国道169号線旧道(9) |
■奥瀞道路旧道 ■四瀧トンネル旧道 |
◆国道169号線奥瀞道路旧道 |
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■R169経路変更 昭和50年(1975年)4月1日に、三重県熊野市五郷町桃崎以南のR169の経路が変更となった。それまで三重県熊野市五郷町桃崎〜熊野市飛鳥町小坂〜熊野市(木ノ本)〜和歌山県新宮市だったのを、三重県熊野市五郷町桃崎〜和歌山県東牟婁郡北山村〜奈良県吉野郡十津川村〜和歌山県東牟婁郡熊野川町(現:新宮市熊野川町)〜和歌山県新宮市というルートに変更となった。 ルート変更により、和歌山県東牟婁郡北山村小松〜奈良県吉野郡十津川村神下間に車での通行不能区間が発生。登山道が国道指定されてはいるものの、事実上は分断国道となってしまった。 なおルート変更により、三重県熊野市桃崎〜熊野市飛鳥町小坂はR309単独区間となり、熊野市飛鳥町小坂〜熊野市(木ノ本)〜和歌山県新宮市はR42とR309の重複区間となった。この区間もR169旧道となるのだが、現役国道区間なので省略させていただく。 ■R169奥瀞道路(第1期) R169奥瀞道路は和歌山県東牟婁郡北山村小松〜奈良県吉野郡十津川村〜東牟婁郡熊野川町九重の間に計画された、総延長11.5kmのバイパス道路。車両通行不能区間(分断区間)の車道建設と蟻越峠を含む狭路区間の道路改良を目的とされた。計画は昭和56年(1981年)度に立てられ、まずは車両通行不能区間(分断区間)の車道建設を主目的とした第1期事業(L=6.3km)から開始された。 昭和58年(1983年)度に建設が始まるが、険しい紀伊半島の山奥に新規の道路を建設するため時間がかかり、車両通行不能区間(分断区間)である和歌山県東牟婁郡北山村小松〜奈良県吉野郡十津川村神下(こうか)までの3.7kmの区間が開通したのは平成8年(1996年)7月のことであった。これによりR169は約21年ぶりに分断国道状態を解消している。 奥瀞道路(第1期)の建設は続き、平成16年(2004年)3月に奈良県吉野郡十津川村神下〜和歌山県東牟婁郡熊野川町(現:新宮市熊野川町)玉置口までの0.4kmの区間が供用開始された。このときに建設されたのが葛川橋(L=160m)で、狭い幅で大型車の通行が困難となっていた田戸橋を含む狭路区間が旧道となった。 また平成12年(2000年)度に着工された和歌山県東牟婁郡熊野川町玉置口の瀞峡トンネル(L=2049m)を含む2.2kmの区間が平成20年(2008年)7月12日に供用開始となり、これによりR169奥瀞道路(第1期)の6.3kmが開通した。 瀞峡トンネル開通により田戸隧道(L=839m)を含む区間が旧道となり、奈良県〜和歌山県にかけてのR169南端区間内にまとまった旧道が誕生した。 |
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■R169奥瀞道路(第2期) 平成19年(2007年)度に和歌山県新宮市熊野川町玉置口〜和歌山県新宮市熊野川町久重までの5.2kmの区間(奥瀞道路第2期区間)が事業化された。この区間が完成すれば奥瀞道路全区間が開通することになる。同時に現在のR169蟻越峠越え区間が旧道となるのだが、現時点(平21年秋時点)で何年先になるかは分からない状態となっている。 |
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●2005年(平17年)10月1日付で、和歌山県新宮市と東牟婁郡熊野川町が対等合併。熊野川町は『新宮市熊野川町』になりました。 |
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■国道169号線奥瀞道路旧道【現役国道時代】 ■国道169号線奥瀞道路旧道【2006年レポート】 ■国道169号線奥瀞道路旧道【2008年レポート】 |
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>>Update H21(2009).10.01 |
○国道169号線奥瀞道路旧道 【現役国道時代】 |
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■平成12年(2000年) |
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訪れたのは平12年(2000年)4月のこと。走行記録を見ると、東牟婁郡北山村から奥瀞道路を西に向かい、蟻越峠を越えている。当時はまだ葛川橋は開通しておらず、R169奥瀞道路を過ぎると田戸橋を渡って田戸隧道に向かっていた。 瀞峡トンネルは事業化された直頃の頃。トンネル東口前の橋(湯谷2号橋)の建設が始まっていただけで、トンネル東口の抗門の姿すらなかった。 |
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<<写真はすべて2000年4月撮影>> |
■平成17年(2005年) |
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走行したのは平成17年(2005年)5月。瀞峡トンネル(当時は仮称:新田戸トンネル)は建設中で、確か西側抗門付近で掘削工事が開始されていたように思う。また田戸隧道西口前の十津川村折立に向かう林道との交差点近くには工事詰所が設けられていた。 田戸隧道はまだR169であったため、3.8mと幅の狭いトンネルを抜けて東側に出る。緩やかな狭路坂道を下ると、湯谷2号橋東詰に出た。平12年(2000年)の時は建設中だった橋は完成していた。また既に平成17年2月に瀞峡トンネル工事が始まっていたが、トンネル東口の姿はなく、抗門予定地付近の木々が伐採されていたぐらいであった。 和歌山県と奈良県の県境となる葛川橋は完成しており、田戸橋経由のルートは旧道となっていた。湯谷2号橋の東にある湯谷1号橋(?)は完成しており、ここから東牟婁郡北山村小松まで約4.5kmの豪快な高規格道路が続いていた。 翌年、平成18年(2006年)10月にも蟻越峠越えて訪れていたが、工事真っ盛りの頃で田戸隧道は係員が配置され交互通行状態となっており、工事車両が多かったことや時間的に逆光となっていたため撮影していない。平成19年(2007年)は上北山村での土砂崩れの影響で訪れることができず、次に訪れるのは瀞峡トンネル開通後の平成20年(2008年)9月のことになる。 |
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<<撮影年月の記載が無い写真はすべて2005年5月撮影>> |
○国道169号線奥瀞道路旧道 |
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【レポートは新宮市熊野川町→吉野郡十津川村方向(西→東方向)です。】 |
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平成17年(2005年)5月に訪れたときは田戸橋経由の旧道は走らずに奥瀞道路経由で北山村に向かったので、葛川橋開通後に田戸橋を経由したのは平成18年(2006年)10月になってからが初めてである。 葛川橋旧道が分岐するのは葛川橋西詰。ここから左に分岐する狭路がR169旧道となる。旧道は1.5車線幅の平坦な狭路だが、見通しの悪いカーブが続く。断崖下を少し進んで短い橋を渡ると、R169国道標識が立っていた。まだ国道扱いとなっているのだろうか? 標識が立っている箇所からすぐのところが田戸橋西詰。昭和47年(1972年)3月に竣工した橋で、竣工約3年後に国道に指定されたことになる。田戸橋を渡ると、和歌山県新宮市熊野川町(旧:東牟婁郡熊野川町)から奈良県吉野郡十津川村に入る。 深い谷を跨ぐ橋を渡ると広い交差点に出た。右に分岐する道を下れば十津川村田戸の集落に向かう。そこから少しだけ走るとR169現道と合流した。 |
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<<撮影年月の記載が無い写真はすべて2006年10月撮影>> |
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◆2006年レポート終わり |
○国道169号線奥瀞道路旧道 |
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【レポートは 新宮市熊野川町→吉野郡十津川村方向(西→東方向)です。】 |
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■新宮市熊野川町玉置口【西側旧道分岐点〜林道交差点】 |
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R169奥瀞道路旧道のうち、田戸隧道を含む区間は瀞峡トンネルの旧道ということになる。西側分岐点は瀞峡トンネル西口前。ここから左に向かう狭路が旧道で、1〜1.5車線幅の狭路坂道で標高を上げて行く。見通しの悪い小刻みなカーブが続く狭路坂道を淡々と進む。平成9年(1997年)に走った時は、あちこちで舗装が剥がれた状態でとんでもない悪路だったが、現在の路面状態は比較的良好である。しかし山中の狭路だけあって日陰部分などでは路面中央にコケが生えている箇所があった。 瀞峡トンネル西口前から約1.9km進むと吉野郡十津川村折立に向かう林道の分岐点に到着する。この交差点を右折すればすぐに田戸隧道に入る。 |
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<<写真はすべて2008年9月撮影>> |
■新宮市熊野川町玉置口【林道交差点〜東側旧道分岐点】 |
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田戸隧道は延長839mのトンネル。幅が3.8mしかなく、トンネル内部での乗用車同志のすれ違いすら困難なトンネルとなっている。この不便さを解消するべく建設されたとも言えるのが瀞峡トンネルで、建設中は新田戸トンネルという仮称で呼ばれていた。 田戸隧道内には数メートルおきに照明があるのだが隧道内部は暗い。バイク・車のライトだけを頼りに進んで行くことになる。路面状態は比較的良好なのだが漏水が激しい。トンネル内はやはり狭い。交互信号などないので、先に入った者の勝ちということになる。 トンネルを出ると下り坂になる。1.5車線幅の狭路坂道を下ると、谷を挟んだ向かい側に瀞峡トンネル東口が見えてくる。そして程なくして、2車線高規格道路のR169奥瀞道路と合流する。距離にして約3kmの旧道であった。 |
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<<写真はすべて2008年10月撮影>> |
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◆2008年レポート終わり |
<<MEMO>> |
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■概況・交通量など 平成21年(2009年)秋時点で、R169奥瀞道路は全区間(11.5km)のうち第1期区間(6.3km)が開通しているだけとなっています。第2期区間(5.2km)は事業化されたばかりで、本格的な建設はこれからとなります。全通していないため、田戸隧道・田戸橋経由のルートはまた国道指定されているようですが、ここでは旧道として扱っています。将来的には、蟻越峠を越える区間も含めた比較的長い距離の旧道が誕生することになります。 瀞峡トンネル開通で田戸隧道は閉鎖されるかと思ったのですが、平成20年(2008年)時点ではまだ通行可能でした。路線バスが田戸隧道経由のままなので、当分はこのままでしょう。道路自体も、玉置山近くを経由して吉野郡十津川村折立に向かう舗装林道へのアクセス道路となるので、廃道にはならないと思われます。 田戸橋もR169現道(奥瀞道路)から吉野郡十津川村田戸地区への生活道路の一部となっています。このままの状態が続きそうです。 ■アドバイス 十津川村折立へのアクセス道路となるので、少なからず車が通ります。対向車には注意してください。などなど。 ■注意点 晩秋〜早春は路面凍結・積雪のある区間です。通行には要注意です。とくに田戸隧道内は路面凍結の可能性大です。 悪天候時・夜間の走行も要注意です。ほとんど照明がないので、やめた方が無難でしょう。 |
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●走行DATA |
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奥瀞道路旧道(田戸橋) 【西→東方向を走行】 >>走行日:平18年(2006年)10月12日/他 【東→西方向を走行】 >>走行日:平12年(2000年)4月4日/他 |
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奥瀞道路旧道(田戸隧道) 【西→東方向を走行】 >>走行日:平17年(2005年)5月13日/平18年(2006年)10月12日/ 平20年(2008年)9月4日/他 |
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注意>>この区間は、現役国道から走行方向問わず何度か走行しています。 走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。 |
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【合併情報】 ●2005年(平17年)10月1日付で、和歌山県新宮市と東牟婁郡熊野川町が対等合併。熊野川町は『新宮市熊野川町』になりました。 |
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【奥瀞道路旧道終わり】 |
R169四瀧トンネルは、和歌山県新宮市熊野川町(旧:東牟婁郡熊野川町)久重〜四瀧(したき)間に建設されたバイパストンネル。それまで川沿いに進んでいた狭路の代わりに建設されたもので、平成12年(2000年)度に事業開始となり、瀞峡トンネルと同じ平成20年(2008年)7月12日に供用開始となった。全長1300mのバイパスうち、四瀧トンネルが1200mと、ほとんどトンネルというバイパス道路である。 四瀧トンネル開通により、川沿いの狭路は旧道となったが、廃道にはならず通行可能である。 |
参考資料・文章引用元>>町史(昭和51年刊) |
■国道169号線四瀧トンネル旧道【2008年レポート】 |
>>Update H21(2009).10.01 |
○国道169号線四瀧トンネル旧道 【2008年レポート】 |
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【レポートは新宮市熊野川町四瀧→熊野川町久重方向(南→北方向)です。】 |
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四瀧(したき)トンネル旧道の南側旧道分岐点はトンネル南口手前となる。四瀧谷を渡る橋の南詰、谷に沿って熊野川町篠尾(ささび)に至る市道(林道?)分岐点である。ここから右手に分岐する。 最初旧道は2車線道で進んで行くが、少し進むと道は狭路になる。熊野川町久重地区の整備が行われていなかった平成14年(2002年)頃より以前の現役国道時代は、その地点から田戸橋を過ぎる付近まで狭路・悪路が続いていた。 旧道は1.5車線幅の平坦な狭路となって進んで行く。しばらくは杉林の中を進んで行くが、やがて北山川沿いに進むようになる。ほどなくして杉林の中を至ると、すぐに四瀧トンネル北口の北側旧道分岐点に到着する。約1.3kmの短い旧道であった。 |
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<<写真はすべて2008年9月撮影>> |
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◆2008年レポート終わり |
<<MEMO>> |
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■概況・交通量など R169四瀧トンネル旧道は、平21年(2009年)秋時点で、R169単独区間内における最南端の旧道となります。ここより南(R168)寄りの区間は旧道を拡幅した区間となるので、別ルートでバイパスが整備されることはなさそうです。 走行時は四瀧トンネル供用開始約2ヶ月後に走行したので、路面状態は現役時代に近い状態でした。平21年(2009年)4月にR169四瀧トンネルを通過しましたが、旧道にゲートなどはなかったので生活道路として余生を送っているようです。 交通量は皆無に近い状態ですが、釣り人や地元の車が通ります。また歩行者が歩いていることもあるので、走行時は注意してください。 |
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●走行DATA |
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四瀧トンネル旧道 【南→北方向を走行】 >>走行日:平20年(2008年)9月4日/他 |
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注意>>この区間は、 現役国道時代を含めて走行方向問わず何度か走行しています。 走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。 |
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【合併情報】 ●2005年(平17年)10月1日付で、和歌山県新宮市と東牟婁郡熊野川町が対等合併。熊野川町は『新宮市熊野川町』になりました。 |
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【四瀧トンネル旧道終わり】 |
>>国道169号線旧道【終わり】 |
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