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国道166号線旧道(3)

木津峠旧道

杉谷地区旧道

○国道166号線木津峠旧道

  【2009年走行レポート】

■吉野郡東吉野村【鷲家〜木津】

 前回走行(平20年(2008年)10月)から約7ヶ月で再走行した。今回は高見峠旧道に向かう途中に、木津隧道付近の調査を目的にしてやって来たのだ。前回走行から7ヶ月ほどしか経過しておらず、道路状態に大きな変化はないので、走行レポートは省略させていただく。m(_ _)m

 さて木津隧道であるが、『東吉野村史』には『・・・鷲家と木津との間にある木津峠にトンネルが開通したのは、これより先明治十六年のことであった。』との記述がある。(記述中の『これより』とは、この文章の前に記述されていた佐倉峠の道路尾開通(明治18年)のことである。)

 ところが別資料によると木津隧道の開通年は昭和33年(1958年)とある。確かに今のトンネルの形は明治時代のトンネルの造りではないことが分かる。明治時代のトンネルを拡幅・改修したのか、別の場所に今のトンネルを掘ったのかのどちらかだろう。それで現地に行ったのだが、 結果は「全く分からなかった」のである。

 場所的にトンネルがあるのは山の鞍部付近で、他の場所にトンネルを掘るような地形的な余裕はないように思える。前後に廃道でもあるかと思って調べたが、トンネル西側の手前にカーブを描く廃道跡があったぐらいで、他に道の痕跡は認められなかった。おそらくは明治に完成した隧道を拡幅・改良し、今の木津隧道ができあがったのではなかろうかと思われる。

 木津峠旧道であるが、前回走行から7ヶ月ほどしか経っていないので、ほとんど(というか全く)変化はない。あえて書くならば、

木津隧道東口近くに以前R166国道標識が立っていた付近の林が伐採・整地され、auの携帯電波の中継アンテナが設置されたぐらいである。

 旧道西半分は全く問題なくクリアできた。

1.木津峠旧道西側分岐点。この先で右にそれ

  る。

2.旧道は緩やかな坂道となっている。もう少し先

  で右側に道路跡がある。

3.木津隧道東口。明治隧道を改良したのだろう

  か?

4.電柱手前に標識があった。電柱の横は携帯

  電話の電波中継塔となったいた。

5.旧道区間内には覆道区間があった。山の斜

  面は脆いのだろうか?

6.全く問題なく旧道の西半分をクリアしてR166

  現道と交差する。

■吉野郡東吉野村【木津〜杉谷】

 旧道東半分の区間にはいる。こちらも全く変化はない。出合橋東詰にあるR166国道標識も健在であった。ただ錆びが徐々に広がって来ているようで、いずれは地名などが判別出来なくなるかもしれない。

7.出合橋西詰。R166旧道は右に向かい、橋を

  渡る。

8.出合橋東詰にはR166国道標識が残ってい

  る。

9.古いタイプの案内標識もある。錆びが徐々に広

  がってきている。

10.出合橋の東側はこんな感じ。ローカル道の

  雰囲気が漂う。

11.旧道は川に沿って淡々と進む。川に架かる

  橋は現国道の橋。

12.木津峠旧道の東側分岐点。r28で室生方面と

  書かれているが、r28の途中は狭悪路である。

<<写真はすべて2009年5月撮影>>

◆2009年レポート終わり

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 R166木津峠旧道は生活道路となっているので整備されており、道はそう荒れていません。ほとんど問題なく走ることが出来ます。R166国道標識やガードレールにR166ステッカーが残っていたり、案内標識に『国道166号線』と記されているなど、旧国道の面影は多く残っています。バイクに乗り始めてウロウロし始めた平7年(1995年)頃は、R166現道は工事中で、現在の旧道をトラックの後ろについて走った記憶があります。

■ガソリンスタンド

 木津の町中にあるGSは営業していないようです。R166現道沿い、新木津トンネル東側にGSがあります。

■注意点

 木津地区のR166旧道は集落を結ぶ生活道路になっています。ゆっくり走りましょう。車同士の離合はあまり問題ありませんが、路線バスは旧道経由となっていているのでバスとの離合には注意が必要です。バイクで現R166を快走するのも良いですが、旧道をのんびり走るのもまた面白いでしょう。 @管理人はたまに旧道をのんびり走っています。

 冬期は路面凍結・積雪に注意して下さい。

●走行DATA

木津峠旧道

【東吉野村鷲家→木津方向を走行】

>>走行日:2001年5月11日/05年6月10日/他

【東吉野村木津→鷲家方向を走行】

>>走行日:2000年 3月18日/03年7月17日/08年10月9日/09年5月14日/他

注意>>この区間は、走行方向問わず 何度か走行しています。走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。

【木津峠旧道終わり】

国道166号線杉谷地区旧道

 吉野郡東吉野村杉谷地区は東吉野村最東端の集落で、高見峠に向かう場合も最後の集落である。杉谷集落は伊勢街道沿いに形成されていたが、同じような状態のまま近代を迎えた。大正時代以降は車道として整備されて県道上市松阪線となるが、高見峠を越える車道が開通するのは昭和28年(1953年)まで待たなくてはならない。それまでは杉谷集落が県道の奈良県側端点だったということになる。

 高見峠に車道を通すという計画は、明治時代から動きがあったが、開発調査が始まったのは昭和9年(1934年)のことであった。工事着手かと思われたが、大東亜戦争(太平洋戦争)により事業は中断。戦後、昭和23年(1948年)にようやく工事が着工された。昭和28年(1953年)5月に県道上市松阪線が国道166号線に指定された直後の、同年7月4日に高見峠の車道が開通する。杉谷集落から先の道筋はこのときに建設されたルートとなる。

 高見峠の抜本的な道路整備が開始されたのは昭和40年代に入ってから。R166高見国道と呼ばれるバイパス道路で、峠下に高見トンネルを掘って通すという大規模な工事となった。トンネル自体は昭和59年(1984年)に開通し供用開始されたが、奈良県・三重県とも、トンネル前後の道路はほとんど未整備のままだった。その後、順次整備が進み、東吉野村内のR166高見国道のうち近畿地方建設局施工区間(東吉野村木津〜杉谷間:約4.7km)のうち、約3.7kmが昭和63年(1988年)5月に完成・先行供用開始となった。

 杉谷地区から東のR166高見国道は、もとからの道路を拡幅・改良した区間もあるのだが、旧道のルートにほぼ沿いながらも別ルートで建設された区間が多い。現在残る旧道は断片的に3区間確認できる。集落内の生活道路になって通行可能なのは1区間のみで、残りは途中まで通行可能となっている。高見峠旧道分岐点までにも旧道が確認できるが、ほとんどが廃道となっている。

参考資料>>東吉野村史(平4年刊)/飯高町郷土誌(昭61年刊)

■国道166号線杉谷地区旧道【2003年走行レポート】

国道166号線杉谷地区旧道【2009年走行レポート】

>>Update 2008.04.10

○国道166号線杉谷地区旧道

  【2003年走行レポート】

【レポートは東吉野村杉谷→高見峠方向(西→東方向)です。】

■吉野郡東吉野村杉谷【杉谷集落】

 R166木津峠旧道の東側分岐点となるR166出渡寺橋東詰から、高見峠に向かって500mほど進んで行く。2車線の道を進んで行くと高樋橋という小さな橋を渡るが、この橋の西詰から杉谷川に沿って分岐するのが杉谷地区のR166旧道である。

 R166沿いに立つ民家の前から分岐した1.5車線幅の狭路は、川の流れに沿って大きく右にカーブして進んで行く。ほどなくして数軒の民家の前を過ぎると、鬱蒼とした杉林の中に入って行く。緩やかな勾配の狭路坂道を進んで行くと、200mほどで杉谷地区の集落内に入った。集落内の生活道路となった狭路を淡々と進んで行く。やがて坂道の勾配が強くなる。坂道を駆け上がるとR166現道と合流。距離にしてわずか600mほどである。

1.杉谷地区の西側旧道分岐点。左に向かう狭

  路が旧道。

2.数軒の民家を過ぎると、少しだけ杉林の中を

  進んで行く。

3.やがて杉谷地区の集落に入って行く。

  1.5車線の狭路を進んで行く。

 

4.東側旧道分岐点直前は坂となっている。

  現役時代から坂だったのだろうか?

5.東側の旧道分岐点。杉谷橋東詰付近となる。

  高見峠側から見て、右に分岐するのが旧道。

 

*以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。

注意>>市町村名は走行当時の名称です。

◆2003年7月17日走行。写真はすべて同じ日に撮影。

■吉野郡東吉野村杉谷【中村橋・高見橋旧道】

 R166現道と合流するとすぐに「高見登山口」バス停前に着く。このバス停を過ぎて杉谷地区の集落内を500mほど進んで行くと、R166は右にカーブして杉谷川によって出来た谷を大きなカーブを描きながら中村橋で渡る。もちろんこの橋は、「高見国道」の一部として建設されたバイパスで、このカーブの入口(橋の西詰)から左に分岐する狭路がR166旧道となる。

 旧道に入るとすぐに奈良交通バスの「杉谷」バス停前を通り抜ける。しかし分岐から30mほど進むとゲートが設置されており通行不可能となっていた。中央付近にゲートが設置され、道を塞ぐように切り出された木が横たえてあった。その先は廃道となったようで、草木が浸食し始めていた。路面はかろうじてアスファルト舗装が認められたが、あちこちに亀裂が入り草木が生え始めていた。

 R166に戻って大きく迂回する。高見橋の高見峠側の付け根(東詰)でこの旧道はR166現道と合流していた。この交差点は林道杉谷線の分岐点ともなっており、旧道から直進すれば林道へ、右左折すればR166現道に入るような 構造になっている。こちら側の旧道入口はガードレールが設置されており、明らかに進入は不可能。廃道になっていることを示している。旧道は林道分岐点付近で左にカーブを描いて曲がっていたのだが、現道建設時に交差点に改良されたようだ。またここから峠方向の旧道は拡幅されて現道となっている。

 初めて訪れた平12年(2000年)3月走行時は、ガードレールの所までは走行可能だったので走っている。距離にして250mほどの急勾配の狭路坂道だった。

6.杉谷集落の東外れにある分岐点。左に別れ

  る狭路が旧道。バスの終点がある。右は バイ

  パス道路の現道。

7.30mほど進むとゲートが現れた。この先は通

  行不可能となっている。2000年の時はまだ

  通行可能だった。

8.高見峠寄りの合流点。正面のガードレールのと

  ころが旧道入口。手前は杉谷林道入口。写真

  右が高見峠方面となる。

*以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。

◆2003年7月17日走行。写真はすべて同じ日に撮影。

■吉野郡東吉野村杉谷【登坂車線区間旧道】

 林道・旧道交差点から400mほど急勾配の坂道を上ると、東行き(奈良県→三重県方向)車線には登坂車線が現れる。この登坂車線が開始される地点から右側に1車線幅の狭路が分岐している。以前から存在は知っていた。R166を何度か通るたびに見ていたが、この狭路は大きくカーブしてまたR166現道と合流しているのが分かった。

 登坂車線開始点付近から狭路に入ってみる。急な坂道を下るとダートの1車線狭路となる。車の通った痕跡があるので廃道とはなっていないようだ。100mほど進むと舗装路となった。ダート区間をよく見てみると、かつては舗装道路だった痕跡が残っていた。どうやら舗装が剥がれたりしている間にダート道となってしまったようだ。

 舗装路面かダート路面かよく分からない路面が続く狭路をさらに100mほど進んで行くと、急な左カーブが現れた。このカーブの付近はダートの広場となっていた。このカーブの付近に、先ほどの杉谷林道が山を迂回して出てくるのかと思っていたが、山側は急な斜面でトンネルでも掘らない限り道が現れることはない。

 このカーブを曲がると草むらになっていた。廃車体が草に埋もれており、その先は廃道らしき道が続いている。100mほど進めばR166現道と合流できそうだ。これ以上は進むことは出来ないので引き返した。

9.登坂車線が始まる付近から右にダート道が分

  岐する。

10.旧道と思われるダート道を進む。

  (高見峠→杉谷方向を撮影)

11.ダート道だったが、やがてガードレールと舗装

  の痕跡が現れる。旧道の証?

12.この付近はカーブだったところ。付近は広場

  となっていた。

13.急カーブから先を見る。ご覧の通り草むらと

  化しており廃道状態。通行不可能。

14.高見峠側の分岐点から旧道を見る。ご覧の通

  り通り抜け不可能。

 

15.旧道側から見たR166現道。登坂車線が終

  わる付近が東側分岐点となる。

16.高見峠側分岐点。正面の広場は材木の集積

  場だろう。その脇を進むのが旧道のようだ。

 

*以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。

◆2003年7月17日走行。写真はすべて同じ日に撮影。

◆2003年レポート終わり

○国道166号線杉谷地区旧道

  2009年走行レポート

 平21年(2009年)5月に高見峠旧道を走りに行く途中に立ち寄った。2003年走行レポートの【杉谷集落】の区間は現道から確認しただけで走行していない。見た限りではほとんど変化はないようだ。2009年レポートでは【中村橋・高見橋旧道】と【登坂車線区間旧道】の区間についてレポートする。

■吉野郡東吉野村杉谷【中村橋・高見橋旧道】

【レポートは杉谷→高見峠方向(西→東方向)です。】

 R166現道は何度も走っており、杉谷地区の中村橋・高見橋の旧道は廃道状態になっていることを知っていたので走らずにいた。平21年(2009年)5月に高見峠旧道に向かう際、KSRUで来ていたので平15年(2003年)以来6年ぶりに突入してみた。

 杉谷地区にある中村橋(ループ区間の鷲家寄りの橋)の西詰から左に分岐する狭路が旧道。途中に路線バスの転回所があるため分岐点付近は整備されている。ツツジに隠れて”びっくりマーク”の『その他の危険』警戒標識があった。杉谷バス停を過ぎると道路中央に柵が設けられていた。ここから先は通行止めとなっており、事実上廃道となっている模様。

 柵を過ぎると旧道はやや急な勾配となる。道幅は1.5車線ほどあるようだが路面は土砂と落ち葉に埋もれていた。路肩から草が進出してきており、柵から50mほど進んだだけでアスファルト舗装の路面は完全に草に覆われた状態になっていた。さらに進むと路面の9割ぐらいが草で覆われた場所にでる。急坂なので雨が降ると川ができるのか、水の流れる筋だけが土がえぐられて路面が見ている状態だった。見えている路面の部分を進んで行く。

 ほどなくしてS字の急カーブが現れる。意外と急なS字坂カーブだが、分岐点寄りで陽が当たる場所は草もなくアスファルト舗装の狭路のままだった。2つ目のカーブを曲がると正面にガードレールが現れた。そこがR166現道との合流点。東側分岐点となる。R166現道の高見橋東詰であった。

1.旧道西側分岐点。左に分岐する狭路が旧道。

  走行可能なのは100mほどだけ。

2.杉谷バス停近くに、ツツジに隠れて警戒標識

  があった。

3.バス停から50mほど進むと柵が現れた。ここか

  ら先は廃道状態だった。

4.柵から少し進むとこんな状態に。時折作業車

  が入るのだろうか?轍がある。

5.自然に還りつつある旧道・・・。

  (高見峠→杉谷方向を撮影)

6.この付近が最も酷かった。ご覧の通り、水の流

  れる部分以外は草に覆われていた。

7.高見橋東詰で現道と合流。ここが東側旧道分

  岐点となる。

8.旧道から見た現道との交差点。ガードレール

  で封鎖されている。

9.ガードレールの先は旧道ではなく林道となる。

  以前、旧道と思い突入したことがあった。

<<写真はすべて2009年5月撮影>>

■吉野郡東吉野村杉谷【登坂車線区間旧道】

 杉谷地区で大きな変化があったのは登坂車線区間旧道である。平19年(2007年)頃から旧道を整備して、山の斜面の杉林を間伐しているのを確認していた。間伐のためだろうと思っていたが、平21年(2009年)5月に走って みると。奥に『しだれ桜 高見の郷』という施設ができていた。

 草木で生い茂って廃道状態となっていた旧道は、その施設への道路として蘇り走行可能になっていた。2003年走行レポートの写真13〜14にかけての区間は草木が取り除かれて、部分的にアスファルト舗装が 残る狭路になっている。路面に土砂が積もり路肩から草木が進出して藪状態になったのだろう。走行可能区間も草が撤去され、路面に砂利が浮いているものの元のアスファルト舗装が見えていた。 道として復活できたことは幸いだろう。

 なお『高見の郷』という施設は、枝垂れ桜開花期間中の営業のみのようだ。

10.高見峠よりの旧道分岐点。奥が間伐されて

  いた。

11.草木で尾茂っていた旧道の路面がハッキリと

  見えている。

12.一番奥にあった広場にはいろんな建物があっ

  た。

 

13.前回走行時は草で覆われかけていた区間。

  ごらんの通り走れる状態になった。

14.杉谷集落寄りの分岐点。右にそれるのが旧

  道。進入時は対向車に要注意。

 

<<写真はすべて2009年5月撮影>>

◆2009年レポート終わり

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 杉谷地区にある旧道は3区間見つけています。「杉谷集落内の旧道」は”生活道路”となり 余生を送っており、以前は廃道状態だった「登坂車線区間旧道」も蘇って通行可能な旧道になっています。「中村橋・高見橋旧道」は廃道となったようで通行不可能になっています。

 高見峠の旧道分岐点までにも 、廃道となった短い距離のダート狭路が2区間ほど見られます。これらの道も旧道と思われますが、草木が生い茂り通行不可能となっています。

●走行DATA

吉野郡東吉野村杉谷地区

【杉谷→高見峠方向を走行/往復走行】

>>走行日:2000年3月18日/03年7月17日 /09年5月14日

【杉谷地区旧道終わり】

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