紀勢南島TN開通後

 

【レポートは三重県紀勢町(現:大紀町)→三重県南島町(現:南伊勢町)方向です。】

■r68交差点〜棚橋隧道【三重県度会郡紀勢町内】

 R260錦峠道路とr68交差点から、r68をR42に向かって1.7kmほど進む。錦望TNを越えてほどなくしてR260棚橋隧道経由ルートの旧道分岐点に到着する。03年11月時点では、隧道経由ルートは国道指定を解除されていないので、R260からr68が分岐する交差点となる。しかし実際は、ほとんどの車は紀勢南島TN経由となり、隧道経由ルートは名実共に旧道と化している。

 r68からの分岐点付近には大きな変化はない。r68のR42方向から分岐点を見ると、交差点角に『南島町方面バイパス道路通行できます。』という標識が設置されているぐらいだろう。紀勢南島TN供用開始にともない、棚橋隧道経由ルートというか棚橋隧道自体が閉鎖されて通行不可能になっていると思ったが、旧道入口にはゲートは設置されておらず通行は可能となっていた。

 うろうろと撮影していると、r68から旧道へトラックが入って行った。この先で工事でもしているのかと思っていたら、300mほど先にある民家に入っていた。この民家の付近までは普通の狭路だったが、民家を過ぎて山中に入ると同時に落ち葉が積もった狭路へと変貌した。よく見ると路面中央にはコケが生え始めている。旧道らしい路面状態になったのだ。こういう状態になっているということは、通行する車は極端に少なくなったということだ。

 r68分岐点から1kmほど進むと杉林の中を進む狭路の路肩に、ポツンと国道標識が立っていた。(写真4) この狭路がまだ国道であることを示しているが、付近の路面にもコケが生え始めており、旧道になりつつあることが伺える。その先は淡々と山中を進んで行く。道は平坦だが、路面が割れていたりするなど状態は悪化しつつある。さらに1kmほど進むとヘアピンカーブを曲がってさらに山中へと入って行く。ウネウネと続く狭路を進む。路面状態はあまり良くない。落ち葉の中を走らないように、見えているアスファルトの部分を選んでゆっくりと走って行く。

 r68分岐点から約3kmで棚橋隧道紀勢町 (現:大紀町)側抗口に到着した。幅約2mの極細幅の隧道。内部は素堀のままコーティングされているだけの隧道だ。漏水などもあり老朽化も進んでいるようだ。紀勢南島TN供用開始にともなって閉鎖されるかと思っていたが、03年11月時点では抗口は閉鎖されず通行可能となっている。まだ現役国道ということで通行可能となっているのだろうか。R260錦峠道路が全開通した後はどうなるか分からない。

1.R260棚橋隧道旧道分岐点。このT字交差

  点を左折する。あまり変化はない。

  (r68:R42方面より撮影)

2.左折すると狭路のまま。橋の手前の標識は

  なくなり、警告標識が設置された。標識は橋

  の向こう側にある。

3.やがて1車線幅の狭路に。それと同時に山中

  に入り、草木に覆われた悪路となる。すでに旧

  道状態。

4.杉林の中の狭路に国道標識が。交通量が減

  り、路面中央にはコケが生え始めていた。一

  応国道扱いとなっている。

5.車の通行量が激減すると、落ち葉などが溜ま

  り路面を埋めて行く。

  (南島町→紀勢町方向を撮影)

6.r68分岐点より約3kmで棚橋隧道に到着。写

  真は紀勢町側抗口。抗口付近には落ち葉が積

  もりコケが生え始めていた。

■棚橋隧道〜R260錦峠道路交差点【三重県度会郡南島町内】

 棚橋隧道を越えると三重県南島町に入る。 度会郡南島町(現:度会郡南紀勢町)側は1.5車線幅の道が多くなるが、ウネウネと見通しの悪い急カーブが連続するようになる。路面状態は悪化しており、アスファルト舗装の亀裂や路面への落ち葉の堆積などが随所に見られるようになった。小さな崖崩れが起きている箇所もあったが、復旧されることなく放置されていた。

 路面に注意しながらカーブの続く下り坂を淡々と進んで行く。路肩より落ち葉が積もり始め、車幅が1車線分ぐらいしかない箇所もあった。やがて揺るやかな見通しの良い区間に出る。緩やかな坂道を下ると、ほどなくして山中から抜ける。路面には落ち葉もなくなり、よくあるローカル国道の道となる。

 てっぺんに『交差点あり』の注意標識が設置されたR260国道標識を過ぎて100mほど進むとR260錦峠道路との交差点に到着した。棚橋隧道から約4kmである。

 棚橋隧道ルートの南島町側分岐点はよくある旧道分岐点のような交差点となっていた。現役時代にあった鉄筋で出来たゲートは撤去されてしまったが、分岐点近くの民家は健在だった。旧道分岐点近くには『(全長)12m以上の車は通行できません』という標識が設置されている。またBP側には『紀勢町方面バイパス道路通行できます。』という標識も設置されていた。

7.棚橋隧道は閉鎖されることなく通行可能であ

  った。特に変化はない。

  (南島町→紀勢町方向を撮影)

8.旧南島町側に入ると、路面に落ち葉・落石な

  どが目立つようになった。一部区間ではご覧

  の通り川と化している箇所もあった。

9.R260錦峠道路との合流点手前には、ご覧

  のような標識が設置された。おにぎり標識が

  従という設置。

 

10.旧道入口付近には『極小区間』との警告標

  識が設置されていた。

  (南島町→紀勢町方向を撮影)

11.棚橋隧道旧道の南島町側分岐点。旧道は

  右に向かう。鉄筋ゲートは撤去されていた。

  左は紀勢南島TNへの取付道路。

 

●DATA

>>走行日:2003年11月14日

>>走行方向:三重県紀勢町(現:大紀町)→三重県南島町(現:南伊勢町)

○国道260号線錦峠道路旧道

  棚橋竈地区旧道

【レポートは三重県紀勢町(現:大紀町)→三重県南島町(現:南伊勢町)方向です。】

 三重県 度会郡南島町(現:度会郡南紀勢町)棚橋竈(たなはしかま)でR260錦峠道路と合流するが、この合流点付近のBPは紀勢南島TN供用開始に伴い建設された取付道路となる。三重県南島町棚橋竈地区のR260BP建設が行われていないためにこういう形になった。

 R260旧道は、そのまま東に300mほど進んだ川向橋西詰でR260BP(暫定道路)より分岐して、棚橋竈地区の集落内へと入って行く。集落内は1〜1.5車線幅の狭路。路肩ギリギリまで民家が迫ってきている。300mほど進んだ集落の外れで直角に曲がって棚橋川を渡ってR260と合流する。川向橋西詰から約400mである。

 正確には棚橋竈の東外れが、R260棚橋隧道ルート旧道の南島町 (現:南紀勢町)側分岐点となる。

1.右に見える橋がR260旧道ルート。左に向か

  う道は暫定的なBP。

2.棚橋竈の集落内は生活道路となっている。

  狭路だが見通しは良い。

3.集落の東外れでR260と合流。正確には、ここ

  が棚橋隧道ルートの南島町側分岐点となる。

●DATA

>>走行日:2003年11月14日

>>走行方向:三重県紀勢町(現:大紀町)→三重県南島町(現:南伊勢町)

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 紀勢南島TNの暫定供用により、従来の棚橋隧道ルートは旧ルートとなりました。紀勢南島TNを含むR260錦峠道路が全面開通していないため、旧ルートもR260として存続しています。しかしながら、ほとんどの車がBP経由となったため、旧ルートは実質旧道と化しています。

 交通量は激減しています。それにともない、路面には落ち葉が堆積しコケが生え始めていました。徐々に旧道らしい道へと変化しています。

 2003年11月時点では、棚橋隧道を含めて通行可能な状態でしたが、隧道自体が老朽化しているのでいずれ閉鎖され通行不可能となる可能性があります。

■アドバイス

 悪路が続くので、運転初心者の方は2人以上で行かれることをお勧めします。

■注意点

 見通しの悪い区間が長く路面も悪いので、走行時は対向車ならびに路面に注意して下さい。

 大雨や悪天候時は崖崩れなどがあるので走らない方が良いでしょう。また冬期は路面凍結があるかも知れません。

●走行DATA

R260錦峠道路旧道

【三重県紀勢町(現:大紀町)→三重県南島町(現:南伊勢町)方向を走行】

>>走行日:2000年10月21日(現役国道時代)

2003年11月14日(旧道時代)

【合併情報】

●2005年(平17年)2月14日付けで、三重県度会(わたらい)郡の大宮町・紀勢町・大内山村の1村2町が対等合併して『三重県度会郡大紀町(たいきち

 ょう)』になりました。

●2005年(平17年)10月1日付けで、三重県度会郡南勢町と南島町の2町が対等合併して『三重県度会郡南伊勢町』 になりました。

【国道260号線旧道終わり】

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