奈良県道阪本五條線

 

ROUTE732

起点:奈良県吉野郡大塔村阪本→終点:奈良県五條市

 奈良県道阪本五條線は、奈良県大塔村阪本と奈良県五條市を結ぶ一般県道。位置的にはR168の西側を通っている道である。起点終点は奈良県内であるが、途中で和歌山県伊都郡高野町内を通っており2県を跨いでいる県道でもある。

 R168のバイパス的な道路かと思うかも知れないが、出屋敷峠越え区間の和歌山県内はいわゆる「険道」区間。ガードレールのない1車線狭路が延々と続く。また和歌山県高野町〜奈良県五條市にかけての区間は、急峻な山間を進んで行く山岳県道区間でもあり、バイパスの役割は果たせそうもない。

 奈良県五條市近くにありながら、意外と山深い所を通る3ケタ県道である。奈良県五條市からr732経由で奈良県大塔村さらには十津川村方面へ向かうと、山深い紀伊半島に分け入って行くような感じがして良いかも知れない。

走行日:各項参照

走行方向:終点→起点起点→終点

レポート:終点→起点方向/起点→終点方向

奈良県道阪本五條線

奈良県吉野郡大塔村〜和歌山県伊都郡高野町

和歌山県伊都郡高野町〜奈良県五條市

奈良県道/和歌山県道 阪本五條線

奈良県吉野郡大塔村〜和歌山県伊都郡高野町

奈良県吉野郡大塔村

 r732(県道阪本五條線)の起点は、奈良県大塔村阪本にあるR168とr53(県道高野天川線)の阪本交差点だろう。

r732はR168と重複して1.5kmほど五條方面に向かい、R168揖保橋南詰から単独分岐する。(ここがr732の起点かも知れない。)

 分岐直後のr732は狭い2車線道となっているが、少し進んだR168旧道(現在は廃道)が分岐する地点を過ぎると1.5車線幅の狭路になる。以後は1.5車線幅の狭路が延々と続く。r732は直ぐに谷間を進む狭路となり、杉林の中をクネクネと川沿いに進んで行く。

 400mほど進むと急カーブを曲がり、ここからは急勾配の坂道区間に入る。2つ目のカーブを曲がると、r732は早くも山中を進む狭路県道となり、急勾配の狭路坂道を進みながらいくつかの見通しの悪いカーブをクリアして行く。

 勾配が少しばかり急になると峠が近い。小刻みなカーブをいくつか曲がり、R168分岐点から約2kmで和歌山県との県境ともなっている出屋敷峠に到着する。

1.この先、揖保橋を渡った所でr732が分

  岐する。(R168五條側から撮影)

2.r732分岐点。左に分岐するのがr732。

  (R168阪本側から撮影)

3.r732に入るとヘキサ県道標識が立ってい

  る。この付近は2車線道となっている。

4.しばらく谷間を進むが、急カーブを曲がる

  と山中へ入って行く。

  (高野町→大塔村方向を撮影)

5.r732は山中の1.5車線幅の狭路にな

  り、薄ぐらい山中を進んで行く。路面状態

  は良い。

6.いくつかの見通しの悪いカーブを曲がって

  進んで行く。

  (高野町→大塔村方向を撮影)

和歌山県伊都郡高野町

 出屋敷峠の周囲は深い山中で杉林が広がるだけ。峠にあるのは作業小屋だけである。出屋敷峠を越えると和歌山県高野町に入る。道は1.5車線幅の狭路のまま緩やかな勾配のある坂道となる。少し進むと周囲は深い山中となり、薄暗く鬱蒼とした杉林の中を淡々と進んで行くようになる。

 やがて勾配は少し急になり、道も路面のコケの生えた1車線道となり徐々に「険道」の雰囲気が濃くなってくる。谷側は谷になっているがガードレールはなく、背の低い縁石があるだけ。運転を誤ると谷に落ちてしまいかねない。見通しの悪い小刻みなカーブをいくつもクリアして進んで行く。車同士だと離合が難しい道幅の狭路が続く。

 出屋敷峠から3.5kmほど進むと、勾配は少しマシになり緩やかな坂道という感じの道になる。それでも谷底に来たわけではなく、山の中腹少し下付近をウネウネと進んでいるに過ぎない。道幅は少し広がる。広がると言っても1.5車線幅ぐらいなので狭路には変わりない。

 しばらく進むと谷底近くまで下りてきたようで、川を挟んだ対岸に1.5車線幅の狭路が併走するようになる。あちらはr733(県道川津高野線)だ。500mほど平坦な道を進むと、r733との交差点となる坂本辻に到着する。出屋敷峠から約5.3km、R168分岐点より約7kmである。

7.出屋敷峠に到着。ここから和歌山県高野

  町に入る。付近は深い山中。

8.峠を越えると勾配のある坂道となる。1.

  5車線幅の狭路が延々と続く。

9.やがてコケの生えた1車線狭路区間も現れ

  る。「険道」らしい風景。

10.やがて道は平坦な1.5車線道になる。

  待避帯も現れて幾分走りやすくなる。周

  囲薄ぐらい鬱蒼とした山中である。

11.r733との坂本辻に到着する。こう見る

  と走りやすい道に見える。

  (高野町→大塔村方向を撮影)

12.坂本辻のr732とr733分岐点。右はr73

  3で、r732は左に向かう。

  (r732五條市方向より撮影)

☆★☆ 奈良県道阪本五條線 ☆★☆

【奈良県吉野郡大塔町〜和歌山県伊都郡高野町】

■概況・交通量など

 出屋敷峠越えの区間です。道は1〜1.5車線幅の狭路が延々と続きます。いわゆる「険道」区間となっています。この区間は全長約7kmですが少しハードかも知れません。

 交通量は皆無です。走る車はほとんど見かけません。走るのは地元車ぐらいでしょう。

■ガソリンスタンド

 GSはありません。GSどころか民家・公衆電話・自販機すらありません。この区間は全くの無人の山中をひたすら走る区間です。ガソリンはr732に入るまでに給油しておいて下さい。

 r733との坂本辻には、小さな個人経営のレストランがあります。このレストランが、この区間唯一の人がいる建物となります。

■アドバイス

 初心者の方は2人以上で行かれることお勧めします。

 自転車の場合、約7kmということですが、結構アップダウンがあります。体力・時間には余裕を持って走って下さい。なお、区間中には何もありません。飲み物などは予め購入しておいて下さい。

■注意点

 見通しの悪いカーブが連続します。対向車が来る場合があるので、慎重に注意して走って下さい。

 悪天候時・大雨の時は土砂崩れが起こる可能性があるので走らない方が無難です。また冬期は路面凍結・積雪がある峠道です。冬期通行規制は行われていませんが、冬期に訪れる場合はタイヤチェーンは必携です。冬期、バイクでは走らない方が無難です。

 【走行DATA】 

奈良県吉野郡大塔町〜和歌山県伊都郡高野町

【起点→終点方向で走行】

2000年5月16日/02年7月30日/他

和歌山県道/奈良県道 阪本五條線

和歌山県伊都郡高野町〜奈良県五條市

和歌山県伊都郡高野町

 r732は坂本辻から谷間を進む平坦な1.5車線狭路となる。見通しの悪い区間もあるが、さほど問題なく走ることが出来る。坂本辻から1.5kmほど走ると高野町富貴地区の町に入る。最初は山間の農村という感じの集落内を進んで行くが、1kmほど進むと町になる。町と言っても静かな山間の町で、昔の町の面影が残っている。

 中心部を抜けると再び山間の農村地帯を進むようになり、水田地帯を通り抜ける。約2kmで富貴地区を抜けると、深い谷の断崖上を進む山岳路になる。富貴地区の町から2kmほど進むと和歌山県と奈良県の県境に到着する。坂本辻から約5kmである。

1.坂本辻を五條市に向かって進む。谷間を

  進む平坦な狭路が続く。

2.やがて高野町富貴の集落に入る。この付

  近は山間の農村という感じの所。

3.町の中心地。狭い2車線道となる。交通量

  は多い。(五條市→高野町方向を撮影)

 

4.町を外れると、再び山間の農村地帯を進

  んで行く。(五條市→高野町方向を撮影)

5.和歌山県と奈良県境に到着。再び奈良

  県に入る。バス停名は『県界』。

 

奈良県五條市

【県境〜五條市大津町】

 奈良県五條市に入ると、r732は東ノ川沿いに進んで行く。川沿いではなく、川によって出来た深い谷の断崖上を進む山岳路となる。五條市内ながら意外と山深い所を進んで行くことになる。ちなみに谷の対岸は和歌山県橋本市となる。

 山深い所を進むが、車の姿を結構見かけるようになる。道幅は1〜1.5車線幅の平坦(一部で勾配のある)狭路が断続する。見通しの悪い小刻みなカーブが連続するので、対向車に注意して走らないといけなくなる。出屋敷峠越え区間とは違って、谷側にはガードレールが設置されているので幾分気が楽にはなる。

 しばらくは民家のない深い山中を進んで行く。県境より2kmほど進むと五條市大深町の集落に到着する。r732沿道に家はあまりなく、多くは山の急斜面に家(農家)が建っている。どこか信州の山間を走っているように感じる。大深町の集落を過ぎると、r732は何もない再び断崖上を進んで行く。道は、一部にセンターラインのある2車線道が現れるが、ほとんどは1.5車線道。緩やかな勾配がある山間の道が続く。

 大深町の集落より3kmほど進むと五條市田殿町の集落に入る。大深町と同じく、山の斜面に農家が建っている。田殿町の集落内より、道は狭い2車線〜2車線道となる。ここからは整備が進んでいるようだ。緩やかな勾配のある坂道を淡々と下って行く。

 やがて集落が途切れると山中に入り、道は急勾配の坂道となって一気に谷底に向かって下って行く。急勾配の2車線幅のヘアピンカーブを2つ連続でクリアすると、r732は平坦な2車線道となって五條市火打町ののどかな農村地帯を進んで行く。水田の中を淡々と進み、坂道を下るとr55(県道橋本五條線)との火打交差点に到着する。

 県境より約9km、坂本辻より約14kmである。

6.県境からは断崖上を進んで行く。こんな

  感じの狭路が続くが、道幅が広い区間も

  ある。

7.やがて五條市田殿町の集落へ入る。この

  付近からは狭い2車線道となり、幾分走り

  やすくなる。

8.向こうの山腹に見えるのが田殿町の集落。

  r732は勾配のある坂道で徐々に標高を下

  げて行く。(五條市→高野町方向を撮影)

9.この付近からは急勾配の坂道となり、や

  がて2車線幅のヘアピンカーブを曲がる。

10.五條市火打町に入ると、r732は平坦な

  2車線道となり、農村地帯を進んで行く。

11.やがてr55との交差点に到着。左に分岐

  するのがr732。(r55五條市側より撮影)

奈良県五條市

【五條市火打町〜五條市二見町】

 r55と合流したr732は、r55と重複して東に進む。1.5〜狭い2車線道を1.5kmほど東に進み、五條市中町にあるY字交差点でr55から単独分岐する。r732は狭い2車線道のまま進み、御蔵橋で吉野川を渡って五條市犬飼町に入る。犬飼町の町中を淡々と進み、中町の分岐点より約1kmでR24との犬飼交差点に到着する。ここがr732終点だろう。

 県境より約11km、坂本辻より約16kmである。

12.この先の交差点でr55より単独分岐す

  る。ここまでは昔の面影の残る農村地帯

  を進むローカル県道区間。

13.r732単独分岐点。右の狭路がr55で、

  r732は左の道に進んで行く。交通量は

  意外と多い。

14.r732は御蔵橋で吉野川を渡る。橋は狭

  い2車線幅しかない。御蔵橋南詰にて撮

  影。

 

15.御蔵橋を渡ると五條市犬飼町に入る。町

  中を2車線道で通り抜ける。

16.中町より約1kmでR24との犬飼交差点

  に到着。ここがr732終点だろう。

 

☆★☆ 奈良県道阪本五條線 ☆★☆

【和歌山県伊都郡高野町〜奈良県五條市】

■概況・交通量など

 谷間や山間の農村地帯、断崖上を進む区間があるなど、結構変化に富んだ区間です。県境〜r55交差点までの奈良県内の区間は、五條市内とは思えない深い山中を進みます。道幅は1〜2車線幅とバラバラで、見通しの悪いカーブも多く運転には注意が必要です。

 道はゆるやかな勾配のある坂道となっているので、県境からr55交差点に向かって進むにつれて徐々に標高を下げて行きます。五條市田殿町にあるヘアピンのS字カーブで一気に標高を下げた後は平坦な道となります。r55交差点〜R24交差点までの間は、典型的な農村地帯を進むローカル県道区間です。なんら問題なく走ることが出来ます。

 坂本辻からは車・トラックの姿をよく見かけるようになります。和歌山県高野町富貴〜r55交差点までは、それなりに交通量があります。路線バスも走っているので、対向車には注意して走って下さい。

■ガソリンスタンド

 和歌山県高野町富貴地区に1軒GSがあったように思います。個人経営の小さなGSなので終業時間が早かったり、日曜・祝日は休みかも知れないので注意して下さい。県境から北側にはGSはありません。

■アドバイス

 バイク・車の運転初心者には少しきつい道かも知れません。対向車に注意してゆっくりと走れば問題ないと思いますが、できれば2人以上で走ることをお勧めします。

 自転車の場合、r55側より南下するとずっと上り勾配を進むことになり、体力・時間が必要となります。出来るならば和歌山県高野町側より北上する方が楽です。

■注意点

 悪天候時・大雨の時は土砂崩れ・崖崩れなどの危険があるので、走らない方が無難です。また冬期は、路面凍結・積雪のある区間です。車の場合はタイヤチェーン必携ですが、バイクでは走らない方がいいでしょう。

 【走行DATA】 

和歌山県伊都郡高野町〜奈良県五條市

<<坂本辻〜r55交差点>>

【終点→起点方向で走行】

1995年12月6日/96年3月23日/他

【起点→終点方向で走行】

2000年5月16日/02年7月30日/他

<<r55交差点〜R24交差点>>

【起点→終点方向で走行】

2002年7月30日/他

【r732終わり】

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