○国道309号線旧道 新笠木TN旧道峠/新川合TN旧道 |
||||||||||||||||||
【レポートは吉野郡天川村→吉野郡黒滝村方向(南→北方向)です。】 |
||||||||||||||||||
■新川合TN旧道【奈良県吉野郡黒滝村〜奈良県五條市西吉野町】 |
||||||||||||||||||
吉野郡天川村川合にあるr53交差点から2車線坂道を上るとほどなくしてR309旧道分岐点に到着する。現道から左に分岐する狭路が旧道である。 今回は前回走行してから何度か天川村には来ているが、本道とか別ルートを入っていたので、旧道を走るのは約5年ぶりとなる。 旧道は緩やかな狭路坂道のまま杉林の中を進んで行く。路面状態はそう変化ないが、路肩や路面中央に落ち葉や枯れ枝が積もっている。道幅は実質的に1車線とみた方がよいだろう。まだ4月なので前年の落ち葉や枯れ枝などが残っているが、路肩に積もった状態を見る限りではかなりの年月が経っているように思える。 見通しの悪い狭路をしばらく走ると広いカーブに出る。離合を考えて道幅を広くしていあるのだろう。ここにあったR309国道標識は2枚とも撤去されてしまった。国道指定を解除され、名実ともに旧道となったのだ。その先も狭路が続く。正確に言えば、実質的に狭路となってしまった道を走る。1.5〜狭い2車線幅ほどあったのだが、草木の浸食や土砂が積もることにより道幅が狭くなったのだ。センターラインがかつて2車線道であったことを物語っている。 対向車もない山中の狭路坂道を走り続ける。相変わらず見通しの悪い区間が続く。やがて川合トンネルの重厚な造りをした抗口が見えてきた。ほどなくしてトンネルを越えると五條市西吉野町(旧:吉野郡西吉野村)に入る。川合TNは切抜峠 (川合峠とも言う)を貫いているのだが、この峠を越える車道もあったという。大正時代に開通した車道のことだろうが、トンネルが開通して半世紀以上が経過した現在では自然に還ってしまい確認することはできないだろう。どこから分岐していたのかさえ不明だ。 五條市西吉野町に入ると道幅は2車線となる。が、こちら側も草木の浸食などにより1〜1.5車線幅の狭路になっている。センターラインがかつての道幅を教えてくれている。道幅が広がるとクネクネした急カーブが連続するワインディング道路となる。お決まりのようにドリフト族のつけたタイヤ痕があちこちに残っている。バースとしたタイヤも数本投棄されており、ここがどういう場所になっているのかが容易に察しが付く。旧道となった道の宿命だろう。 急坂・急カーブの続く坂道をしばらく下ると、やがてT字交差点に到着する。標識があったが、R309のおにぎり部分には白テープが貼られすでに国道ではないことを物語っていた。ここがr49旧道分岐点であり、ここを右に曲がると笠木TNが現れる。 |
||||||||||||||||||
|
■新笠木TN旧道【奈良県吉野郡黒滝村〜奈良県五條市西吉野町】 |
||||||||||||||||||
T字交差点を右折すると笠木TNが現れる。抗口前にあったR309国道標識も撤去されてしまっており、『黒滝村』という標識のみが残っていた。標識通り、トンネルを越えると吉野郡黒滝村に入る。 やや狭い2車線幅の笠木TNを越えると、すぐ脇に笠木峠を越える旧旧道が分岐する。笠木TNを越えると1.5〜狭い2車線幅の坂道となる。天川村側同様、路肩からの草木の浸食や土砂崩れなどにより道幅は狭くなっており、実質的に1〜1.2車線ぐらいの狭路となっている。路面に散らばる落ち葉や落石なども多く、2001年の時と比べると路面状態はかなり悪化しているといえるだろう。約半年後の2006年11月にも旧道を走っているのだが、悪天候の翌日に走ったことを考慮しても、路面状態はさらに悪化していた。 ヘアピンカーブをクリアすると杉林の中を進む狭路になる。落ち葉で覆われている場所が広いのは当然で、あちこちに落石も見受けられる。落ち葉な中に石があるかも知れないので、走行にはかなりの注意が必要だった。斜面から流れ出した雨水などが川を作っている場所もあり、旧道らしくなっていた。 見通しの悪い狭路をしばらく走る。こんな道だが対向車がないとは言えないので、カーブの出口は特に注意を払った。やがて新笠木TNが見えてきた。ほどなくして黒滝村側の旧道分岐点に到着。ここまで対向車に出会うことはなかった。 |
||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
<<写真はすべて2006年4月撮影>> |
||||||||||||||||||
【合併情報】 ●2005年(平17年)9月25日付けで、奈良県吉野郡西吉野村と吉野郡大塔村の2村が奈良県五條市に編入されて、『奈良県五條市西吉野町』 と『奈良 県五條市大塔町』になりました。 |
||||||||||||||||||
◆2006年レポート終わり |
<<MEMO>> |
|
■概況・交通量など 年々旧道らしくなっていっているようです。2006年は2回走行していますが、かなり荒れていました。廃道にはならないと思いますが、手入れはあまりなされないようです。 旧道となってからは交通量は激減したようです。路面に苔が生え始めているところから察するに、地元車以外はほとんど走っていないようですが油断は禁物です。対向車には注意して下さい。 R309の新笠木・新川合TN旧道は、私が初めてのバイクツーリングで吉野郡天川村に連れて行かれた時、2006年レポの写真13の急カーブで、Lowまでギアを落として曲がろうとしたらエンストさせてしまい、思わず転けかけたという思い出のある道なのです。当時(1995年10月)はまだ現役国道だった頃のこと。後ろから来る車にヒヤリとしたものです 今では走る車は激減しひっそりとしており、かつては路線バスや観光バス、大型トラックまでもが旧道を走っていたとは信じられません。 ■アドバイス バイク・車の運転初心者にはつらい道です。無理だと思ったら素直にR309 新笠木TN/新川合TNを走りましょう。自転車では少しきつい急勾配の坂道が続きますが、トンネルを走るよりは安全 だと思います。ただ旧道沿いには民家はもちろん、自販機すらありません。 ■注意点 冬期は路面凍結・積雪があります。通行止めにはなりませんが、冬期の走行は注意して下さい。旧道のトンネル内は晩秋・早春に路面凍結があるかもしれません。 大雨の時は崖崩れの危険があるので走らない方が無難です。大雨の後も道路情報は確認して下さい。 |
|
●走行DATA |
|
R309 新笠木TN旧道/新川合TN旧道 【黒滝村→天川村方向を走行】 >>走行日:1995年10月10日(現役国道時代)/2001年8月30日/2006年11月12日 |
|
【天川村→黒滝村方向を走行】 >>走行日:1999年12月4日/2006年4月20日 |
|
注意>>この区間は、現役時代も含めて走行方向問わず何度も走行しています。走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。 |
笠木トンネル黒滝村側抗口前から分岐する狭路は笠木峠を越える旧旧道となる。大正時代に整備された『丹生天川街道』の 後身となる。笠木TNが開通したのは、旧道が県道大淀上北山線時代の1970年(昭45年)のこと。旧旧道はこの時に笠木TN旧道と化した。県道が国道に昇格したのは1975年(昭50年)4月のことなので、旧旧道がR309であったことはないが、ここではR309旧道の旧道すなわち”旧旧道”として取り扱っている。 この旧旧道の走行は1999年(平11年)12月に行っている。以来、分岐点付近以外は訪れていない。 |
||||||||||||
■笠木峠旧旧道【1999年レポート】 |
||||||||||||
【レポートは黒滝村→天川村方向(北→南方向)です。】 |
||||||||||||
笠木TN黒滝村側抗口横に1車線の 荒れた舗装道路が分岐している。いかにも旧道という感じの別れ方である。狭路に入ると、深い山中を完全1車線幅の急勾配区間の道が続く。路面には落ち葉が積もっている。ほとんど車の通行がないようだ。路面は予想に反して荒れておらず、ゆっくりと走れば大丈夫だが、400mほど進むと舗装道路は途切れて1車線ダート道となる。 ダート区間は一部に砂利があるものの路面は固い。少し勾配のあるブラインドカーブを幾つか曲がると日当たりの良い広場に出る。分岐点から約1km。どうやらここが笠木峠の様だが、峠の看板などはなくひっそりとしている。現国道の遙か上の地点を通過していることになる。 峠を過ぎると道は下り区間に入るが、路面の荒れたダートとなる。この広場から先は車では進入不可能だ。ぬかるんだ道をゆっくりと進む。道はこの路面状態ままR309旧道に出るかと思われたが、峠から600mほど先で材木置き場と化していて、それ以上進むことは不可能であった。道自体はその材木置き場より先にまだ進んでいたので、切り出された木を乗り越えて歩けば行けるかも知れないが、無理はしないで引き返した。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
<<写真はすべて1999年12月撮影>> |
||||||||||||
◆1999年レポート終わり |
■笠木峠旧旧道【2006年レポート】 |
||||||||||||
1999年12月以降、旧道は何度か走行しているのだが旧旧道は走行していない。通り抜け出来ないのが分かっているのと、いつも通る時間が遅いために分岐点だけ確認して通り過ぎていた。 2005年に入って走ろうかと思ったが、舗装工事のため長期間通行止めとの情報を得て断念。翌2006年4月の際も時間が遅くなったために分岐点付近のみの撮影だけとなった。 2006年(平18年)11月中旬にオフ会を開催した時に走る機会があったのだが、他の参加者の手前、勝手な行動ができず、この時も断念している。ただオフロードバイクで参加していた参加者の方が途中まで走ってきて下さった。その方の報告によると、旧旧道は途中まで真新しく舗装(コンクリ?)されていたとのこと。新たに設けられた広場(木材集積所。切り出し所?)まで舗装路が続いていたが、広場の向こうにダート道があったのを確認されている。 おそらく笠木峠までに至る途中に広場が設けられ、そこまで簡易舗装されたものと思われる。広場から先、笠木峠を越えて1999年に引き返した地点まではダート道で残っているのだろう。 オフ会の時、天川村側の旧旧道分岐点も調査している。草木生い茂り自然に還った旧旧道を少し歩いて見たが、道らしい痕跡はほとんど消えており、どう見ても斜面の一部と化していた。100mぐらい進んだ付近で崩土現場があった。草木の状態から推察すると崩土もかなり以前に起こったようだ。時間的な制約もあり、崩土現場から先は進んでいない。 2005年には天川村側分岐点から車を突入させ、そのまま放置した不埒者がいたそうだ。さすがにその不法投棄の廃車体は撤去されていたが、めちゃくちゃなことをする輩がいるものだ。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
◆2006年レポート終わり |
<<MEMO>> |
|
■概況・交通量など 旧R309笠木峠の旧旧道の黒滝村側は、笠木峠を越えて600mほど進んだ所までは通行可能でした。この道を通るのは林業関係の人達だけのようで、実質作業林道と化しているようです。林業関係以外の方で、こんな道を走るのは私のような人だけでしょうな。(^^;) 旧旧道の天川村側は残念ながら草木に覆われておりバイクどころが徒歩でも通行不可能な状態で、完全に自然に還ってしまっていました。道は徐々に山腹を登り山深くに消えて行きます。国土地理院発行の地図で確認したところ、この廃道が笠木峠の旧旧道の天川村側区間であることが判明。材木置き場から先は、しばらく行くと通行不可能な状態になっていると思われます。旧旧道は走破不可能となっています。 笠木TN開通までは、この道を走って天川村へ向かっていたのでしょう。まさに秘境天川村へ続く道という感じがする旧旧道でした。 川合TN開通以前の旧旧道もあるそうですが、完全に自然に戻ってしまったそうで、今は分岐点すら分からない状態になっています。 ■アドバイス バイクで走った@管理人がいうのも何ですが、興味本位では走らないで下さい。下手すると林業関係者の方の仕事を邪魔することになります。 @管理人も1999年に一度走って以来、この旧旧道は走っていません。 車での走行はやめておいた方がいいです。 途中で離合したり方向転換する場所がありません。突入すると広場まで進まねばなりません。またこの手の道に走り慣れていないと走行は大変難しい道です。 バイクはオフロードバイクでないと走れません。オンロードでは走れないことはないですがかなり困難です。 ■注意点 対向車に会うことはまずないでしょうが、対向車には注意して下さい。向こうはまさかこんな道を走ってくるバイク・車がいるなんで思っていないでしょうから・・・ 。 (走る人はいないでしょうけど)冬期は路面凍結・積雪があります。大雨時は大変危険なので走らない方が良いでしょう。 |
|
●走行DATA |
|
笠木峠旧旧道 【通行止め地点まで往復】 >>走行日:1999年12月4日 |
|
天川村側分岐点 【分岐点付近を探検】 >>調査日:2006年11月12日 |
|
【R309新笠木TN旧道/新川合TN旧道 終わり】 |