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板坂峠旧道/曽木TN旧道

●板坂峠旧道/曽木TN旧道

 兵庫県篠山市と京都府船井郡京丹波町(旧:船井郡瑞穂町)の境付近にあるのが板坂峠で、現在のR173は板坂TN で通り抜ける。峠を経由する旧道が残っているが、廃道状態となっている。

 板坂TNのすぐ東側にあるのが曽木TN。道路の線形改良で建設されたBPTNである

。こちらの旧道は残っており、地区の生活道路として余生を送っている。

 

>>国道173号線板坂峠旧道

>>国道173号線曽木TN旧道

国道173号線板坂峠旧道

 

○国道173号線旧道

  【板坂峠旧道】

 

【レポートは京都府京丹波町→兵庫県篠山市方向(北→南方向)です。】

■概況

 板坂峠は兵庫県篠山市と京都府船井郡京丹波町(旧:船井郡瑞穂町)の境にある峠である。単なる府県境の峠ではなく、太平洋側と日本海側を分ける中央分水嶺の峠でもある。ここを境にして、峠の兵庫県側の河川は太平洋に、京都府側の河川は日本海に流れて行くのである。

 現在のR173は、この板坂峠を板坂TNで越えている。TN自体は1974年(昭49年)6月に開通したもので、それまでの峠を越える旧道はTNの抗口前後から分岐している。国道指定が19

63年(昭38年)4月なので、旧道が現役国道だった期間は約11年だったことになる。

■R173板坂峠旧道【北側分岐点〜板坂峠】

 板坂峠旧道の北側分岐点は板坂TN北側抗口すぐの所。京都府から兵庫県方向に向かって左側に分岐する1車線狭路の坂道が旧道である。旧道入口はすぐに分かるのだが、入口付近には土砂と廃材が積もっていた。2004年(平16年)夏〜秋にかけての豪雨や台風の影響だろう。

 土砂を越えて旧道に入る。旧道は1車線狭路の坂道。12月だと言うのに、水が流れており川と化している。道路のあちこちにこぶし大の石や土砂、流されてきた木などが散乱している。よく見ると道の左側に小川が流れており、豪雨と台風で氾濫して流されてきたようだ。

 少し走ると旧道は急カーブを描いていた。ここから川状態から脱する。右の急カーブを曲がると、アスファルト舗装の狭路となる。落石が多く路面状態は悪い。この付近から林の中に入って行く。左カーブを曲がると薄暗い鬱蒼とした山道となる。勾配が緩やかになると切り通しの峠に入る。

 切り通しの峠にはいると道路状態は更に悪化する。路面一面が落ち葉で覆われ、あちこちに大きな石が転がっている。路面全体が濡れておりジメジメしている。もちろん苔があちこちに生えている。後輪を滑らしながらも慎重に進んで行くが、少し進んだ所で倒木で道を阻まれてしまった。この付近が峠なのだが、これ以上先に進むことは不可能なので歩いて進んでみる。

 付近は見事なほどの荒れ様。湿った枯葉や枝、落石がゴロゴロしており、そこかしこに倒木がある。そしてお決まりの不法投棄された家電製品などの粗大ゴミが散乱している。

 倒木を避けて進むと、先には鎖によるゲートが設けられていた。この先に進入は出来ない。ゲートから先の路面にも枯葉が積もって、あちこちに倒木がある状態だった。もはや廃道である。峠から先へは進入不可能なので峠で引き返した。旧道の北側分岐点から峠まで約300mだった。

*北側分岐点にはフェンスによるゲートが設置された模様。(2007.11)

1 .旧道北側分岐点。左に別れるのが旧道。

  02年8月に撮影。

2.02年8月の旧道入り口付近。ゲートはない。

  現役時代は道幅は広かったのかも知れない。

3.04年12月に撮影した入り口付近。土砂とゴミ

  などで自然のゲートが出来ている。

4.旧道は狭路坂道。川と化しており、あちこち

  に石などが転がっている。

5. ここで急カーブを曲がる。水は左の川から流

  れてきていた。

6.急カーブをクリアして進むと、道はこのような状

  態になる。鬱蒼とした林の中を悪路が続く。

 

7.峠に到着。荒れ放題の状態で、あちこちに

  不法投棄のゴミが散乱している。

8.峠にはゲートが設置されていた。ここより先は

  進入不可能。先も荒れている。

 

■R173板坂峠旧道【 南側分岐点】

 R173板坂峠旧道の兵庫県側(南側)分岐点は板坂TN兵庫県側(南側)抗口前。南行き(綾部市→池田市方向)車線側の路肩に待避帯(休憩所)があるのだが、その待避帯の端付近から分岐している。

 現R173から東側は数本の木が立っているだけの空き地で、膝ぐらいまで草が生えている。何か建物でもあったのかと思うぐらいの何の変哲もない雑草地だ。しかし遠くから見てみると、立っている木の間に道らしき跡が認められる。しかも道端には鎖によるゲートが草むらに埋もれていた。

 バイクで入ることは不可能なので歩いてみる。雑草地の中に入り、地面をよく見てみると車の轍らしき跡が残っている。舗装の跡など道の痕跡はないのでダート道だったようだ。20mほど歩いて北方向を振り返ってみると、現R173に向かって右にカーブする道の痕跡が残っていた。

 さらに奧に進む。ゲートから30mほど進むと、草木が伸び放題のまま放置されており藪になりかけていた。それでも1車線幅ぐらいの車道の跡が確認できたので、草木をかき分けながら進んでいった。緩やかな左カーブを曲がると、周囲は鬱蒼とした杉林となった。陽の光が入りずらくなったので雑草が生えにくいのだろう。林に入るとはっきりとした車道が現れた。

 道はやや急勾配のダート狭路。道幅は1車線幅しかない。人や車が通らなくなってかなりの年月が経つため、路面は荒れ放題。倒れた木の枝が転がっている。10mほど車道を歩いてみるが、進むにつれて路面状態は悪化していくようなので引き返した。

9.南側の旧道分岐点はこの付近。目印は路肩

  の広い駐車帯。なとなく分岐点に見える。

10.この付近から旧道が分岐しているようだ。

  道自体は消失している。

11.草木に埋もれてチェーンゲートがあった。道路

  があったのだろう。

12.草地は工事基地跡か?広い草地から現道

  を見る。どこに道があるか分からない。

13.奥に進むと道らしきものが現れた。草木に

  覆われ判然としない。

14.さらに奥に進むとダート道が現れた。板付峠

  旧道で確認出来る唯一のダート道。

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 旧道の存在は以前から知っており、R173を走るたびに気になっていました。旧道入口にはゲートが設置されていたため、

2000年(平12年)のR173旧道探索の際、KSRUで現地を走っても走らずに通過。以後、何度か現地を走るたびに旧道の状態を確認していまた。02年(平14年)3月頃からゲートがなくなっていることに気が付きましたが、篠山方面にKSRUで遠征する機会はそうそうなく、南側分岐点付近の調査だけしてまたもや放置。そして2004年(平16年)12月にようやくKSRUでの調査を行うことができ、北側区間の調査を実施できたというわけです。

 調査したのは04年12月。8〜10月に豪雨や台風で近畿地方北部が大きな被害を受けた年です。板坂峠付近も荒れたようで、旧道脇の小川はあちこちに氾濫した痕跡が残っていました。それを差し引いても旧道の状態は荒れ放題となっています。

 そんな道なので、走る車はまずいないでしょう。あるとしても作業車ぐらいです。ただハイカーが歩いていることがあるようなので、もし走る場合は注意して下さい。

*2007年11月に車でR173を走った際にちらりと見ただけですが、板坂峠旧道北側分岐点にはフェンスによる厳重なゲート

 が設置されたようです。

■アドバイス

 北側区間は峠までなら進入できます。ただ荒れ放題なので出来れば2人以上で訪れて下さい。オンロードバイク・車での進入は不可能です。

 南側区間は走行不可能です。徒歩でなら進入可能ですが、夏場は草木が生い茂っているので足下に注意して下さい。

■注意点

 悪天候時や大雨の後は危険なので走らない方が良いでしょう。冬期は路面凍結・積雪があります。

●走行DATA

板坂峠旧道(北側分岐点〜峠)

【京都府→兵庫県(北→南)方向を走行】

>>走行日:2004年12月10日

板坂峠旧道(南側分岐点)

【分岐点付近を徒歩にて調査】

>>走行日:2002年8月22日

【合併情報】

●2005年(平17年)10月11日付けで、京都府船井郡丹波町、瑞穂町、和知町3町が対等合併して『京都府船井郡京丹波町』になりました。

【R173板坂峠旧道終わり】

国道173号線曽木TN旧道

 

○国道173号線旧道

  【曽木TN旧道】

【レポートは兵庫県篠山市→京都府京丹波町方向(南→北方向)です。】

■南側分岐点付近

 板坂TNから綾部市方向に向かって1kmほど進むと曽木TNがある。このTN抗口横からも旧道が分岐している。ここのTNについての詳細は不明であるが、線形改良の際に建設されたTNなのだろう。

 さて旧道であるが、曽木TN南側抗口手前で南行き(綾部市→池田市方向)車線側から分岐している。1.5車線幅の狭路を200mほど進むと現R173をくぐる。その地点に『そきばし』(曽木橋?)と書かれた橋の欄干と橋の一部が残っている。旧道は現道の基礎となり消失してしまったようだ。分岐点からここまでの道は付け替え道路であり、曽木TN建設時に建設された旧道と現道との連絡道路という訳だ。厳密にはここからが旧道となる。

1.旧道南側分岐点。右に分岐するのが旧道へ

  至る道。TNは南側抗口。

2.現道横の1.5車線道は、現道建設時につく

  られた付け替え道路ようだ。

3.現R173をくぐる。厳密にはここからが旧道と

  なる。

4.現道の基礎に向かって延びる謎の橋が残っ

  ている。ここより南の旧道は消失したようだ。

5.欄干。『そきばし』と読める。旧道の橋であろ

  う。

6.ここからは1車線狭路となる。道の雰囲気が大

  きく変わる。厳密な旧道はここからか。

■南側分岐点付近〜北側分岐点

 現R173をくぐると小さな川に沿って進んで行く。1車線幅の平坦な狭路で曽木TNが越える山を迂回ながら川の流れに沿って進んで行く。緩やかなカーブが続く、山中の静かなローカル道路である。少し進むと山間の水田の脇を通り抜ける。やがて2〜3軒の民家のある小さな集落横を取りすぎると、TN北側付近で現R173をくぐる。

 現R173をくぐると十字路に到着。角にある古い標識を見て左折すると、TN北側にある北側分岐点に到着した。南側分岐点より約800mである。

7.山間の水田横を進む。ローカルな生活道路

  だ。(京丹波町→篠山市市方向を撮影)

8.やがて小さな集落が見えてくる。旧国道の面

  影はない。

9.十字路に出る。ここは左折して橋を渡る。

  (京丹波町→篠山市方向を撮影)

10.写真9の案内標識。国道時代の名残だろう。

  綾部市方向から来た場合は右に向かう。

11.旧道は2回現道をくぐる。写真は北側の地

  点。立派な橋が現R173である。

12.旧道北側分岐点。南行き車線側から分岐す

  る。現R173綾部市方向から撮影。

<<MEMO>>

■概況・交通量など

 曽木TN旧道についてはほとんど資料がないので詳しく書けません。TNがいつ開通したのかも不明ですが、板坂TNと同じぐらいに開通したのではないかと思っています。

 さて道は完全な山間のローカル生活道路です。旧道としては路面状態は良好で、問題なく走ることが出来ます。交通量は皆無ですが、車は走っているようです。対向車に注意して下さい。南北の分岐点ですが、第一印象は白バイなどが待機するには絶好の場所だと思いました。

 旧道のルートですが、文中にも書きましたが南側末端部は完全に現道の基礎となり消失しています。ルート的には現道と重なるようで、道路改良時にかさ上げされたのでしょう。その名残が曽木橋です。反対側の欄干を調べるのを忘れたので、橋の竣工年などは不明です。また機会があれば調べておきます。

 また北側のルートもはっきりとしません。写真9の交差点の感じからすると、川沿いに直進して進む狭路が旧道(旧街道筋)だった のでしょう。このルートは川の東側にある集落を繋ぎながら進み、現地点よりも少し北側(綾部市より)で現道と合流しているようです。現道が写真12の地点まで先に完成し先行供用が開始され、その後に曽木TNが開通したとなると、写真11と12の間にある道は旧道と現道の取り付け道路ということになります。

 取材時は夕暮れ近い時間帯だったので、最小限の調査を行っただけでした。いずれ機会があれば再調査してきます。

■注意点

 冬期は路面凍結・積雪があるので注意して下さい。歩行者が歩いていることがあるので走行時は注意して下さい。

●走行DATA

曽木TN旧道

【兵庫県篠山市→京都府京丹波町方向(南→北)を走行】

>>走行日:2004年12月10日

【合併情報】

●2005年(平17年)10月11日付けで、京都府船井郡丹波町、瑞穂町、和知町3町が対等合併して『京都府船井郡京丹波町』になりました。

【R173曽木TN旧道終わり】

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