国道166号線旧道(3) |
■木津峠旧道 ■杉谷地区旧道 |
◆国道166号線木津峠旧道 |
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東吉野村鷲家の東に位置する木津(こつ)峠は標高450mほどの峠。伊勢街道(高見越伊勢街道、伊勢街道南路とも呼ばれる)が鷲家〜高見峠の間で越える3つの峠の中の一つであった。 明治時代に入ってからは県道として道路整備が行われる。『東吉野村史』によると、明治16年(1883年)に木津峠にトンネルが開通したと記されている。今の旧道にある木津隧道のことと思われるが、佐倉峠の改良工事よりも先に木津峠の改良工事が行われたのは、やはり伊勢街道という当時の幹線道路だったからだろうか。 明治26年(1893年)に伊勢街道は県道伊勢街道に指定される。さらに大正9年(1920年)4月に県道上市松阪線(津和歌山線?)に指定され、道路(車道)として整備が進められた。 戦後、昭和28年(1953年)5月には国道166号線に指定される。国道昇格とほぼ同時期に高見峠区間が開通して全通すると、今度は既存の道路の整備が進められるようになる。高見峠前後の区間の整備改良事業が、三重県側も含めて本格化したのは昭和41年(1966年)頃。工事が着工され、昭和59年(1984年)に高見トンネルが開通すると、前後の区間でも道路改良が行われるようになった。 木津峠のR166は、木津隧道前後の区間が狭路坂道が続く悪路であったことから、新トンネル開削を行い別ルートでのバイパス道路が建設されることになった。このあたり、資料がないので推測となるが、昭和63年(1988年)には大部分開通していたR166高見国道に合わせて東吉野村鷲家〜木津間の改良工事が行われたのだろう。(鷲家・木津間も高見国道に含まれるかは不明) 木津峠の新道は木津隧道の下に新木津トンネルを掘って通り抜けることになり、平成元年(1988年)6月23日に新トンネルの工事が起工された。新トンネルは平成2年(1990年)3月に完成。翌4月20日に新木津トンネルを含むバイパス道路が開通した。これにより木津隧道を含めた 鷲家〜木津間の木津峠経由のルートは旧道となった。 木津峠より東の木津〜平野(杉谷出合橋)〜杉谷間は、東吉野村内の未整備区間として最後まで残った区間となっていたが、平成8年(1996年)11月末に奈良県内の高見国道としては最後の区間が開通したことで旧道となった。 |
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参考資料>>東吉野村史(平4年刊)/飯高町郷土誌(昭61年刊) |
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■国道166号線木津峠旧道【2000年走行レポート】(写真のみ) ■国道166号線木津峠旧道【2003年走行レポート】 ■国道166号線木津峠旧道【2005年走行レポート】(写真のみ) ■国道166号線木津峠旧道【2008年走行レポート】 ■国道166号線木津峠旧道【2009年走行レポート】(写真のみ) |
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>>Update 2009.05.30 |
○国道166号線木津峠旧道 【2000年走行レポート】 |
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R166木津峠旧道を走ったのは平12年(2000年)3月のようだ。写真で残っているのは平12年3月分からなので、おそらくはそれ以前には走っていないのだろう。 このときの走行レポートを見てみると、後述する2003年走行レポートとほとんど変わらない。2回目の更新時に2000年走行レポートを修正・加筆したのが2003年走行レポートなのだろう。なので、2000年の走行レポートは省略して写真とその解説だけとさせていただく。m(_ _)m (2009.05記) |
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◆2000年3月18日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
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◆2000年レポート終わり |
○国道166号線木津峠旧道 |
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【レポートは東吉野村鷲家→木津方向(西→東方向)です。】 |
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■吉野郡東吉野村【鷲家〜木津】 |
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木津峠西側の旧道分岐点は、R166新木津トンネル西口の手前約500mの付近。本道から別れる1.5車線の道が旧道。分岐すると勾配のある坂道となりしばらくR166と平行するが、やがて新木津 トンネル入口の真上を通過して山中へ入って行く。勾配のある坂道を少し走るとR166旧道の木津隧道を抜けて木津峠に到着する。ここからは高見山が一望出来るので撮影ポイントにもなっているようだ。旧道分岐点より約1kmである。 木津隧道を抜けると交差点に出るが、大宇陀から来た場合は左に向かう。右に向かう道は村道のようだ。交差点を左に曲がると杉林の中を進む1.5車線狭路となり、少し急な勾配の坂道を300mほど下ると r221(県道小村木津線)と合流する。 そのまま杉林の中を200mほど進むと木津下垣内の集落を通り抜ける。さらに400mほど進むと中垣内地区に入って行く。道は舗装された1.5車線幅の緩やかな勾配のある田舎道。山間にある小さな農村地帯を繋いでのんびりと進んで行く。山の中腹を進んでいるので、旧道のすぐ南側を現在のR166が平行して進んでいるのが見える。 木津峠から1.5kmほど進むと木津上垣内地区の町に入る。町中でr251(県道谷尻木津線)との交差点を過ぎ、700mほど町中を走り神社の前を通り過ぎるとR166現道と交差する。旧道はここで終わりではなく、そのまま現道を渡って高見川の流れに沿って大きな左カーブを描いて300mほど町中を通って、2回目の交差点であるr28(県道吉野室生寺針線)との交差点に到着する。大宇陀側の旧道分岐点から約3.5kmである。 |
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*以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。 |
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注意>>市町村名は走行当時の名称です。 ◆2003年7月17日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
■吉野郡東吉野村【木津〜杉谷】 |
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R166現道とr28の交差点は信号が設置された交差点。R166現道を渡るとr28に入る。R166高見国道が開通したので、r28との重複区間は県道に降格されたようだ。 道は1.5車線〜狭い2車線幅の道で、高見川に沿って進んで行く。R166現道との交差点から300mほど進むと、東吉野村出合地区の集落へ入り出合橋西詰めに到着。杉谷川と平野川が出合って高見川になる地点でもある。道も2手に分かれており、そのまま平野川に沿って北に進む2車線道がr28で、右折して出合橋を渡って東に向かう1.5車線狭路道がR166旧道となる。 出合橋を渡ると、東吉野村杉谷地区 に入り集落内を通り抜ける。山間の静かな集落を通り抜ける平坦な1.5車線道を淡々と進んで行くと、やがて右側に高規格の2車線道で建設されたR166現道が見えてくる。r28分岐交差点(出合橋西詰め)から600mほど進むとR166現道との合流点に到着する。ここが木津峠旧道の東側分岐点となる。 |
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<<撮影年月の記載が無い写真はすべて2003年7月撮影>> *以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。 |
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注意>>市町村名は走行当時の名称です。 ◆2001年5月11日/2003年7月17日走行。 |
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◆2008年レポート終わり |
○国道166号線木津峠旧道 |
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3回目の走行となったのが平17年(2005年)6月となる。このときはR166〜R368というコースを走るつもりが、飯高で雨が降ってきたため引き返すことになり、往路は旧道経由でと思い走った次第。走行方向は東吉野村木津→鷲家方向であった。 道路状況は2年前とほとんど変化していないが、木津隧道近くのR166国道標識は支柱ごと撤去されていた。それが大きな変化となる。またバス停近くに倒れていた案内標識も無くなっていた。草木に埋もれたのかと思ったが撤去されたようだ。 |
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◆2005年6月10日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
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◆2005年レポート終わり |
○国道166号線木津峠旧道 |
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【レポートは 東吉野村鷲家→木津方向(西→東方向)です。】 |
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■吉野郡東吉野村【鷲家〜木津】 |
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3年ぶりの走行となった。今回は西から東に向かって走ることにした。木津峠旧道西側分岐点から1.5車線狭路坂道を上りきると木津隧道に至る。明治16年(1883年)に開通した隧道らしいが、明治期の隧道という感じがしない。おそらく明治時代の隧道を改良したあとの姿ではないかと思う。 隧道を出た所付近が木津峠。西側分岐点から1kmで到着する。隧道東口の交差点を左折すると1.5車線坂を下る。下りきるとr221(県道小村木津線)との交差点に至る。ここからはr221となっているらしいが、交差点以東に県道を示す標識などは設置されていない。 少しだけ薄暗い杉林の中を通ると山間の農村地帯を進むようになる。ローカル道らしい風景の中をしばらく進むと、木津の町中に至る。高見小学校横を通り過ぎるとr251(県道谷尻木津線)との交差点に至る。r251はかつての伊勢街道支線の宇陀街道の後身。r251交差点は街道が分岐する辻だった場所となる。 r251交差点を過ぎると1.5車線狭路道を進み、ほどなくしてR166現道と交差する。西側分岐点から約2kmである。旧道は一度R166現道を越えて高見川に沿って進んで行く。集落内を通り過ぎ、先の交差点から800mほどで松本大橋西詰の交差点に到着する。 |
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◆2008年10月9日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
■吉野郡東吉野村【木津〜杉谷】 |
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R166現道の松本大橋西詰にある交差点が旧道と現道との2回目の交差点となる。それ同時に、同交差点はr28(県道吉野室生寺針線)との交差点でもあり、ここから先の旧道筋は県道になっている。R166現道の松本大橋〜出渡寺橋間は、東吉野村内のR166高見国道では一番最後に供用開始された区間で、平成8年(1996年)11月末に供用開始された。この区間の旧道は最後まで現役国道だった狭路区間ということになる。@管理人自身、現役国道時代の狭路区間を何度か走行しており、 当時建設中の道路を見ている。 さて旧道は大橋西詰から平坦な狭い2車線道で高見川に沿って進む。400mほど進むと東吉野村出合にある出合橋西詰に至る。出合橋を渡って東に向かう1.5車線狭路が旧道となる。出合橋東詰には 、古いタイプの案内標識とR166国道標識が残っている。ここからは1.5車線狭路道を進み、600mほどで出渡寺橋東詰の旧道東側分岐点に到着する。 |
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◆2008年10月9日走行。写真はすべて同じ日に撮影。 |
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◆2008年レポート終わり |