国道424号線旧道

 

 国道424号線は、和歌山県田辺市〜和歌山県那賀郡打田町を結ぶ紀伊半島縦断国道の一つ。険しい紀伊半島の山々を通り抜けて結んでいる。

 誕生は1982年(昭57年)4月。それ以前の県道時代から道路の整備・改良工事は行われていたが、整備が飛躍的に進んだのは国道昇格後。美山・金屋BPや甲斐ノ川TN、明神TNなどが次々と完成・供用開始されており、あちこちに旧道が誕生している。2002年末現在でも、R424全区間で整備・改良工事が進められており、全区間が快適な道になるのは時間の問題だろう。

【TOP写真】:甲斐ノ川BP旧道にあった案内標識。R424の表示があった。

走行日:各項参照

走行方向:各項参照

レポート:各項参照

 【2004年02月06日 Update】 

国道424号線旧道 その2

R424川原河地区旧道

R424椿山ダム旧道

R424甲斐ノ川BP旧道

R424明神TN旧道

国道424号線旧道

美山村川原河地区旧道

 美山村の村役場のあるのが美山村川原河(かわはらごう)地区。 白馬TNから急勾配の坂道を下ってくると、現R4

24は町の手前で少し右に逸れてr26(県道御坊美山線)と交差し、続いて美山大橋で日高川を渡って急な右カーブを描き、日高川の東岸を急勾配の坂道で駆け上って龍神村方面に進む。現R424は村役場のある川原河の町中を通ることなく、町の南側を迂回して進んでいる。これはBPで昔のR424は町中を通っていた。

記述方向:和歌山県美山村→和歌山県龍神村方向

 白馬TNから急勾配の坂道を下り、R424白馬TN旧道美山村側分岐点を過ぎる。急カーブの続く坂を下ると、現R424から左に狭い2車線道が分岐している。ここがR424川原河地区旧道の金屋町側分岐点となる。

 旧道に入るとすぐに日高川に突き当たりT字交差点を左折。日高川の西岸を進んで行く。道幅は狭い2車線道で平坦な道だ。道はr194(県道上初湯川皆瀬線)となっている。ほどなくして川上橋が見えてきた。橋の西詰めにある交差点を右折して、1.5車線幅の川上橋で日高川を渡ると美山村川原河地区の町中に入る。

 少し走ると美山村役場前を通り過ぎる。役場前で日高川沿いに進む狭路との交差点を過ぎる。さらに町中を400mほど進むと現R424と合流。金屋町側分岐点から約1.2kmであった。

1.旧道の金屋町側分岐点。左に別れるの

  が旧道。

2.日高川の西岸に出て少し進む。この先を

  右折すると川上橋を渡る。

3.川上橋は立派な鉄橋だった。橋の東詰(龍

  神村側)から撮影。

 

4.町中は静かな生活道路となっていた。町

  中にある交差点は、川上橋から来た場合

  は右に向かう。

5.龍神村側の旧道分岐点。右に分岐するの

  がR424旧道。

  (龍神村→美山村方向を撮影)

 

☆★☆ 国道424号線旧道 【和歌山県日高郡美山村川原河地区】 ☆★☆

 2km未満の旧道ですが、完全に町中の生活道路になっています。何の問題もなく走ることが出来ます。路線バスは旧道経由で町中を通って行きます。

注意>>BP開通年が不明なので、椿山ダムの付け替え道路建設前に開通した旧県道のBPかも知れません。

■浅間峠のR424旧道

 もともとは川原河地区の龍神寄りにある浅間峠の旧道を探しに行きました。龍神村方面から来ると、浅間峠の分水嶺付近で右側に1車線狭路が分岐します。最初は、この道が浅間峠〜川原河地区旧道だと思い走ってみました。道は日高川に沿って進む平坦な1車線の狭路。川沿いにある集落の中を通る村道のようでした。川沿いの村道は約5kmで終わり、美山村役場近くでR424旧道と合流します。

 帰宅後、昔の地図を見てみると、現在のR424のルートにR424の前身である県道が標されていました。どうやら県道時代からR424は日高川の東岸を通って浅間峠に達していたようです。現R424が昔の県道を拡幅・整備して出来た道なのか、別ルートで建設されたBPなのかは不明です。 

 【走行DATA】 

和歌山県日高郡美山村川原河地区

【和歌山県美山村→和歌山県龍神村方向で走行】

2002年5月9日

国道424号線旧道

椿山ダム旧道

 和歌山県美山村にある椿山ダムがある。日高川をせき止めて出来た県営ダムで、1980年(昭55年)にダム本体の建設工事に着工。1988年(昭63年)3月に竣工した。ダム建設に伴いいくつかの集落がダム湖に沈んでしまったが、同時に日高川沿いの県道も沈んでしまった。

 そのためダムの本体工事着工前までに付け替え道路が建設されたのだろう。この付け替え道路は、ダム湖に沈む県道の付け替え道路として建設された。この県道は水没区間も含めて、ダム建設工事中の1982年(昭57年)にR424となった。付け替え道路建設中に国道指定されたことになる。正確に言えばR424椿山ダム旧道は存在しないことになる。

 『美山村誌』によると、ダム湖岸を通る道は、右岸(北岸)と左岸(南岸)に2本建設された。このうち右岸(北岸)の道路はR424として建設された道で現在のR424である。現R424の対岸である左岸(南岸)沿いにも1.5車線道が通っているが、これはダム建設時に一緒に建設された美山村村道となっていた。R424旧道(旧県道)ではないとのこと。

>>以前は、この村道をR424旧道として紹介しておりましたが、2004年1月に村道であることが判明。記事は削除しています。

笠松橋南詰から分岐するのが村道。旧道の分岐っぽいので旧道と勘違いしてしまいました。m(_ _)m→

☆★☆ 国道424号線旧道 【椿山ダム旧道】 ☆★☆

■椿山ダム湖岸の村道

 椿山ダム南岸を進む村道は、ほとんど平坦な整備された道です。道幅は1.5〜狭い2車線道。見通しの悪いカーブがあることを除けばほとんど問題なく走ることが出来ます。注意すべき所は、ダム本体脇にある椿山隧道の内部に、緩いカーブがあるぐらいです。

 村道にはバス釣りの人達の車が止まっていたりするので注意して下さい。また、「対向車は来ない」と何故か確信して走る人もいるようで、見通しの悪いカーブでは対向車に要注意です。

 村道は現R424の工事の時などに迂回路として使用されることがあります。 

■椿山ダム湖の旧県道

 ダム湖南岸の旧道はダムの本体工事開始前までに完成・供用しているはずで、供用開始時点ではおそらく県道だったと思います。その県道時代の道の名残を見ることが出来ました。左写真は、2002年12月に撮影。後ろの赤い橋は旧道の橋(橋名不明)。猪谷橋から700mほど龍神側の地点で、現R424から撮影しました。

 渇水期でダム湖の貯水量が激減していたので見ることが出来ましたが、旧県道の橋だけが残っています。前後は道らしき構造物がありましたが、土砂の堆積などにより判別は不可能でした。橋と橋の前後だ

けが確認できます。ダム湖に沈んだ旧県道はダート県道だったのかも知れません。ダム湖南岸の旧道からはダム湖の岸に下る道が何本かあります。そのどれかが旧県道だった可能性があります。

 金比羅橋周辺にも旧県道の跡が残っています。現R424金比羅橋から対岸を見ると、山の斜面にへばりつくような0.8車線ぐらいの廃道があり、この極狭路は川の北岸を少し進んだのち消えています。また金比羅橋東詰(美山側)からも、日高川東岸を進む狭路が確認できます。これらの道が何の道かは分かりませんが、旧県道かr29(県道田辺龍神線)の前身となった道かも知れません。

 ダム湖の旧道は、建設前から走っていないと元ルートは分からないことが多くいつも悩みます。これらも全て憶測でしかありません。こういう推測も旧道探索の醍醐味でもあるんですけどね。(^^)

 【走行DATA】 

椿山ダム旧道

【和歌山県美山村→和歌山県龍神村方向で走行】

2002年5月9日

ダム湖南岸の道路が村道であることが判明したので、記事を修正しています。(2004.02.06)

国道424号線旧道

甲斐ノ川BP旧道

 和歌山県龍神村甲斐ノ川地区〜福井地区のR424は、かつては日高川に沿ってウネウネと進む断崖下の狭路で通行上のネックとなっていた。そこで建設されたのが甲斐ノ川BP。1997年(平9年)10月に完成・供用開始となった全長1960mの高規格道路のBP。途中にある甲斐ノ川TNは全長603mで、歩道も設置された2車線幅の快適なTNである。BPの供用開始により、10分ほどかかった甲斐ノ川・福井間は2分ほどに短縮された。

記述方向:龍神村甲斐ノ川→龍神村福井方向

 甲斐ノ川BP旧道の金屋町側分岐点は、甲斐ノ川TNより金屋町側に600mほど進んだ付近。分岐点付近は整備されて集落へ至る道との交差点の様になっている。美山村方面から来た場合、この交差点を左折して集落内へ入る。道は1.5車線道となり、緩やかな勾配のある坂道となって甲斐ノ川地区の集落内を進んで行く。程なくして下山路中学校の脇を通り抜けると集落は途切れる。

 分岐点から800mほど進むと右カーブを曲がると山間を通る1.5〜狭い2車線道となる。断崖下を通る平坦な道で落石がちらほらと見られるが、問題なく走ることが出来る。分岐点から1kmほど進むとポールが一本立っている。以前2000年(平12年)5月頃まではR424の国道標識が付けられていたのだが、いつの間にか撤去されてしまったのだ。

 ポールの地点から400mほど進むと狭路が分岐。ここから旧道は薄ぐらい杉林の中に入る。杉林の中は緩やかな勾配の上り坂となっている。600mほど薄ぐらい林の中を進むと右カーブに出る。曲がると杉林から出て明るい道となる。

旧道は下り坂となり、見通しの悪い小刻みなカーブを曲がりながら標高を下げて行く。坂の途中にはもう1本国道標識が残っていたが、こちらは撤去されず何故か崖側を向いていた。

 R424甲斐ノ川TN龍神側抗口の上付近を通り抜けて急坂を下ると集落内に入り、100mほど集落内を進むと現R424と合流した。距離にして約2.4kmである。

1.甲斐ノ川BP旧道金屋町側分岐点。右に

  分岐する道が旧道。福井側より撮影。

2.旧道は集落内を進む生活道路となってい

  た。のんびりと進んで行く。

3.途中にあったポール。2000年頃まではR

  424の国道標識が付いていた。

4.やがて鬱蒼とした山中へと入って行くが、

  距離は短い。ここだけ見ると3ケタ酷道ら

  しい道だ。

5.下り坂の途中にも標識があったが、別の

  方向を向いていた。

  (龍神村福井→甲斐ノ川方向を撮影)

6.写真5の標識を撮影した。ごらんの通り、

  R424のおにぎり標識だけが横を向いて

  いる。

   

7.甲斐ノ川BP旧道龍神村側分岐点。左に

  別れるのが旧道。

  (R424南部町側から撮影)

   

☆★☆ 国道424号線旧道 【甲斐ノ川BP旧道】 ☆★☆

 この旧道が現役国道だった時代にも走っていますが、道の状態はその頃とほとんど変化していません。甲斐ノ川地区の生活道路となっているので、整備・維持されているようです。

 見通しの悪い区間がある以外は、問題なく走ることが出来ます。集落内は「村の道」なので、飛び出しや歩行者などには注意して下さい。

 【走行DATA】 

甲斐ノ川BP旧道

【龍神村甲斐ノ川→龍神村福井方向で走行】

<<現役国道時代>>

1996年11月13日/他

<<旧国道となってから>>

2000年5月30日/02年12月3日/他

国道424号線旧道

明神TN旧道

 R424は和歌山県日高郡南部川村内を南部川に沿って進んで行く。道は1.5車線の狭路で、川沿いに進むためにウネウネとカーブを描く。見通しの悪いカーブが連続する狭路で交通上のネックとなることから、かねてより整備・改良工事が行われてきた。

 このうち南部川村東本庄地区〜滝地区の区間の整備・改良工事が2002年(平14年)1月中旬に終了し供用開始となり、同区間は高規格の2車線道と全長184.5mの明神TNで山を突っ切るような直線道路に改良された。これに伴い、南部川沿いに進む狭路は旧道となった。

記述方向:和歌山県南部川村滝→和歌山県南部川村東本庄方向

 南部川村滝地区でr197(県道滝切目停車場線)が分岐して500mほど南部町方面に進むと、現R424はいきなり路面の新しい走りやすい快走路に変化する。その直線に右に分岐する1.5車線の狭路がある。その道がR424旧道。

 現R424が「$」の字の「|」のようなルートを通るのに対して、旧道は「S」の字のように南部川の流れに沿って大きく右に向かう。ところが旧道は途中でゲートが設置されており通行することが出来ない。

 南部川を渡り明神TN龍神側抗口前に来てその理由が分かった。TNの基礎土台によって旧道が分断されていたからなのだ。建設に当たってTNの抗口がどうしても旧道の真上に来てしまったのだ。建設時は南部川の河原に迂回路を設けていたようで、その名残が確認出来た。

 明神TNを出た所で左側から1.5車線道が合流するが、これの道はまさしくR424旧道。こちらもゲートで封鎖されているようだった。この区間の旧道は、通り抜け・通行は不可能となっている。

 

1.現R424の橋の上から見た旧道。右のT

  N土台によって完全に分断されている。

  先に迂回路の名残が見える。なぜか標

  識が残されたままになっている。

2.写真1の標識を拡大。道が分断されても

  なお立ち続けるおにぎり標識。その方向

  からは二度と車は来ないのに・・・ どこか

  哀愁を漂わせている。  

 

☆★☆ 国道424号線旧道 【明神TN旧道】 ☆★☆

 この区間の旧道は走っていません。たまたまR424を走っていて、明神TN手前の橋より見つけたました。旧道自体は廃道となり通行不可能となっています。何の事前調査もなく訪れたので、BPから見たままの報告です。

 近くには島ノ瀬ダム湖湖岸を進むR424旧道もあるので、それと含めていずれ現地調査に向かいます。<(_ _)>

 【走行DATA】 

明神TN旧道

【R424BP上より確認】

2002年12月3日

【R424旧道終わり】

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