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国道42号線矢ノ川峠旧道 |
○国道42号線矢ノ川峠旧道 【概略】 |
矢ノ川峠(やのことうげ)は三重県南部にある峠で、三重県尾鷲市と熊野市の境にあたる標高約808mの峠である。現在、R42は矢ノ川峠を尾鷲側より矢ノ川TN、 弓山TN、大又TNというトンネルで一気に駆け抜けている。 これらのTNは1968年(昭43年)に完成・供用開始となった バイパスルートで、それまでは矢ノ川峠を越える旧道が現役国道として利用されていた。それまでの経緯はこちらを見て頂くことにして、ここでは現在残るR42 矢ノ川峠旧道について話を進めて行くこととする。 現在残っているR42矢ノ川峠旧道は、千仭橋東詰(尾鷲市側)〜矢ノ川峠〜栃谷橋西詰め(熊野市側)までの間だけとなっている。この他の区間にも旧道は残っているが、断片的であったり自然に還ってしまって通行不 |
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可能な状態になっている場合が多いため、ここでは省略する。 現存する矢ノ川峠旧道についても、残念ながら走行可能なのは三重県尾鷲市側の区間(千仭橋東詰〜矢ノ川峠)だけとなっている。矢ノ川峠より西側の熊野市側の区間(矢ノ川峠〜栃谷橋西詰)の間は、途中で橋が崩落してしまい通行不可能となってしまっている。復旧させるつもりはないようで、このまま荒れるに任せ自然に戻すのだろうか。 東側の区間が通行止めになったという話は聞かない。矢ノ川峠に登る唯一の経路だけに整備・管理にはされている。峠近くにテレビか携帯電話の中継施設があることや、治山や林業関係者の方々の通行もあるのだから、そうそう廃道にはならないだろう。ただ途中にある堀隧道5カ所と橋梁数カ所は、1936年(昭11年)までに完成した物が多いだけに、これらの老朽化などにより将来的にどうなるかは分からない。 注意>>2001年(平13年)6月の時は、『道』管理人の川合氏主催の矢ノ川峠オフ会に参加しがてら取材しています。 |
○国道42号線矢ノ川峠旧道 【三重県熊野市側】 |
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矢ノ川峠のR42旧道熊野市側分岐点は、道の駅『熊野きのくに』から7kmほど尾鷲方面に進んだ付近にある栃谷橋西詰。ダート林道の佐渡林道分岐点と書いた方が分かりやすいだろう。 ここから左に別れるダート道が旧道となる。 旧道はR42から別れるとすぐに固いダート道となる。緩やかな坂の途中に佐渡林道分岐点があり、佐渡林道へ向かうにはこの分岐点を左折する。ダート道を直進し1車線幅の橋を渡ると、アスファルト舗装された路面になる。橋を渡った付近はR42 に戻る道(R42旧道だろう)の分岐点ともなっており、ここを右折するとR42へ戻る。矢ノ川峠旧道に向かうには直進することになる。 ところがこの分岐点に『通行止』との看板がある。『これより約3km先、道路決壊のため尾鷲方面への通り抜けできません』と書いてある。聞いた所では、途中で橋が落ちておりそこから先に進むことが出来ないそうだ。 分岐点付近には通行止めのゲートは設置されておらず進入は可能。ここから先は、1.5車線 狭路の固いダート路面の道路が続いている。あと3kmほど走ることが出来るそうなのだが、道の状態が不明なことと矢ノ川峠旧道を一緒に走る人達が先に旧道尾鷲側分岐点へ向かっており早く合流しなくてはならず、単独行動は出来ないため走行していない。 帰宅後にネットで調べてみると、この分岐点から3kmほど先まではダート道が続くが、やがて落石が転がる荒れた路面になり 途中の橋脚が崩落しており通行不可能になっているとか。道がどういう状態であれ、熊野市側からは矢ノ川峠を越えて尾鷲側に抜けることは不可能となっている。 |
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<<MEMO>> |
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■概況・交通量など 分岐点付近のみの調査で終わっています。この先の道路状況は全くもって不明です。 なお熊野市側の区間はあくまでも『通行止』なので、進入して怪我やトラブル、最悪遭難して死亡するなどの事故などに遭ったとしても、全て自己責任となります。進入される方はそこをよく理解して進んで下さい。 ■注意点 ゲートはありませんが『通行止』となっています。興味本位で進入しない方が無難です。 |
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●走行DATA |
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栃谷橋西詰付近 【分岐点付近を調査】 >>調査日:2001年6月17日 |
○国道42号線矢ノ川峠旧道 【三重県尾鷲市側】 |
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【レポートはR42→矢ノ川峠方向(三重県尾鷲市→三重県熊野市方向)です。】 |
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■矢ノ川峠旧道分岐点付近 |
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R42矢ノ川峠旧道尾鷲側分岐点は、矢ノ川TNの尾鷲側抗口を出て尾鷲市街方面(松阪方面)に1kmほど進んだ所にある千仭橋東詰。熊野市方面からだと下り坂の途中のカーブ出口にある橋なので速度が出やすく見逃し易いが、尾鷲方面に向かって右側(松阪→和歌山方面車線側)に電話ボックスのある駐車帯があるのでそれが目印になる。尾鷲市市街方面からだと『矢ノ川峠』と書かれた標識が目印となる。 電話ボックスのある駐車帯にバイクを停めて付近を調べると、千仭橋東詰の脇から完全1車線幅のダート道が分岐しているのが見える。 この作業道か林道にしか見えないダート道がR42矢ノ川峠旧道。ダート道入口に『→高峰山登山口』という最近設置されたオレンジ色の看板がある。 千仭橋付近では、R42を走る車・トラックはかなりのスピードを出して走っているので、旧道への出入りはかなり注意しなくてはならない。 |
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■R42矢ノ川峠旧道分岐点〜第二矢ノ川隧道 |
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先に到着していた人達と合流して旧R42に入る。道 幅は1車線ぐらいしかない狭路で、道路脇のすぐ近くにまで草木が迫ってきている。大小様々な大きさの石がゴロゴロしているが、路面は固くしまったダート道である。この道が約 40年前まで現役のR42だったと言っても誰も信じてくれないだろう。 車輪直径が小さく衝撃を受けやすいKSRUなので、石に乗り上げるとバランスを崩しやすくトロトロと走らねばならない。普通のオフロード車であれば難なく走ることが可能で、他のオフロードバイクに乗っている人達は普通の舗装路を走るごとく先に進んで行った。 後輪を滑らしながらゆっくりと進んで行く。路面には石が転がる荒れた道が続く。車も走るようで轍の部分だけ窪んでおり、そこにはまるとバランスを崩してしまう。周囲は山の中で鬱蒼とした木々に囲まれている。小さなカーブが何カ所かあるが、見通しは非常に悪く対向車が来るのかどうかは分かりずらい。これは対向車も同じ事で、路面の悪い道ではラリーでもしていない限り速度を出して走ってくることはないだろうが、オフロードバイクは結構速度を出すので注意して進む。 旧道入口より900mほど走るとコンクリート製の橋を渡る。矢ノ川源流の一つの南谷を渡る橋だ。この橋を過ぎて少し進むと、谷側にある錆び付いたフェンスと草木の間から現R42の白い橋を見ることが出来る。この付近からは道幅が少し広くなり少し勾配のある坂道を上ることになる。 やがて真新しいコンクリート舗装が現れた。1.2車線幅 ぐらいの道幅の真ん中を1車線幅ぐらいの幅で簡易舗装してあるのだ。コンクリートの状態からしてつい最近舗装されたのは間違いない。路面を心配せずに走ることが出来る。簡易舗装路を少し進むと素堀TNが現れた。第一矢ノ川隧道 だ。昔の道にしては天井の高い素堀TNになっているのは、国鉄連絡バスや材木を積んだトラックが走っていたためだろうか。 第一矢ノ川隧道内も含めて300mほどの簡易舗装区間を過ぎるとダート路面に戻った。大きな石がむき出しになっていたり岩盤が露出していたりするなど路面はさらに悪くなる。悪路をトロトロと進むと、第二矢ノ川隧道に到着。コンクリートで出来た頑丈なTN。20mほどの距離だが、TN内部 の路面はダートであった。 |
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■第二矢ノ川隧道〜第四矢ノ川隧道 |
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狭路のダート道を進む。路肩付近には落石の跡があり、路面は石がゴロゴロ転がる緩い上り坂が続く。第二矢ノ川隧道からそう距離をおかずに第三矢ノ川隧道に到着する。3つ目は素堀TN。距離は35mほどで少し長い。TN内部の路面には石が転がり水溜まりがあるので注意が必要だ。第三矢ノ川隧道を出ると立派な造りの橋で矢ノ川の源流を渡る。かつて国道42号線であったことの名残である。 素堀の第四矢ノ川隧道を通過する。距離は16mほどなのですぐ 向こう側に出口側が見えている。TNから少し進むとわずかな草木の隙間から、現R42矢ノ川TN尾鷲口を上から見下ろす事が出来た。 第四矢ノ川隧道から先の路面は少しマシになる。しかし大きな石が転がっていることには変わりはない。走った日は雨の降った翌日ということもあり、途中で川と化している所もあったがおおむね順調に進むことが出来た。 |
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