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国道169号線旧道(7)

河合峠旧道

◆国道169号線河合峠旧道

 吉野郡上北山村西原地区と河合地区の間にあるのが河合峠。西原地区から南下してきたR169現道は河合峠を河合トンネル(L=241m)で通り抜けた後、小谷トンネル(L=242m)を越えて河合地区へと入って行く。この2本のトンネルを含むやや急勾配の2車線坂道区間はバイパス道路。

 旧道は北山川沿いに進むのではなく河合峠を越える山道となっており、急坂が続く悪路となっている。この旧道も東熊野街道を先祖に持つ道で、明治後半に車道として整備された道の後身ということになる。あいにくと資料がないのでいつ頃旧道になったのかは不明であるが、あちこちの資料から判断すると昭和50年(1975年)前後に現道のバイパスが開通して旧道になったものと思われる。

 旧道は村道に降格されたようであるが、あまり整備されない悪路のまま余生を送っている。

■国道169号線河合峠旧道【2001年レポート】

国道169号線河合峠旧道【平成21年(2009年)レポート】

>>Update H22(2010).03.23

○国道169号線河合峠旧道

  【2001年レポート】

【レポートは上北山村→川上村方向(南→北方向)です。】

■吉野郡上北山村【南側旧道分岐点〜河合峠】

 吉野郡上北山村河合地区の町を抜けてR169を北上すると、上北山中学校前を通り過ぎた辺りから揺るやかな2車線坂道となり、やがて小谷トンネルが見えてくる。この小谷 トンネルの真横から1車線の舗装路が分岐している。これがR169河合峠旧道。旧道は入り口付近から荒れた状態で、路面には小石が転がり落ち葉などが積もったりしている。轍の部分だけ無いところを見ると時々車が走るようだ。

 右側に上北山中学校を見ながら1車線幅の急勾配の坂道を上る。左カーブを曲がると山中へと入って行く。路面は舗装されているが、落ち葉や折れた枝などが積もっており、その中に20cm位の石が転がっている。山側の側壁は脆く落石が多い区間のようだ。谷側には10cmほどの高さの縁石があるだけ。ガードレールは一部区間に設置されている程度なので、運転操作を誤れば谷底に落ちてしまう。

 道は進むにつれ急勾配の坂道となって行く。轍の部分には落ち葉が少ないのでその部分を走るが、時々大きな石が転がっているので乗り上げないように注意して走らなくてはならないので、結構時間がかかる。落ち葉の積もっていない区間では道路中央に苔が生えている。舗装が割れて草木が浸食していないので、どうにか進むことが出来るのだが、将来はどうなるか分からない。

1.小谷トンネル南口横から分岐する狭路が河合

  峠旧道。すぐ横には中学校がある。

2.右側に中学校を見ながら進むと、やがて山中

  へと入る。(川上村→上北山村方向を撮影)

3.ガードレールのない断崖下を通る狭路坂道に

  なった。

4.轍の部分以外は落ち葉に埋もれている。隠れ

  ている落石にも注意。

  (川上村→上北山村方向を撮影)

5.逆光となっているので分からないが、『警笛鳴

  らせ』の標識があった。

  (川上村→上北山村方向を撮影)

6.急勾配の狭路坂道が続く。1.5車線幅ぐらい

  あったのだろうが、落ち葉で埋もれて走行可能

  車線が1車線ぐらいになっている。

■吉野郡上北山村【河合峠〜北側旧道分岐点】

 『警笛鳴らせ』の標識が立っているカーブを曲がり、急勾配の1車線道を上ると河合峠の分水嶺に到着した。小谷 トンネルから1.7kmほどだろう。ここには携帯電話の中継アンテナが建てられていた。この保守・整備のために旧道は存続しているようなものだ。峠からは足下にR169 現道の2車線道が見える。

 峠を越えて北側に入る。南側とは違い、北側の区間の路面は綺麗で、小石や落ち葉はほとんど積もっていない。1車線の舗装道をゆっくりと下って行く。最後は急勾配の狭路坂道を下り終えるとR169現道と合流した。全長約3kmのハードな旧道であった。R169河合峠旧道の北側(吉野側)分岐点は、河合トンネルから吉野方面に2kmほど進んだ地点であった。

7.今の旧道は明治道を改良した道路となる。

  落石の多い坂道を上る。

8.河合峠に到着。携帯電話の中継アンテナが

  建っている。(川上村→上北山村方向を撮影)

9.峠の北側は整備された狭路で走りやすい。

  右下にはR169現道が見える。

 

10.急勾配の狭路坂道を下ると現道が現れる。

  (川上村→上北山村方向を撮影)

11.北側の旧道分岐点。河合トンネルから2km

  ほど北の地点。

 

<<写真はすべて2001年4月撮影>>

*以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。

◆2001年レポート終わり

○国道169号線河合峠旧道

  平成21年(2009年)レポート

【レポートは上北山村→川上村方向(南→北方向)です。】

■吉野郡上北山村【旧道南側分岐点〜小谷トンネル北口付近の上辺り】

 前回走行から約8年半ぶりの走行となる。今回も小谷トンネル南口前、上北山中学校前にある河合峠旧道南側分岐点から旧道に入り、河合峠を越えて北に向かうことにした。

 小谷トンネル南口から右に分岐する1車線狭路坂道が河合峠旧道。右側に中学校を見ながらやや急な坂道を進んで行く。アスファルト舗装されてはいるが、路面には落石や落ち葉が多い。分岐点から400mほど進むと急カーブを2つほどクリアし、山中へと入って行く。道幅は1.5車線ほどあるのだが、落ち葉や落石などで路肩部分が埋まり、走行可能な車線幅は1車線ぐらいとなっている。

 分岐点から600mほど進むと、路面状態はさらに悪化。道路一面が落ち葉に覆われている箇所や落石だらけの場所、倒木や土砂崩れ現場があるなど、廃道寸前の状態になっている箇所があった。さすがに倒木は軽トラが走れるぐらいに部分的に切断してあったり脇に片づけられていたが、崩れた土砂は放置したままとなっていた。落ち葉に覆われている場所も、大きな石が隠れているなどしているため、かなり慎重に走って行かねばならない状態だった。

 150mほどそういう区間を進むと、山の斜面部分に出た。周囲に木のない明るい場所だ。ここから足下にR169現道を見下ろすことができる。小谷トンネル北口付近だろう。この先、旧道は再び山中へと入って行く。

1.小谷トンネル南口が旧道南側分岐点。右に

  分岐する狭路坂道が河合峠旧道。

2.最初は右側に中学校を見ながら緩やかな勾

  配の坂道で始まる。路面状態は良好。

3.やがて山中に入ると、路肩などに落ち葉が積

  もり始める。

4.やがて落ち葉や枝などが路面一杯に散乱す

  るようになる。まだ序の口の状態。

5.倒木が現れた。完全撤去ではなく、軽トラが

  走れるぐらいに切断していた。

6.別の場所では土砂崩れが放置されていた。路

  面には拳大の石が転がっていた。

7.この付近も土砂で路面が埋まっていた。実

  質0.8車線ぐらいになっている。

8.やがて周囲に木がなくなり、明るい場所に出

  た。写真7の地点からすぐの所。

9.写真8の地点からはR169現道を見下ろせる。

  小谷トンネル北口付近と思われる。

<<写真はすべて平成21年(2009年)9月撮影>>

■吉野郡上北山村【小谷トンネル北口付近の上辺り〜河合峠】

 小谷トンネル北口付近の上辺りを過ぎると再び山中へと入る。旧道は狭路坂道のまま河合峠を目指す。見通しの悪い小刻みなカーブが続くが、対向車はまず来ないだろうと思い路面を注意しながら走ることにした。なにせ轍の部分以外は落ち葉が積もり、拳大の石がゴロゴロしているので乗り上げて転倒すると大変なことになる。平成13年と比べても、道路状態はかなり悪化している。

 南側分岐点から約1kmで『警笛鳴らせ』の丸標識があった。旧道区間中、唯一残った標識である。そして標識ポイントから10

0mほど進むと廃車体ポイントに至る。カーブの途中の路肩に軽自動車が不法投棄されているので、勝手にこういうポイント名を付けている。8年前はかろうじて車体が確認できたのだが、崩れ落ちてきた土砂や落石に埋もれて押しつぶされてしまい、今では一部分がわずかに見える程度になっている。知っていなくては通り過ぎてしまいそうになるポイントである。

 廃車体ポイントからも落ち葉が積もった狭路坂道を上って行く。谷側にガードレールがあるのは一部区間だけで、ほとんどの区間にはガードレールはない。高さ20cmぐらいの縁石すらない場所が多い。運転を誤ると谷に落ちてしまうので、落ち葉の中に隠れた石に注意しながらゆっくりと進んで行く。

 やがて路面に落ち葉が無くなると、ほどなくして携帯電話の中継アンテナと機械小屋のある場所に着いた。ここが河合峠。旧道の南側分岐点から約1.4kmである。

10.写真8の地点を過ぎると一面落ち葉の積もっ

  た狭路坂道を進んで行く。落石に注意。

11.あちこちに小規模な土砂崩れの跡がある。

  (河合峠→南側分岐点方向を撮影)

12.もともとは1.5車線ぐらいあったはずだが、実

  質0.8車線ぐらいになっている。

13.標識ポイント。左端に標識がある。

  (河合峠→南側分岐点方向を撮影)

14.轍があるので通る車がいるようだ。この付近

  には谷側にガードレールはない。

15.ガードレールがあるとホッとする。落ち葉の中

  に隠れている石に注意して進む。

16.落ち葉が無くなると明るい場所に出る。

  (河合峠→南側分岐点方向を撮影)

17.河合峠に到着。携帯電話の中継アンテナと

  機械小屋がある。

18.峠を北側分岐点から見る。車でここまで来る

  のは一苦労だ。

<<写真はすべて平成21年(2009年)9月撮影>>

■吉野郡上北山村【河合峠〜旧道北側分岐点】

 河合峠を過ぎると下りに入る。落ち葉や落石の少ない走りやすい狭路と記憶していたのだが、8年ぶりに走ってみると道路状態は悪化していた。確かに峠近くの付近は落ち葉や落石の少ない狭路坂道であったが、峠から400mほど進むと路面一面に岩や石が散乱している場所があった。土砂崩れが起きて道路を覆ってしまった場所のようだ。車が通れる程度に除去しただけであった。

 その先はしばらくは走りやすい路面が続くが、やがてコケの生えた悪路となり、さらには落石や土砂崩れが放置された荒れた路面となった。崩れた土砂を乗り越える場所もあり、峠北側も悪路度が高くなってしまった。

 やがて右下にR169現道が見えてくる。旧道は1.5車線幅の急な坂道となり、ほどなくしてR169現道との合流点に到着した。河合峠から旧道北側分岐点まで900mほどなのだが、荒れていたためそれ以上に長く感じた。

19.河合峠北側の区間は落ち葉も少なく、南側

  に比べれば走りやすいが、それも束の間だ。

20.相変わらず見通しの悪いカーブが多い。路

  面にコケと落石が見える。

21.やがて荒れた路面になる。土砂崩れ現場の

  ようだ。

22.山中だがコケや落ち葉のない区間もある。

  ここだけ見ると走りやすそうに見える。

23.しかしすぐに現実に戻される。コケの生えた

  狭路を進む。ちなみにここの右側は崖である。

24.北側分岐点手前で再び土砂崩れ現場に出る。

  土砂の上を越えて進んで行った。

25.山中から出ると1.5車線坂道になる。

  (北側分岐点→河合峠方向を撮影)

26.右下にR169現道を見ながら坂を下る。

  山の斜面は防護処置が行われた。

27.旧道北側分岐点。ここだけ見ると走りやすそう

  に見えるが、騙されてはいけない。

<<写真はすべて平成21年(2009年)9月撮影>>

◆平成21年(2009年)レポート終わり

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 R169河合峠旧道は、分水嶺にあるアンテナ保守・点検の車と林業関係の車が通るだけで、一般車はまず通りません。好んで走るのは、私のような一部の人達だけでしょう。(^^;)

 路面状態は ほとんどの区間で荒れているので、舗装されているとはいえオンロードバイクでは走らない方が無難です。落ち葉の中に大きな石が隠れていることが多いので、オフロードバイクでも走行には十分に注意して下さい。路面状態は年々悪化しているようです。

 車で走ることは可能でしょうが、車体が傷だらけになるのでやめておいた方が無難です。車が通った跡があるので、対向車に注意して下さい。まず対向車にお目にかかることは ないでしょうが、万が一という場合があります。

 谷側にはガードレールなどという洒落たモノは一部に 設置されているだけで、ほとんどない状態です。運転操作を誤ると谷底に一直線です。ほとんど通る車は居ないので、助けを呼ぶのにも、救助に来るのにも時間がかかります。運転は慎重に。

■アドバイス

 南北の旧道分岐点とも、見た目は走りやすそうな旧道に見えますが、実際は廃道に近い状態になっています。引き返すポイントは限られますが、無理だと思ったら引き返すことをお勧め居ます。無理には走らない方がよいです。

 初心者の方は、できれば2人以上で行かれることをお勧めします。

■注意点

 場所が場所だけに、冬期は路面凍結・積雪がある峠道です。冬期は走らない方がよいです。

 また悪天候時や大雨の時は土砂崩れが起こる可能性が高い峠道でもあります。路面が川と化すであろう場所もあるので、大雨の後もしばらくは立ち入らない方が無難でしょう。

●走行DATA

河合峠旧道

【上北山村→川上村方向を走行】

>>走行日:平成13年(2001年)4月26日/平成21年(2009年)9月24日

【河合峠旧道終わり】

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