○国道168号線天辻峠旧道 【2006年レポート】 |
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2004年(平16年)4月に途中で引き返すという中途半端な形で調査を終えてから、天辻峠旧道を走る機会がなくそのままとなっていました。2年半ほど過ぎた2006年(平18年)11月になってようやくその機会が巡ってきたので、久々に天辻峠旧道を走ることになりました。この時は弊サイトの「ツーリングオフ会」の企画して走行しています。 |
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【レポートは五條市→五條市大塔町方向(北→南方向)です。】 |
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■五條市側分岐点〜2000年崩土現場 |
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天辻峠旧道の五條市側分岐点から旧道に入る。急勾配の舗装路を駆け上がるとすぐに鬱蒼とした杉林の中に入って行く。五條市側分岐点から旧道に入るのは2000年以来、実に6年ぶりのことになる。 舗装路は分岐点から400mほど続くのだが、路面は枯れ葉や落ち葉で覆われ、至る所に落石が転がるような状態で大荒れの状態であった。走行前日が大荒れの天候だったこともあるかも知れないが、それだけではこれほど荒れはしないだろう。ここ数年間の積み重ねでこういう状態になってしまったものと思われる。 そんな大荒れの状態だったので舗装路とダートとの境付近もよく分からないままダート区間に入った。路面がダートになったので路面で滑ったりはしない分、KSRUでの走行は少しは楽になる。2000年走行時はダート路面がはっきりと見えていたのだが、今回走ってみると落ち葉で覆われていたり雑草が伸び放題になっていたりする区間が長くなり、その差は歴然としている。路肩には落石や崩土の跡がそのまま放置され、また倒木もそのままとなっている。旧道は林道となっているのだが、整備はほとんどなされず放置状態が続いているようだ。 約2kmで2000年走行時は真新しいコンクリ壁があった崩土現場に到着する。路面中央まではみ出した崩土の一部は片づけられていたが、路肩部分の崩土はそのまま放置されいた。すでに草木が生えており、知っていなければそれが崩土のあとであることは気が付かない様な状態だった。 |
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◆2006年11月12日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
■2000年崩土現場〜軽トラ放置現場 |
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崩土現場を過ぎるとやや急な勾配のダートが続く。以前は雨水によって深くえぐられた場所や段差があって、KSRUでは走りずらい道だったが、2004年頃の工事 の際に整備されたのでほぼフラットな路面になっていた。轍以外には草が生えており、また所々に砂利があったりや大きな石が埋もれているなど、ダート林道らしい路面である。 やがて道は鬱蒼とした山中を進むようになる。急カーブを曲がると100mほど濡れた落ち葉で覆われている場所があった。 自然に戻りそうな勢いである。急な坂道を上り続けると少し広い場所にでると路肩に軽トラが放置されていた。天辻隧道までもう少しである。 |
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◆2006年11月12日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
■軽トラ放置現場〜天辻隧道〜十津川側旧道分岐点 |
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軽トラ放置現場を過ぎると、旧道は急勾配のダート坂道で鬱蒼とした山中を進んで行く。路面状態はあまり良くない。あちこちに落石が転がってるので気が抜けない。やがて明らかに最近起こったであろう崩土現場に至った。少しぬかるんだ路面を覆う土砂を越えて先を進む。 最後の坂を上りきり左カーブを曲がると平坦な狭い2車線ぐらいあるダート道になった。そこからほどなくして天辻隧道に到着する。天辻隧道は2002年(平14年)に改修工事が行われ、十津川側抗口はコンクリートで固められてしまったが、五條側抗口はほぼ昔の姿をとどめていた。ただ内部はコンクリートで全面舗装されてしまっていた。 天辻隧道を抜けると五條市大塔町(旧:吉野郡大塔村)に入る。大塔町側の旧道はアスファルト舗装されている。五條側旧道分岐点付近のように荒れてはおらず、少し落ち葉が積もっている程度。かなり走りやすい。1車線の狭路坂道を淡々と下って行くと、数軒の集落に達する。そこからほどなくしてR168と合流した。天辻峠旧道が終わる。 注>>2006年11月走行時は、天辻隧道〜十津川側分岐点については写真撮影をしていません。 |
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◆2006年11月12日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
<<MEMO>> |
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全区間を走破したのは2000年(平12年)以来なので、実に6年ぶりとなります。走行前日の天候が前線通過で大荒れだったことを差し引いても、路面状態はかなり悪化していました。2004年以来、完全に放置されているようです。流れ出した土砂で完全に埋もれている場所も放置されています。林業関係の車両以外はまず走らないであろう道なので、よほどのことが無い限り整備されないのでしょう。 2006年11月時点では舗装工事が行われるような様子は一切ありません。当分はダート林道のまま、かつての悪路時代の姿をとどめてくれるようです。 |
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●走行DATA |
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天辻峠旧道 【五條市側分岐点→十津川側分岐点方向を走行】 >>走行日:2006年11月12日 |
<<MEMO 2>> |
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■概況 >>十津川村側旧道分岐点〜天辻隧道 十津川村側(南側)の区間は完全1車線幅ですが、路面は天辻隧道まで舗装されています。オンロードバイク・車でも走行出来ますが、路面に落ち葉や枝が積もっているので、走る時には路面状態に注意して走る必要があります。時々山林作業をする人達が作業していることがあります。 天辻TN手前に少し広い箇所があります。天辻隧道から五條市側はオンロードバイク・車(普通乗用車)での走行はかなり困難なので、オンロードバイク・車はここで引き返した方が無難です。 >>天辻隧道 2002年の工事前までは、隧道内部の路面は十津川村側(南側)がダートで五條市側(北側)がコンクリート舗装という状態 でしたが、今は全面コンクリ舗装されています。オンロードバイクや車(普通乗用車)でも通り抜けることができます 。ただ隧道内には照明はないので、日没後は真っ暗となります。 冬期はかなり冷え込むようで、路面凍結 や積雪はもちろんのことTN内に氷柱が何本もぶら下がるそうです。冬期は実質的に通行不可能(通行禁止)になります。 天辻隧道五條側抗口を出た所はダートながらも道幅は広いのでUターン可能ですので、オンロードバイク・車でTNを通過した場合はここで引き返して下さい。決して先に進んではいけません。 >>天辻隧道〜五條市側旧道分岐点 天辻隧道より五條市側(北側)は、ほとんどが完全1車線ダートで急勾配となっています。舗装路はわずかしかありませんが、舗装路 は大変荒れており、半分ダートになりかけています。2004年頃は路面が整備されてフラットダートとなったので、かなり走りやすい林道となりましたが、 2006年には荒れ放題の状態になっていました。整備されなければ、さらに荒れて行くものと思われます。走行時は路面状態に気を付けて走って下さい。 この区間の道幅はかなり狭いために車同士の離合は不可能です。それ以前に車(軽自含む)での走行はかなり困難です。途中で崩土や路肩崩壊があってもUターンが出来る広い箇所がなく、延々とバックで引き返すことになります。ハンドル操作を誤れば終わりです。この 類の林道を走り慣れている人でないと車での走行は不可能だと思われます。 対向車に出会う事自体が希ですが、対向車(特にバイク)には注意して下さい。 ■アドバイス バイクではオフロードバイクでなら走行は可能です。ただし250cc以下の軽いバイクで。アフリカツインなどで走ろうものなら転けたとき大変です。走る時は2人以上で走ることを勧めます。初心者ライダーは1人で行かない方が無難でしょう。 走る時は五條市→十津川村方向に走った方が安全です。十津川村→五條市方向に走ると下りとなるので、急勾配区間が危険です。また走る時は路面状態に要注意です。 オンロードバイクでの走行はかなり困難です。 オンロードバイクでも通行は可能(実際に確認しました)ですが、やめておいた方が無難です。もし「どうしても・・・」という場合は必ず2人以上でトライして下さい。 徒歩・自転車とも走行可能ですが、路面が荒れているので少ししんどいでしょう。行く場合は2人以上で行くことを勧めます。 ■注意点 現R168の天辻峠は冬期には路面凍結・積雪があるので、現国道よりもさらに山中を通るR168旧道は早期から路面凍結・積雪があります。天辻TN内は氷柱が垂れ下がるということなので、晩秋以降早春まで冬期間は事実上通行不可能となります。 地質がもろいためか、土砂崩れなどがよく起こるようです。悪天候時はもちろんのこと、大雨の後はしばらく走らない方が無難でしょう。 歩行者や対向車に出会うことはないとは言い切れません。出会うことを前提にして注意して走って下さい。野生動物と出会うことがあるので、林道内ではゆっくりと走りましょう。 |
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【天辻峠旧道旧道 終わり】 |