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国道166号線旧道(5)

木梶地区旧道

◆国道166号線木梶地区旧道

 松阪市飯高町木梶地区のR166は、高見峠寄りから木梶トンネルと落方トンネルの2つのトンネルを含む2車線道で通り抜けている。

 現在のR166は高見国道の一部として建設されたバイパス道路で、それまで木梶川に沿って進んでいた。この区間の現道(バイパス)がいつ頃開通したのかは、詳しい資料がないので不明。木梶と落方の両トンネルが昭和51年〜52年(1976〜77年)にかけて開通しているので、昭和53年(1978年)頃に開通したのではないかと思われる。

 

 

 

■国道166号線木梶地区旧道【2003年走行レポート】

国道166号線木梶地区旧道【2008年走行レポート】

>>Update 2009.05.30

○国道166号線木梶地区旧道

  【2003年走行レポート】

【レポートは木梶→高見峠方向(西→東方向)です。】

■東側分岐点〜栃谷林道分岐点【飯南郡飯高町落方〜木梶】

 飯高町木梶地区のR166旧道分岐点は、飯高町落方地区にある落方トンネル東側(松阪市側)にある坂道が始まる付近となる。東行き(奈良県→三重県)からだと落方トンネルを出て急勾配の坂道を下り終えた所、西行き(三重県→奈良県)だと落方トンネルに向かう急勾配の坂道が始まる所だ。この坂道が始まる付近に左側に向かって分岐する1.5車線幅の狭路がある。この道が旧道で、この地点が木梶地区の東側(三重県側)旧道分岐点となる。

 狭路はすぐにR166現道から離れて杉林の中へと 平坦な1.5車線道で入って行く。路肩付近に落ち葉が積もっているが、路面はおおむね良好。道は揺るやかな右カーブを描きながら進み、分岐点から400mほど進むとおR166現道をアンダーパスする。R166現道を越した付近に小さな商店と植物園(?)のような施設があった。

 この前を通り過ぎると櫛田川に沿って進んで行くようになる。道は平坦な1.5車線道のまま川の流れに沿って進んで行く。人気のない閉ざされた酒屋らしき民家を過ぎると、飯高町舟戸地区へ向かう町道分岐点を通過。その先、道幅は少し広がり狭い2車線道ぐらいの道幅となる。

 分岐点から約1kmで再びR166現道をアンダーパス。R166を過ぎると、道幅は1〜1.5車線幅の平坦な狭路となって谷間の川沿いを進んで行く。この付近は雨が降ると道路が「川」と化すようで、路面には土砂が堆積していた。見通しの良い平坦な狭路を450mほど進むと、杉林の中に入る。この林の中に、『国道166号線 高見峠に至る 奈良県え』と書かれた案内標識が2本立っていた。この道がR166であったことの証でもある。

 この案内標識から50mほど進むと栃谷林道分岐点となる栃谷橋(?)南詰に到着した。東側(三重県側)旧道分岐点から約1.5kmである。

1.東側(三重県側)の旧道分岐点。左に分岐す

  るのが旧道。坂を上った所に落方TNが見え

  る。

2.旧道は杉林の中を進む平坦な1.5車線道。

  この先のカーブを曲がるとR166現道をアン

  ダーパスする。

3.舟戸に向かう道の分岐点付近には、数軒の民

  家があったが住んでいる気配はない。この付近

  は旧和歌山街道(伊勢街道)の後身となる。

4.舟戸地区への道が分岐したのち、大きなカー

  ブを曲がると再びR166をアンダーパスする。

5.しばらくは谷間の平坦な狭路を進んで行く。こ

  の右側には木梶川が流れている。

6.小さな杉林に入ると、路肩に汚れた案内標識

  が立っていた。元・国道であったことの証。

 

7.写真6の標識を拡大したもの。汚れて判別し

  ずらいが、『至る』の下付近には『奈良県 え』

  と書かれていた。

8.杉林を出ると栃谷橋に至る。この少し先にも

  写真7と同じ案内標識が立っていた。

 

 

■栃谷林道分岐点〜西側分岐点【飯南郡飯高町木梶】

 栃谷林道分岐点には『71km 大和高田市』『大阪・奈良 高見峠→』と書かれた案内標識が立っていた。この分岐点を直進すると飯高町栃谷地区経由で加杖坂峠を越えて奧香肌湖へ向かう。この分岐点は右折して橋(栃谷橋?)を渡って 木梶川の北岸に渡らなくてはいけない。

 橋を渡ると1軒の民家の前を通り抜ける。この民家を通り過ぎた所にR166国道標識が立っていた。傾いてさび付いているが『国道166』と判読できる。四角形(四角柱)タイプの支柱なので、かなり昔に立てられたものだろう。これでこのルートがR166旧道であることが確定した。

 国道標識を過ぎると1車線幅の急勾配の狭路坂道を一気に駆け上がる。100mほどで新栃谷橋(?)北詰にある交差点に到着する。栃谷林道からR166現道へ向かう連絡道路との交差点となっている。最初は木梶トンネル西口付近にある旧道の西側(奈良側)分岐点から来たのだが、この交差点で左に向かう2車線道に入って急坂を上りR166現道に出てしまった。これはミスコースで、奈良県側から来た場合は直進して正面の狭路坂道に入らなくてはならないのだ。

 交差点を過ぎると杉林の中を通る1車線幅の狭路坂道となる。急勾配の坂道で見通しの悪いカーブが続く。急な坂道を駆け上がると木梶トンネル西口前に到着。ここが西側(奈良県側)旧道分岐点となる。高見峠旧道の三重県側分岐点までは、ここから300mほどの距離にある。ここまで栃谷林道分岐点からだと約600m、東側(三重県側)旧道分岐点からだと約2kmである。

9.栃谷林道分岐点。直進するのが林道で、旧道

  はここを右折して橋を渡る。

10.狭い一車線幅の橋を渡って川の左岸に出て

  民家の前を通り過ぎる。

11.橋の南詰にあった古いタイプの案内標識。『大

  和高田市』はかつてのR166起点。

12.民家前を過ぎると倒れかけたR166国道標

  識があった。

13.古いタイプの国道標識。表面は錆びてしまっ

  ているが、文字数字は判読できる。

14.標識横を通り過ぎると1車線狭路の急坂を上っ

  て行く。

15.2車線道との交差点。西側分岐点から見る。

  西側から来たときは直進する。

16.再び鬱蒼とした薄暗い森の中を進む狭路坂

  道を上る。

17.木梶トンネル西口前に至る。西側の旧道分岐

  点。トンネルから出て来る車に要注意。

*以前のレポートを修正・訂正し、写真を差し替えて再掲載しています。

注意>>市町村名は走行当時の名称です。

◆2003年7月17日走行。写真はすべて同じ日に撮影。

◆2003年レポート終わり

○国道166号線木梶地区旧道

  2008年レポート

【レポートは高見峠→木梶方向(西→東方向)です。】

■西側分岐点〜2車線道交差点【松阪市飯高町木梶】

 R166はよく走る道だが、木梶地区旧道は平15年 (2003年)以来走行していなかった。平20年(2008年)10月に5年ぶりに走行してみた。

 今回は木梶トンネル西口にある西側(奈良県側)旧道分岐点からアプローチする。トンネルから出てくる対向車に十分注意して旧道に入る。すぐに急坂の狭路となり杉林の中を下って行く。すぐに杉林から抜け出すと、すぐ横に加杖坂トンネルに向かう2車線道の立派な橋が見えてくる。やがてその2車線道と交差。ここまで約400mだった。

1.旧道の西側分岐点。木梶トンネル西口直前と

  なる。進入時は対向車に要注意。

2.分岐点から狭路坂道を下って杉林の中に入

  る。

3.薄暗い杉林の中を行く。写真では分かりずらい

  が急勾配の坂道となっている。

 

 

4.この先で2車線道 (市道?)と交差する。

 

 

■2車線道交差点〜栃谷橋南詰【松阪市飯高町木梶】

 2車線道(林道 or市道?)交差点からも狭路坂道を下る。坂道を下った所に民家が一軒あるのだが、その手前(高見峠寄り)にR166国道標識がある。西側(奈良県側)分岐点から東に向かうと死角にあるので、知っていないとまず気付かない標識だ。

 ところが今回訪れてみると、その標識がなくなっていた。撤去されたのかと思ったが、バイクを止めてあった場所辺りを探してみると倒れていた。おまけに草に埋もれてしまっており、これでますます発見は困難になってしまった。

 民家前を通り過ぎて、木梶川を渡った林道分岐点に到着。この栃谷橋南詰に立っている案内標識は健在だった。

5.引き続き狭路坂道を下り、木梶川の谷間まで

  下りる。

6.メットの横付近が標識が立っていた場所。ご

  覧の通り見あたらない。

7.探してみると倒れて草に埋もれていた。知って

  いないとまず気付かない。

8.坂を下ると民家の前を通って木梶川を渡る。

  静かに走ろう。

9.木梶川を渡り橋の南詰に出る。

  (三重県→奈良県方向を撮影)

10.橋の南詰に立っている古いタイプの案内標

  識。大和高田市まで71kmとある。

■栃谷橋南詰付近【松阪市飯高町木梶】

 林道分岐点から東に向かう。杉林の中にある案内標識2枚は健在であることを確認している。この2枚はともに同じ物。表面は汚れているが、『国道166号線 高見峠に至る 奈良県え』と記されている。短い間隔で連続して2カ所に設置されているのは、林道分岐点では誤って直進する車が多かったためだろう か。

 共に東→西方向に向いているため、逆方向(西→東)に走ると少々気づきにくい。

11.南詰を左折すると鬱蒼とした杉林の中に入

  る。ここからは平坦な道となる。

12.杉林の中にある木梶寄りの案内標識。

  (三重県→奈良県方向を撮影)

13.写真12の標識を拡大。汚れで判読困難。

 

14.緩やかなカーブになっており、カーブの出口

  に2枚目の案内標識がある。

15.落方寄りの案内標識。西行きの車が対象。

  (三重県→奈良県方向を撮影)

16.こちらの方が汚れが少なく判読しやすい。

 

■栃谷橋南詰〜東側分岐点【松阪市飯高町木梶〜落方】

 旧道は木梶川に沿って進む平坦な狭路道となる。谷間を行くローカル道という感じの道路で、特に問題なく走ることができる。

しばらく進むと川の流れに沿って左にカーブし、林道分岐点から600mほど進むと落方トンネル西口前でR166現道をくぐる。

 その先は川の流れに沿って進み、右カーブを曲がると飯高町舟戸地区に向かう市道との交差点に至る。ここから先、そしてこの交差点を左折する道筋は江戸時代の和歌山街道(高見越伊勢街道)が前身となる。ここからR166というか旧道は旧街道に沿うルートに戻ることになる。

 右カーブを曲がると落方の集落内を進んで行く。再びR166現道をくぐると鬱蒼とした谷間を進み、やがてR166現道との交差点に到着する。東側(三重県側)旧道分岐点である。西側分岐点から約2.1km。

17.木梶川に沿って進む平坦な狭路が続く。

18.のんびりとした谷間を行くローカル道。

19.落方トンネル西口前で現道をくぐる。

20.左に向かうのが舟戸地区への道。旧街道筋

  となる。

21.落方の集落内を通り抜ける。正面に見えるの

  が現道で、2回目のアンダーパスとなる。

22.写真21の地点から逆方向を見る。こんな感じ

  の山間の集落だった。

 

23.川の流れに沿ってカーブを描きながら進んで

  行く。

24.現道と合流。ここが東側旧道分岐点となる。

  (三重県→奈良県方向を撮影)

 

■落方地区旧道【松阪市飯高町落方】

 R166を東(松阪市方面)に向かうと、木梶地区旧道の東側(三重県側)分岐点からすぐ先にもう一つ右側に旧道が分岐している。木梶地区旧道の続きというよりも落方地区旧道となる。木梶地区旧道走行を終えてから走ってみた。こちらは集落内を行く1車線狭路の生活道路となっており、西側分岐点から600mほど進むとR166現道と合流していた。典型的な旧道であった。

25.木梶地区旧道東側分岐点のすぐ東側で再び

  旧道が分岐する。西側分岐点。

26.落方地区の集落を行く平坦な狭路。生活道

  路となっている。

27.やがて鬱蒼とした所を進むようになる。

 

 

 

28.約600mで現道と合流。ここが東側旧道分

  岐点といなる。

 

 

◆2008年10月9日走行。写真はすべて同じ日に撮影。

◆2008年レポート終わり

■倒れた国道標識、その後・・・

 倒れたR166国道標識のその後だが、平21年(2009年)5月に木梶地区旧道を走行した際に見てきた。ご覧の通り、倒れたまま。夏草が生い茂る前なので、倒れていることを確認できる状態だった。このまま草に埋もれて行くのかも知れない。

 

1.分かりずらいが『彷』のロゴの上あたりに標識

  が倒れている。(0905)

2.倒れている国道標識。夏草に覆われると分か

  らなくなる。このまま埋もれるのか?(0905)

 

撮影日:2009年5月14日

<<MEMO>>

■概況

 R166木梶 トンネルと落方トンネルの旧道となります。地区的には飯高町木梶地区〜落方地区にかけての旧道です。この旧道区間の沿道には民家は数軒しか建っていません。 静かな谷間の川沿いを進んで行く旧道です。

 2003年7月に木梶地区の旧道区間を走りましたが、旧道になっているにもかかわらず、『これから走る高見峠を越える区間が険しい山道だろうなぁ』と考えてしまいました。そういう風に考えさせる雰囲気が漂っています。

 木梶地区の旧道は、旧道になった今でさえも、かつての悪路の雰囲気を色濃く残す区間です。今では谷間を進むローカル道ですが、現役時代は高見峠越え区間の凄さを予感させる(心の準備をする)区間であったことでしょう。

 R166高見峠を越える区間は1953年(昭28年)に完成しました。いつ頃舗装されたかは分かりませんが、バイパスである「R166高見国道」が完成するまでの間、奈良県東吉野村鷲家地区〜三重県松阪市飯高町渡瀬地区までの約25kmの区間は、かなりの悪路区間だったと想像できます。

■交通量など

 生活道路となっているので道路自体は管理されており、一部を除けば状態は良好です。走行はあまり問題ないでしょう。土砂などに気を付ければ大型バイクでも走行可能です。

 交通量ですが意外と地元車の通行がありました。栃谷集落から木梶集落に向かう場合は旧道経由で向かうようです。対向車には注意して下さい。

 冬期は路面凍結・積雪のある区間なので注意して下さい。大雨の時は危ないので走らない方が無難でしょう。

■アドバイス

 木梶 トンネル西口前の西側(奈良県側)分岐点から旧道に入って東に向かうと、2車線道との交差点で一瞬迷います。道路が左の2車線道に続いているような造りになっているので、そう走りたくなりますが、道なりに進むと旧道コースから離れます。正面の細い狭路に進んで行くのが旧道ルートです。ちなみにこの交差点を右折すると新栃谷橋(?)を渡って栃谷林道と合流。栃谷集落に向かい、そのまま進むと奧香肌峡へ向かいます。

●走行DATA

木梶地区旧道

【三重県→奈良県方向を走行】

>>走行日:2003年7月17日

【奈良県→三重県方向を走行】

>>走行日:2008年10月9日/09年5月14日

【合併情報】

●2005年(平17年)1月1日付けで、一志郡嬉野町、一志郡三雲町、飯南郡飯南町、飯南郡飯高町の5町が三重県松阪市と対等合併して『三重県松阪

 市』になりました。このうち飯南町と飯高町は、それぞれ『松阪市飯南町』『松阪市飯高町』となりました。

【木梶地区旧道終わり】

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