ROUTE120 |
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起点:和歌山県那賀郡粉河町→終点:和歌山県那賀郡那賀町 |
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和歌山県道上鞆渕那賀線は、和歌山県粉河町上鞆渕(かみともぶち)と和歌山県那賀町を結ぶ一般県道。 全長8kmほどの短い県道であるが、麻生津(おうず)峠を越える前後の区間は、かなりの急勾配の1車線幅の極狭路。R308暗峠の激坂並の勾配が続くが、一部では暗峠以上の勾配がある。関西屈指の激坂区間がある。 バイクと車のすれ違いすら不可能と思われる極狭路の激坂が続く上、峠を越えた粉河町側の区間は鬱蒼とした杉林。花粉シーズンに行くと周囲にモヤがかかっているように見えるが、もちろんそれは杉花粉。路面にはお決まりのコケが生えているなど、まさしく「険道」と呼ぶにふさわしい道である。 初心者と花粉症の人にはお勧めできない「危険」な県道なのです。 |
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和歌山県道上鞆渕那賀線 |
和歌山県道上鞆渕那賀線 |
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和歌山県那賀郡那賀町 【名手市場〜麻生津中】 |
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r120の終点は那賀町名手市場にあるR24との小島交差点。ここを曲がり紀ノ川に向かう。道は2車線道で、ここだけを見れば何の変哲もない一般県道だ。r120はすぐに紀ノ川を渡る麻生津大橋を渡る。2車線幅の長い橋だ。橋を渡るとr13(県道和歌山橋本線)との麻生津中(おうずなか)交差点に到着。距離にして約1.2km。何の問題もなくあっという間に終わる。 |
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和歌山県那賀郡那賀町 【麻生津中〜赤沼田】 |
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r120はr13との麻生津中交差点を右折して和歌山市方面に向かうが、100mほどで分岐する。r120は交差点付近は2車線道なのだが30mほど進むと道幅は狭くなり1.5車線幅の上り坂となって、那賀町麻生津地区の集落内を通り抜けて行く。麻生津小学校を過ぎると急勾配の狭路となり、r13分岐点から500mほどで最初の葛折りカーブを通過する。山の斜面にあるミカン畑を通り過ぎると、那賀町横谷地区の集落内へ入る。集落内で路面はアスファルトからコンクリート舗装に変わり急勾配の1車線狭路となる。 集落から離れると、見通しの悪い急カーブが連続するコンクリート舗装の1車線坂道を上る。しばらくミカン畑の中を走ると、高圧電線の鉄塔が見えてくる。r13分岐点から2kmぐらいだ。その先には山の斜面を縫うように進むガードレールが見える。その道がこれから走る道だ。鉄塔の付近からは紀ノ川と那賀町の町を見下ろすことが出来る。かなり標高を上げてきたのだ。 高圧電線を過ぎると1.5〜狭い2車線道のまま、4つのヘアピンカーブを曲がり急勾配の坂道を上り、那賀町赤沼田(あかんた)地区の集落へと入る。山の斜面に民家が建てられているのだ。集落内に入ると道はアスファルト舗装の1.5車線道となり勾配も少し緩くなる。それでも急勾配の狭路坂道であることには変わりはない。ウネウネと進む狭路で集落内を進んで行く。良くある山間の狭路という感じの道だ。 r13分岐から4.5kmほど進むと、道の路面がコンクリート舗装となる。ここがr120の極悪路区間の始まりとなる。 |
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和歌山県那賀郡那賀町 【赤沼田〜麻生津峠】 |
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1車線幅のコンクリート舗装となり左カーブを曲がると、そこから先には激急勾配の坂道が待っていた。ガードレールはない。KSRUで2速で上り始めたのだが、急勾配にひるんでスロットルと一瞬だけ緩めたらエンストしかけたので1速で上ってみるが、1速でも苦しい坂道だった。やっとの思いで100mほど走ると集落内へ向かう道との交差点に到着。少し平坦だったので休憩する。r13から上ってきた場合、ここを鋭角に右折する。ところが車で曲がるには大変な狭路で、2〜3度切り返さないと曲がることは出来ない。対向車が来たならば、それは悲劇としか表現のしようがない交差点だ。 交差点を曲がると、その先に待っていたのはやはり狭路の激坂だった。道幅は1車線以下。0.6〜0.8車線ぐらいだろう。普通乗用車が1台通れば道幅一杯になるぐらいの道幅なのに、激急勾配の坂道なのだ。しかも驚くことに道の沿道には民家が建っている。中には家を増築している民家もあった。車も見かけたので、ここに住んでいる方々は車でこの道を走っていることになる・・・ 対向車が下ってこないことを祈り激坂に挑む。集落内では見通しの悪いカーブが3箇所ほどあった。もちろんカーブも激坂で極狭路。対向車が来るかどうかは分からない。集落内には待避帯はないので、車同士はもちろんのことバイクと車のすれ違いすら不可能である。 最後のカーブを曲がるとミカン畑の横に出た。この付近の勾配は少し緩やかになる。それでも普通の峠道レベルではかなりの急勾配だ。わずかな距離だけ激坂を上っただけで感覚が麻痺してしまったようだ。激坂開始点から700mほど進むと、ようやく待避帯が現れた。15mほどだけ1.5車線幅になっているのだ。この先も激坂極狭路のコンクリート道。しかも見通しの悪い左カーブ。待避帯があるという安心感があるだけマシである。 左カーブを曲がると急勾配の坂道を一気に駆け上がる。民家の横を通り過ぎると麻生津(おうず)峠に到着する。r13分岐点から約5.5km、那賀町の小島交差点から約6.7kmである。極悪な激坂区間はわずか800mほどだったのだが、倍以上に長く感じた。 |
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☆★☆ 和歌山県道上鞆渕那賀線 【和歌山県那賀郡那賀町】 ☆★☆ |
■概況・交通量など 地図を見た限りでは、r120は麻生津峠までの区間を山の急斜面をウネウネと曲がりながら進んで行く狭路県道だと思っていました。よくある山間の急坂のある狭路県道だろうと楽観していたのですが、まさかあれほどの急勾配だったとは予想だにしませんでした。KSRで行って正解です。 激坂開始地点(写真11の地点)までは、確かに良くある山間のローカル県道でした。対向車に注意しながら進めば、大して問題ないと思います。 問題は激坂区間。実際は写真以上に急勾配の坂道となっており、80ccのKSRだとLowで上るのが辛いぐらいでした。峠に着いた時は正直「ホッ」としましたが、峠を越えたら越えたでまた新たな険道区間が待っていました・・・ r120の極悪険道区間は峠の那賀町側約1kmぐらいです。この区間さえクリアしたなら、那賀町内の険道区間はクリアしたと思って下さい。(那賀町側から上がってきた場合は、かつらぎ町〜粉河町内の険道区間が残っていますけど・・・) 交通量は麻生津大橋区間はそれなりにあります。r13から峠寄りはほとんどありません。走っている車の9割は地元車です。農家の軽トラなどがゆっくり走っていてもイラつかずにゆっくりと走りましょう。 走行時、対向車としてランクル一台と工事関係のワゴン車一台とすれ違いました。両方とも地元の方のようで、運転は慣れている様子でしたが、途中の切り返し(写真13)をどうやってクリアしたのかは不明です。 ちなみに飯盛山の山頂近くには「ホテル飯盛山荘」というホテルがあります。メインルートはr120なのですが、那賀町側から向かうことはお勧めできません。 ■ガソリンスタンド 区間中ならびにr4交差点までの間には1軒もありません。R24沿いで必ず給油して下さい。小島交差点の五條寄りにGSがあります。ここが最終GSとなります。 ■アドバイス バイク・車の運転初心者の方は走ってはいけません。写真11の極悪路区間入口までで運転は無理だと思った方は、ここで引き返して下さい。写真11から先には峠付近までUターンする箇所はありません。 <<自転車>> 那賀町→粉河町方向に走る場合は、時間・体力・気力が必要です。自転車をこいで激坂を上ることは難しいので押して歩くことになると思います。激坂入口(写真11)まではどうにか上ることが出来るでしょう。 逆に峠からの下り(粉河町→那賀町方向)ですが、自転車でもかなりのスピードが出るのでブレーキワイヤーが切れる恐れがあります。大変危険なので歩いて押して下ることをお勧めします。ブレーキの効かない自転車で下ることは自殺行為です。 <<バイク>> 50cc以下の原付1種ではかなりきつい坂道です。80ccのKSRUでも息切れしかけてました。原付2種以上でないと上るのは大変です。いわゆる原付スクーターでは無理です。激坂を上ることが出来ても、エンジンブレーキがないので下りが大変危険となります。原付スクーターでは走らない方が無難です。 オンロードバイクでは走ることは出来ますが、激坂で対向車と出会った時の離合が大変です。400cc以上のバイクでは乗り入れない方が無難です。 一番向いているのは、250cc以下のオフロード車でしょう。身軽で機動性がよいバイクで行くことをお勧めします。 <<車>> 必ず2人以上と無線か携帯電話を持って訪れて下さい。1人は運転手で、残りは激坂区間で対向車が来るかどうかを報告するための偵察隊として先行させるのが一番安全な方法です。人数は多ければ多いほど良いです。 1300ccクラス以下の乗用車ではパワーが出ないので坂を上るのに時間がかかります。ランクルでは無理です。途中の切り返しが出来るかどうか保証できません。4WDの軽が適しているでしょう。 車ではやめておいた方がいいです。歩いて行くのが正解ですよ、この道は。 ■注意点 極狭路の激坂です。対向車にはくれぐれも注意して下さい。悪天候は危険なので止めた方がいいです。路面凍結・積雪の恐れがあるので、冬期は走らない方が無難です。 |
【走行DATA】 和歌山県那賀郡那賀町 【終点→起点方向で走行】 2002年3月16日 |
和歌山県道上鞆渕那賀線 |
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麻生津(おうず)峠に到着。峠付近には民家が数軒建っている。峠付近は林道との交差点になっている。那賀町方向から見て、右側に分岐するコンクリート舗装の狭路は飯盛山に向かう尾根道。ここを走ると「ホテル飯盛山荘」というホテルに向かうらしいのだが、果たして走る人がいるのだろかと疑ってしまうような道だ。左側に分岐する道は、山中を下ってかつらぎ町御所地区のr4(県道高野口野上線)に至るコンクリート舗装の林道。直進するコンクリート舗装の狭路がr120となる。 峠を越えると和歌山県かつらぎ町に入る。峠から先のr120は、ここまでの山の斜面を駆け上る道ではなく、鬱蒼とした杉林の中を進んで行く0.8車線幅ぐらいの極狭路。轍以外には枯葉が積もりコケが生えている。峠から見ると見通しの悪いカーブが延々と続くように思える。峠から先はまた別の意味での「険道」となっている。 路面はアスファルト舗装されてはいるが、ヒビが入っているなど少し荒れている。山の斜面を進むが、谷側にはガードレールが設置されているので安心して進むことが出来る。杉林の中を淡々と進んで行く。道は少し勾配のある坂道だが見通しはよい。峠までの激坂を経験していると楽勝だ。 麻生津峠から700mほど進むと杉林の中にある交差点に到着。この少し峠寄り付近で和歌山県粉河町に入る。この交差点を、峠方向から見て右側(r4からだと左側)に進むと「ホテル飯盛山荘」に向かうようで案内看板が立っていた。 この交差点からは緩やかな勾配の下り坂を下る。相変わらず杉林の中を進んで行く1車線の狭路だが、400mほど進むと杉林から抜けて山の南斜面に出た。一軒家の前を通り過ぎると、少し勾配は急になり右カーブを曲がるとr4との交差点に到着した。麻生津峠から約1.2km、那賀町の小島交差点からだと約8kmである。 |
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☆★☆ 和歌山県道上鞆渕那賀線 【和歌山県伊都郡かつらぎ町〜和歌山県那賀郡粉河町】 ☆★☆ |
■概況・交通量など 麻生津峠〜r4の間は、r13〜麻生津峠までとはまた違う悪路です。峠を越えると杉林の中を進む見通しの悪い極狭路が続きます。路面には轍以外には落ち葉は積もっていないところを見ると、結構車が通るようです。途中に待避帯などなく、車同士の離合は困難を極めるので対向車には要注意です。 なお民家は写真7の地点までありません。 ■ガソリンスタンド ありません。r4に出てR480へ。さらに笠田方面(R24方面)に数kmほど走ってようやくGSがあります。 ■アドバイス この区間もバイク・車の運転初心者の方は走っては行けません。写真6の地点まで進んでだめだと思ったら、ここで引き返して下さい。この先はUターンする箇所は峠までありません。峠まで進んでみて、やはりだめだと思ったら峠で引き返して下さい。でないと事故を起こします。 r4との分岐点で休憩中、奥様が4人ほど乗ったバンがr120に入って行きましたが、一軒家の辺りで対向車と鉢合わせ。しばらくして『バコッ』と言う音が聞こえました。しばらくして引き返して来たバンの横っ腹には大きな傷が・・・ とんでもない道なので気を引き締めて進んで下さい。 「ホテル飯盛山荘」にはr4側から入った方が安全です。 自転車の場合、速度に注意して下さい。また対向車にも要注意です。運転手は固まって運転しており、気づかない場合が多いと思います。 ■注意点 山中を走ります。悪天候時は走らない方が良いです。また冬期は路面凍結・積雪があるので走行は控えて下さい。花粉の季節はモヤがかかったような感じになります。花粉症の方は花粉シーズンが終わるまでは近づかない方がいいでしょう。 |
【走行DATA】 和歌山県伊都郡かつらぎ町〜和歌山県那賀郡粉河町 【終点→起点方向で走行】 2002年3月16日 |
【r120終わり】 |