国道425号線旧道

 

 紀伊半島横断酷道として名高い国道425線は、山深い紀伊半島を横断するために道の整備・改良は遅れており、全区間の約7割は昔ながらの狭路・悪路のままとなっている。

 そんな国道425号線でも、交通量の比較的多い区間や平野部や川沿いなどの整備しやすい区間から順次整備・改良工事が行われており、わずかな距離ではあるが、年々整備済み区間は増えつつある。中には別ルートで建設された区間もあり、まとまった距離の旧道がすでに出現している。

 現在の酷道区間が旧道となるのが何年先なのかは分からないが、当分の間は旧道と現役酷道区間も同じような道路状態のまま経過して行くのだろう。

走行日:各項参照

走行方向:各項参照

レポート:各項参照

国道425号線旧道

小又川TN旧道

六地蔵TN旧道

国道425号線旧道

小又川TN旧道

 和歌山県龍神村〜奈良県十津川村間のR425の龍神村側分岐点となるのが小又川TN。R371との龍王橋南詰にある交差点に面したTNだ。内部に歩道が設けられた2車線幅のTNで、もちろんこれはBPTN。2000年(平12年)11月に完成し供用開始された。図式で書けば、R425BPを底辺とし、R425旧道を2辺とする二等辺三角形となる。

 これでR425最強の酷道区間も整備されるかと思ったが、BPとして完成したのはTN入口からわずか約200mだけ。その先は昔のまま狭路が残っている。十津川村側入口の西川TNもBPTNが完成しているので、これで同区間の両端(入口)が整備されたことになる。

記述方向:龍神村→十津川村方向

 小又川TNの完成に伴い、龍王橋南詰の交差点は変則的な4差路になった。簡単に説明すると、R371から直角に分岐するのがR425BPで、R371とR425BPとの間で斜め45度の角度で分岐するのがR425旧道となっている。

 R371から分岐するR425旧道は、元をたどればR371だった道路。R371温泉TN開通によりR371旧道となったが、R425と重複していたので、わずかな距離がR425として指定されていたのだ。

 さて、R371から分岐したR425旧道は1.5車線幅の狭路となる。緩やかな坂道を下ると龍神温泉南端の温泉宿街に入る。200mほど進むと小又川を渡りT字交差点に到着。R425旧道はここを右折する。

 右折すると旧道は1車線道となる。民家はすぐになくなり、すぐに谷間の断崖上を進む狭路となって小又川沿いに進んで行く。この先現役区間と大差ない道路状態だ。この入口付近には1本のR425おにぎり標識が立っており、『これからR425酷道区間に入るぞ』という感じがしてお気に入りの地点だった。

 狭路を240mほど進むと、右側から整備された2車線道が寄ってきた。小又川BPだ。ほどなくして合流して旧道は終わる。距離にして約450m。とても短い旧道でした。 

1.龍王橋南詰からR425旧道に入ると、お

  にぎり標識が出迎えてくれた。この道自

  体はR371旧道となる。

2.まだ建設中だった小又川TN。2000年

  5月に撮影。これから半年ほどして完成

  したそうだ。

3.R371旧道の分岐点を右折すると酷道区

  間入口へ。3ケタ国道らしい風景で気に入

  っていた地点。

 

 

4.小又川TNを出て小又川を渡った東詰に

  ある旧道分岐点。左の狭路がR425旧

  道。

 

 

☆★☆ 国道425号線旧道 【小又川TN】 ☆★☆

 この旧道は2001年11月に走っただけで、その後どうなっているかは確認していません。(^^;) R425本道のページを更新した時に、小又川TN関連で差し替えて余った写真を使用して出来たのが、このページなのです。

 2003年10月に現地を訪れたところ、T字交差点近くのR425標識(写真3の標識)は健在でした。

 【走行DATA】 

R425小又川TN旧道

【十津川村→龍神村方向で走行】

2001年11月23日

現役国道時代は何度か走行しています。

<<写真>>1〜3は2000年5月9日の現役国道時代に撮影。4は2001年11月23日に撮影。

国道425号線旧道

六地蔵TN旧道

 R425を龍神村福井地区(R424・R425交差点方向)から龍神村西地区方向(高野龍神スカイライン料金所方面)に進んでくると、R425は龍神村福井の町中を抜けた所で左カーブを曲がり日高川を渡って六地蔵TNを抜ける。ここから整備された2車線道となり、r29(県道田辺龍神線)との交差点を過ぎて龍神村西地区へ向かう。

 高規格道路の六地蔵TNは明らかにBP道路。六地蔵峠を越える旧道のBPとして1991年(平3年)2月に完成した。

六地蔵峠を越えるようにウネウネと進む旧道に対して、山をぶち抜いてほぼ直線で峠を貫いている。おそらくR425初めての「TNで建設されたBP」だったと思われる。

 現在でこそ2分ほどでクリアしている六地蔵峠も昔は難所だった区間。龍神温泉に向かうのがいかに険しい道であったかを今に伝える貴重な旧道となっている。

龍神村福井側旧道分岐点〜六地蔵峠

記述方向:和歌山県龍神村福井→和歌山県龍神村西方向

 現R425六地蔵TN西詰(龍神村福井側)では、日高川に沿って狭い2車線路が分岐している。福井地区方向から北場合だとほぼ直進するような形となるが、この狭い2車線道がR425六地蔵TN旧道となる。旧道の福井側分岐点は典型的な旧道分岐点となっていた。

 旧道に入ると民家は途切れる。下柳瀬橋で日高川を渡り少し進むと、山間の集落である龍神村下柳瀬の集落を抜ける。道幅は1〜1.5車線幅で、集落内では車同士の離合が困難な狭路区間となっている。集落を抜けるとしばらく山間の平坦な狭路となり、約500m進むと原地区の集落に入った。田畑の広がる山間の農村という感じの集落であった。

 集落に入って300mほど進むと、急な右カーブを曲がりもともとやって来た方向に向かって進んで行く。民家はなくなり、200mほど進むと道は急勾配の1車線道となって薄ぐらい杉林の中に入って行く。わずかに見える木々の切れ間からは、先ほど走ってきた平坦な狭路と原地区の集落を見下ろすことが出来た。わずかな距離で標高を上げたのだ。

 道は薄ぐらい山間を通る完全1車線幅の狭路。路面にはコケが生えており、落葉・落石などが転がっていたりする。小刻みなカーブが連続する見通しの悪い道が続く。車だと対向車とのすれ違いが困難な状態だ。

 やがて旧道は六地蔵峠に到着する。福井側分岐点から約3.1kmである。

1.龍神村福井側の旧道分岐点。カーブの先

  で右に分岐するのが旧道。

2.分岐点手前にあった案内標識。右に分岐

  するよう印されているのが旧道。

3.龍神村下柳瀬の集落内は1車線狭路。

  (龍神村西→福井方向を撮影)

4.山間の農村という感じの集落。標識があ

  ったであろうポールが残っていた。この先

  で左にカーブする。

5.民家が途切れ、徐々に山中に入って行

  く。ここからは1車線幅の急勾配坂道とな

  る。

6.写真で見るとそれほど感じないが、結構な

  急勾配の坂道だった。

  (龍神村西→福井方向を撮影)

六地蔵峠〜龍神村西側旧道分岐点

記述方向:和歌山県龍神村福井→和歌山県龍神村西方向

 六地蔵峠を越えると、R425旧道は急勾配の坂となる。周囲は深い山中で薄ぐらい山中を進んで行く。相変わらずコケが生え、落ち葉や落石がある荒れた路面の1車線道が続く。峠から600mほど進むとR425国道標識が立っていた。現役のR425と思えるような光景だった。

 国道標識を過ぎても急勾配の1車線道狭路が続く。急カーブをいくつか曲がり標高を下げて行くと、やがて竹林の中を進むようになる。竹林を通り過ぎると久々の民家が現れる。集落内への道と合流すると、すぐに交差点に到着。ここを右折すると保平橋を渡ると2車線幅の坂道となり、坂を駆け上がると現R425との交差点に到着した。

 六地蔵峠から約2.2km、福井側旧道分岐点から約5.3kmである。

7.六地蔵峠を越える。路面には落ち葉があ

  り、コケが生えている。峠を西地区から見

  る。(龍神村西→福井方向を撮影)

8.やがて杉林の中を進む1車線幅狭路とな

  る。現役時代は酷道区間だったに違いな

  い。

9.旧道にはR425国道標識が立っていた。

  旧道は、現役R425酷道区間よりもマシ

  な状態だと思う。  

10.旧道が終わりに近づくと竹林脇を通る狭

  路となる。待避帯も設置されている。

11.写真手前が六地蔵峠方向となる。ここを

  右に曲がると保平橋を渡る。

12.龍神村西側旧道分岐点。写真左がR42

  5西方面。GS右横にR425標識がある。

☆★☆ 国道425号線旧道 【六地蔵TN旧道】 ☆★☆

 六地蔵峠を越える旧道は1〜1.5車線幅の急勾配が連続する狭路となっています。少しハードな酷道区間で、現役時代は難所であったことが納得できます。昔はR424南部町方面から来ると、六地蔵峠を越さないと龍神温泉へ行けなかった訳です。六地蔵TNが完成するまではR424自体も狭路酷道だったので、南(R42)から龍神村に向かうのは大変だったでしょう。

 道路自体はそう荒れてはおらず走行は可能です。今でも地元車が結構通る交通量の多い旧道で、走った時は地元の大型車とすれ違いました。対向車には注意して下さい。

 路面には落ち葉が積もっていたり、落石が転がっています。またお決まりのコケも生えているので、走行時は注意して下さい。

冬期は路面凍結・積雪があります。冬期は走らない方が良いでしょう。

<<龍神村西側旧道分岐点>>

 六地蔵峠のR425旧道は2002年12月に走りました。このときはR424金屋町〜龍神村〜南部町間の実走調査をした時、R424甲斐ノ川TN旧道を走り終わった後にふと走ろうと思い、下調べを全くしないまま旧道を走っています。

 龍神村福井側旧道分岐点は以前から分かっていましたが、龍神村西側旧道分岐点は分からなかったので、福井側から走り始めました。旧道を淡々と走り写真11の交差点へ到着。写真11の手前に案内標識があり、それに従って右折したらそのまま現R425と合流したわけで、写真12が龍神村西側旧道分岐点だと思ったわけです。

 ところがどうも腑に落ちない。写真12の地点を左折した現R425は整備された2車線道で町外れを進んでいます。どうしても町を迂回するように建設されたBPの様に思えて仕方ないのです。道の状態からだと、写真11で直進する狭路がR425旧道だった可能性があります。今年中に一度走ってみます。

 【走行DATA】 

六地蔵TN旧道

【龍神村福井→龍神村西方向で走行】

2002年12月03日

【R425旧道000終わり】

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