国道170号線旧道

 

 国道170号線は、大阪府高槻市〜大阪府河内長野市〜大阪府泉佐野市を結ぶ3ケタ国道。『大阪外環状線』と呼ばれる4車線(一部区間に2車線)の一大幹線国道。R170(大阪外環状線)は高槻側より順次完成して行き、1994年(平6年)の関西空港開港に合わせて全線開通した(4代目R170)。

 R170は、1953年(昭28年)月に和歌山県和歌山市〜三重県松阪市の国道として制定されたが(初代R170)、1958年(昭33年)にR42に昇格となり一度消滅。その後、1963年(昭38年)に大阪府高槻市〜大阪府河内長野市〜和歌山県橋本市の東高野街道〜高野街道に沿ったルートで復活した(2代目R170)。さらに1982年(昭57年)4月に、高槻市〜河内長野市〜泉佐野市のルートに変更された(3代目R170)という、ややこしい経歴を持つ。

 現在のR170(大阪外環状線)に沿って並行して進むもう一本のR170は、この2代目と3代目のR170。大阪府道枚方富田林泉佐野線(r20)と重複している。

 大阪府泉南郡熊取町から始まる旧R170は、貝塚市・岸和田市・和泉市の山手地区を通って河内長野市に至る。この区間は3代目R170。R170になってから12年ほどでR170(外環)が全通してしまい、今だに昔の道のままとなっている。このままR170として整備されるのか、国道指定が解除されるのか、気になる区間である。

 

【写真】:どの道もR170・・・直進するのが旧R170で、左右がR170(外環)です。大阪府和泉市槇尾中学南交差点手前にて。

 

【注意 その1】

R170(大阪外環状線)が全通しましたが、平行するR170は旧道(国道指定解除)とならずに

現役のR170として現在に至っています。

 ここでは旧街道沿いのR170をR170(大阪外環状線)の旧道として、『旧道を行く』で紹介します。

【注意 その2】

レポート内では、今回実走調査したR170を旧R170と表記し、

旧R170のBPに相当する現在のR170(大阪外環状線)をR170(外環)と表記しています。

 

国道170号線旧道 その1

大阪府泉佐野市〜大阪府岸和田市

大阪府岸和田市〜大阪府河内長野市

走行日:2001年1月8日/23日

走行方向:終点→起点

レポート:終点→起点方向

国道170号線旧道

大阪府泉佐野市〜大阪府岸和田市

 大阪府泉佐野市内にあるR26上瓦屋交差点がR170の終点。ここからR170に入る。広い2車線道を進み、大阪府道30号線を越えてJR阪和線を陸橋で越えると大阪府泉南郡熊取町に入る。陸橋を下りて2つ目のT字交差点(熊取交差点)が旧R170の分岐交差点となる。

 案内標識には大阪府道泉佐野打田線(r62)の分岐しか表示されておらず、r62分岐交差点のように見えてしまう。しかしr62はR170(外環)には交差せずに南側を平行して進むので、正確に言うと間違いとなる。犬鳴山方面に向かう人が多いので、そう標した方が利にかなっていると言うわけだ。

 熊取交差点から2車線の道を500mほど進むと大久保東交差点に到着する。r62はこの交差点で西へ向かうのだが、旧R170はこの交差点を左折して東に向かう。道幅は1.5車線幅となり、熊取町の市街地の中を進む。R170(外環)は渋滞しがちで皆裏道として利用するようだ。道が細く交通量が多い上に、歩行者や自転車・原付バイクがひっきりなしに走ってくる。バスも走っているので、車では離合に苦労する時もある。

 少し進むと1.5〜狭い2車線幅になる。一昔前の街並みが続く熊取町小谷地区を抜けると、道幅ようやく2車線幅となる。貝塚市に入って永寿南交差点を過ぎると、旧R170は下り坂のカーブを曲がり水間寺の脇に出、すぐに直角カーブを曲がって水間寺の門前を過ぎると、近木川を渡ってr40と合流する。

 貝塚市木積地区を狭い2車線で通り抜ける。貝塚IC連絡道となるr40BPの方が遙かに立派な道である。木積地区の集落を抜けると、沿道には建物が少なくなり田圃や畑が広がり始める。ローカル3ケタ国道の雰囲気が強くなる。

 岸和田市に入って下りのS字カーブを曲がると少し山中の集落の雰囲気がする岸和田市河合町の中心地区に到着する。r39との交差点を過ぎると、狭い2車線の勾配が急な上り坂にさしかかる。峠(?)を越えて今度は急な下り坂を下って上白原町に入る。

 南海バス白原車庫前を過ぎると、ほんのわずかだが林の中を通る区間がある。林を抜けると岸和田市内畑町の集落へ。r40と交差して内畑町の中心地区を通り、2車線の上り坂を登ると奈良池前交差点に到着する。R170(外環)との1回目の交差点である

1.熊取交差点をR170(外環)河内長野

  側より撮影。この付近の外環は結構渋

  滞する。

2.大久保東交差点を旧R170(岸和田側)

  から撮影。右折すると外環へ、左折・直

  進するとr62に入る。

3.貝塚市内の旧R170。この先を少し進

  むと水間寺へ着く。

4.r40との交差点。旧R170は右折する。

  北側からだと少しわかりづらい。正面に

  R170標識がある。

5.岸和田市の山手を行く。この付近はロー

  カル国道っぽい雰囲気がする区間。

6.この先が奈良池前交差点。旧R170をト

  レースするには右折する。奥の高架は

  阪和道。

☆★☆ 国道170号線旧道 【大阪府泉佐野市〜大阪府岸和田市】 ☆★☆ 

 この区間の旧R170は、熊取町、貝塚市、岸和田市の山手(山側)の地区を通ります。沿道に新興住宅地やニュータウンはあまり見られず、昔の造りの家が建ち並ぶ町中を走ります。それゆえ道幅も狭く1.5〜狭い2車線幅となっている上に、定期バスも走るので離合で苦労することもあり得ます。町中では歩行者も結構いるので、走行は注意が必要です。

 R170(外環)が全通するまでは交通量が多く、大型トラックも結構走っていましたが、現在では地元の人の車が走るくらいのローカル国道となっています。現在では、町中では交通量は多いですが、町の間は少なく自分のペースで運転出来ます。ただし、地元の人の車がとんでもない所でいきなり停車したりしますので、車間距離は空けて走った方が無難です。

ルート自体は容易にトレース出来ます。主要交差点にはR170の案内標識が設置されているためにコースを見失う事はないでしょう。ただ、北側(河内長野方面)から走って来た場合、R170(外環)から分岐する奈良池前交差点と、水間寺近くのr40分岐交差点(信号なし)の交差点は見落とす可能性があります。

 旧R170が脇道もしくは一般府道(市道)に見えてしまうためです。1.5車線道が多く、国道表示が少ないために走っていると不安になるやも知れませんが、道に沿ってひたすら進めばルートをトレース出来るはずです。

 秋(10月上旬)になると山手地区のだんじり祭りが開催されるために、祭りの日は通行止めになる区間があります。

 【写真】:岸和田市内畑町内にあった道路情報箱。国道の名残?同じモノは和泉市若樫町内に

      もありました。

国道170号線旧道

大阪府岸和田市〜大阪府河内長野市

 旧R170は、奈良池前交差点でR170(外環)と合流するが、300mほど河内長野側に進んだ奈良池前交差点の次の交差点ですぐに分岐する。

 分岐すると2車線道となって一度R170(外環)の下を潜ってため池の横を走る。山中に向かうローカル国道という雰囲気が漂う。大阪府和泉市に入り春木川北口交差点でr226と交差する。この交差点を過ぎると、道幅は1.5車線幅となり集落を抜けて蜜柑畑に入って行く。『R170』の標識があるので正式な国道である。

 1.5車線ブラインドカーブを曲がると、和泉市若樫町の集落に入る。集落内は完全1車線区間で、車同士の離合は難しい。しかし走る車は地元車を除けばそう多くない。和泉市若樫地区の旧R170は、河内長野以南の区間では一番『3ケタ国道』の雰囲気がする区間である。

 集落を抜けると道幅は2車線幅となる。大野町内でR480と交差すると、少しだけ山中2車線ワインディング区間が現れるが、すぐに和泉市坪井町の集落に着いてしまう。集落内に入ると1.5車線幅となり、以後1.5〜狭い2車線幅で和泉市仏並町の集落内を通り過ぎ、R170(外環)との2回目の交差点である槇尾中学校南交差点に到着する。

1.奈良池前交差点から河内長野方面に

  300mほど進んだ交差点で外環から分

  岐する。(泉佐野側より撮影)

2.2車線国道となって和泉市の山手地区

  に向かう。

3.r226との交差点。旧R170は、点線通

  りに進む。

4.1.5車線ブランドカーブ入口にあったR

  170標識。国道の証。(泉佐野側より

  撮影)

5.和泉市若樫町内の旧R170。集落内の

  完全1車線道。3ケタ国道の雰囲気大。

6.和泉市坪井町内の2車線区間。昔の集

  落内を走る。この先のカーブから先は1

  .5車線幅に。

 旧R170は、この交差点でR170(外環)に合流せずに直進する。200mほどのR480との重複区間を過ぎると1〜1.5車線幅で和泉市下宮町内の集落内を通り、国分峠交差点へ着く。標識通りに右折すると、2車線道で和泉市の山手地区の集落を北東に向かう。和泉市福瀬町で3回目のR170(外環)との交差点を過ぎて、静かな集落を繋いで山手へと向かう。和泉市南面利町(なめりちょう)でR170(外環)との4回目の交差点(旧R170が外環を橋で渡る。外環とは連絡道路で接続。)を過ぎると、大阪府河内長野市に入る。

 河内長野市天野町に入ると、2車線の急勾配の坂を下る。下った所に金剛寺がある。旧R170は寺の門前を過ぎると左に急カーブし、その先は1kmほど2車線ワインディング区間が続く。河内長野市小山田町で90度に近い直角カーブが現れ、スピードを落として曲がると久々の集落に到着。ニュータウンへの道が分岐していることもあり、ここからR170(外環)に向かって徐々に交通量は増えてくる。

 2車線のまま緩やかな勾配の長い坂を下ると山中から抜けて平野部に入ってくる。右側に畑を挟んでR170(外環)が見える。河内長野市上原町のR371BP分岐交差点を過ぎ、工場の脇を進むと工業団地前交差点に到着。R170(外環)との5回目の交差点である。

7.和泉市下宮町内の旧R170。狭いのだ

  が路線バスが走る。

8.国分峠交差点。旧R170は右折する。

  左折するのは旧r39(泉大津粉河線)。

9.河内長野市に入る。この付近は近年改

  良された区間。

10.河内長野市郊外を行く。徐々に住宅

   が増えて行く。

11.この先の工業団地前交差点でR170

   (外環)と交差する。   

12.交差点手間にあったR170標識。直進

   と標してあるが、直進は出来ない。

 工業団地前交差点で旧R170はR170(外環)を斜めに横断するが、外環の中央分離帯によって分断されている。そのため、泉佐野→高槻方面行き(北行き)の場合は、一旦外環に入って2つ先の野作町南交差点を右折しなくてはならない。高槻→泉佐野方面行き(南行き)の場合も、同じ交差点で外環に入って工業団地前交差点で右折レーンに入って旧R170に入る必要がある。旧R170の南行き車線なら分断されずに外環を横断できそうだが、この右折レーンで事実上分断される。

 R170(外環)を越えると、旧R170は河内長野市街に入る。野作町・錦町・西代町といった昔からの町中を通る。道幅は狭い2車線道路で、緩いカーブを描きながら町中を進む。西代神社を過ぎて少し進んだ交差点で右折すると市街中心街に向かい、本町七つ辻交差点に到着。R310・R371(起点)との交差点である。

 泉佐野市からここまでが3代目R170の区間である。

13.河内長野市市街の旧R170。昔からの町中を走る。

14.本町七つ辻交差点に到着。R310との合流交差点であり、

   R371の起点。ここから先は2代目R170。R170の標識の

   後ろにはR310の標識がある。案内標識は古いタイプ。

☆★☆ 国道170号線旧道 【大阪府岸和田市〜大阪府河内長野市】 ☆★☆ 

 この区間の旧R170の和泉市若樫町内は、高槻〜河内長野〜泉佐野間の旧R170の中で一番3ケタ国道らしい区間です。それゆえ平行する河内長野以南のR170(外環)の中では、早期に完成・供用されました。旧R170からはR170(外環)を眺めることが出来ます。

 道幅は1〜1.5車線と狭くブラインドカーブがあったりするのですが、右写真のように路線バスが道幅一杯に走っています。ブラインドカーブでは対向車(特にバス)に要注意です。ちなみに路線バスの停留所は集落手前の広場にあります。

 和泉市坪井町から先の旧R170は、交通量は結構多く路線バスも走っています。和泉市北田中町のr61との交差点〜R170(外環)交差点までは車・大型トラックが結構走っています。R170(外環)を過ぎると再び減りますが、土日祝日は交差点の少し先にある園芸店へ向かう車で大渋滞することがあります。

 河内長野市内に入ると交通量は減りますが市街地に近づくに連れて増えて行きます。河内長野市街地内、特に本町七つ辻交差点を中心にした区間は駅前に出入りする車・タクシー・バスで絶えず渋滞が発生しています。7本の道が交差しているという構造上の問題もあるのでしょうけど。バイクでのすり抜けも困難なほどです。この付近、歩行者・自転車が多く、飛び出し・直前横断が多いので要注意です。

国道170号線旧道 その2

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