもしれません。 この坂道は途中にある集会場周辺にある畑での作業のために設置されたのでしょう。自転車ぐらいなら押して上ることが可能です。ところが聞く所では、ここを使って下から上に向かってバイクを押して階段を上るライダーが年一人はいるとか・・・。気持ちは分かりますが、地元の方に迷惑をかけることになりかねないので絶対に無茶はしないで下さい。階段国道はバイク・車の通行は不可能です。 バイク・車はどうするかというと、階段国道上入口より2kmほど手前に海岸の集落に下る急勾配・急カーブの連絡道があるので、そちらに迂回して下さい。せっかく来たのなら、上か下にバイク・車を停めて階段を一往復してみてはどうでしょう?ちなみに、階段の総数は362段でした。2回の訪問時とも、一往復したので往復724段の階段を上り下りしたことになります。 1998年9月の時は、集落内から70歳半ばのおばあさんがカゴを背負って階段を上って行かれました。(写真7に写っているおばあさん) 話を聞くと、畑作業のため40年間毎日上り下りしているとか・・・。元気なおばあさんでした。 ■観光客 最近、観光地化されているので観光客の姿が目立つようになりました。「最果ての地」の風情をぶち壊してくれた竜飛崎の石碑を訪れてから、バスガイドに先導されて階段国道に流れてくるのがパターンのようです。集会場前付近まで下りて写真を撮る人も数人いますが、ほとんどの観光客は階段上入口で写真を撮影して去ります。観光シーズンは観光客と鉢合わせしても、20分ほど待っていれば去って静かになるので大人しく待ちましょう。 階段下入口は、集落内ということもあって観光バスはあまり来ないようです。下入口付近は個人の観光客ぐらいしか訪れない所のようです。 ちなみに98年9月の時は朝8時頃、03年8月は14時半頃に訪れています。朝早い方が観光客がほとんどいなくてゆっくりできます。 ■駐車場 駐車場はありません。路駐となりますが、階段上入口付近の道は、灯台に向かう車・観光バスが結構通るので置き場所を考えなくてはなりません。上入口前に更地があるので、その場所に止めるのが良いでしょう。いずれ駐車場が整備されるかも知れません。 下入口付近は集落内で漁港近くなので、迷惑路駐はやめた方がよいです。手迷惑のかからない頃な場所を探して止めて下さい。なお、下入口にある駐車場は個人の駐車場なので駐車は厳禁です。 ■注意点 冬期は積雪で大変危険となります。現地に向かうだけでもかなり危険なので、冬期は避けた方がいいでしょう。 |
【合併情報】 ●2005年(平17年)3月28日付けで、青森県東津軽郡蟹田町、平舘村、三厩村の2村1町が対等合併して『青森県東津軽郡外ヶ浜町』となりました。 なお、旧三厩村地域は外ヶ浜町の飛び地となります。 |
>>国道339号線階段国道 終わり |
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