国道439号線旧道(2) |
■郷ノ峰峠旧道 |
|
●郷ノ峰峠旧道 高知県土佐郡土佐町と高知県吾川郡いの町(旧:吾川郡吾北村)の間にある標高約610mの峠が郷ノ峰峠。現在、R439は1990年(平2年)頃に完成・供用開始された郷ノ峰TN(TN延長765m)で峠を越えている。快適な2車線道のBPTNに対して、峠を越える道は 悪路時代の雰囲気を色濃く残す狭路の旧道となっている。 R439郷ノ峰峠旧道は、尾根付近を進むr6(県道高知伊予三島線)との連絡道路となっているので走行可能である。旧道はほんのわずかな距離だがr6として主要地方道となっているが、当然ながら悪路であったりする。 |
|
■国道439号線郷ノ峰峠旧道【2001年レポート】 ■国道439号線郷ノ峰峠旧道【2007年レポート】 |
||
>>Update 2007.11.28 |
○国道439号線郷ノ峰峠旧道 【2001年レポート】 |
【レポートは土佐郡土佐町→吾川郡吾北村方向(R32→R194方向)です。】 *レポートは2001年走行時のものを一部修正してそのまま掲載しています。町村名は当時の名称です。 |
|||||||||||||
■高知県土佐郡土佐町【R439旧道東側分岐点〜r6交差点】 |
|||||||||||||
高知県土佐郡土佐町市街からR439を吾川郡吾北村(現:吾川郡いの町)へ向かって走ると、土佐町石原地区からは緩やかな勾配の坂を登って郷ノ峰TNへ向かう。登りきった付近に郷ノ峰TN東側抗口があるが、TNの100mほど手前で1車線狭路が分岐している。この狭路がR439郷ノ峰峠旧道。 旧道は現R439から急角度で分岐。そのまま1車線の坂道となり薄暗い山中へと向かう。旧道はかなりの急勾配の坂道。道幅は1車線幅しかなく普通乗用車が1台通るのがやっと。とても車同士の離合は出来る状態ではない。路面中央には苔が生えている。路面は舗装されてはいるが荒れている。そのあたりが元『 3ケタ国道』らしい。 急坂を少し登ると1つ目のヘアピンカーブが現れる。半径の小さいカーブで見通しは大変悪 |
|
||||||||||||
い。対向車が来ても全く見えない。音と雰囲気だけが頼りになる。急勾配のヘアピンカーブを曲がると、集落から離れて杉林の中を進む1車線の坂道となるが勾配は少し緩くなる。この付近まで来ると左側の足下には少しではあるが、現R439の2車線道を見下ろすことが出来る。 見通しの悪い2つ目のヘアピンカーブを曲がって、山深い中を通る狭路を淡々と進む。やがて3つ目のヘアピンカーブを曲がる。このカーブの途中でr6(県道高知伊予三島線)と合流。ここからはr6を走ることになるが、杉林を600mほど進むとr6とR 439旧道分岐点に到着する。ここが郷ノ峰峠。土佐郡土佐町と吾川郡吾北村の境となる。土佐町側の旧道分岐点から約3kmであった。 |
|||||||||||||
|
■高知県吾川郡吾北村(現:いの町)【r6交差点〜R439旧道西側分岐点】 |
||||||||||||
郷ノ峰峠でr6が左に分岐する。R439旧道は右に向かう。ここからは急勾配の下り坂となり、苔の生えた狭路を下ることになる。峠を越えると 吾川郡吾北村に入る。『吾北村』の標識の近くにR439標識が立っていた。この道がかつては国道であったことの証だ。忘れ去られた標識・・・。このまま朽ちてゆくのだろうか? 標識を撮影して急勾配の1車線道を進む。路面は舗装されているが、中央には苔が生えて落ち葉が積もっている。車の轍の部分に相当する辺りにアスファルトが見えているところから推測すると、車の行き来はあるようだ。 山中の狭路を少し進むと集落に出た。吾北村小申田(こさるた)地区の集落だ。民家が数軒建っている。集落を抜けると、急勾配のあるヘアピンカーブを曲がる。カーブを曲がり急な下り坂を走っていると、すぐ上に先ほど走った道が見える。3つ目のカーブを曲がると、郷ノ峰峠旧道2つ目のR439国道標識が立っていた。 4つ目のヘアピンカーブを曲がると右下に2車線道が見えてきた。R439現道だ。急勾配の坂道を下り、郷ノ峰TN西口手前100mほどの地点で右にカーブしながらR439現道と合流した。 郷ノ峰峠のr6分岐点から約2kmであった。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
注>>写真はすべて2001年(平13年)7月に撮影。 |
|
||||||||||||||||||
郷ノ峰TN西側抗口までは2005年(平17年)に訪れていますが、このときは旧道は走らずに分岐点付近で引き返しています。なので本格的に郷ノ峰峠旧道を走ったのは2007年(平19年)5月となり、前回から約6年ぶりの走行となりました。 |
||||||||||||||||||
【レポートは吾川郡 いの町→土佐郡土佐町方向(R194→R32方向)です。】 |
||||||||||||||||||
■高知県吾川郡いの町 |
||||||||||||||||||
R439郷ノ峰峠旧道の西側(いの町側)分岐点は郷ノ峰トンネル西側抗口前となる。トンネル(R32方向)に向かって左側に分岐する狭路が旧道。2001年の時と全く変わっていない。分岐の状態から、かつてはここで急カーブを描いていたようだ。 旧道にはいると、道はいきなり1車線幅の狭路坂道になる。すぐに杉林の中に入るが比較的明るい。やや見通しが悪いものの、走る分には問題ない狭路坂道が続く。分岐点から200mほど走ると最初のヘアピンカーブを曲がる。そこからも杉林の中を通る狭路坂道を淡々と上る。やがて数軒の農家が集まる集落に出る。石垣のある昔ながらの家屋の前を、1車線狭路の舗装をが通り過ぎる。典型的な山間の農村集落の風景を見ることができる。 この集落を越えると民家はなくなり、杉林の中を通る薄暗い1車線狭路道となる。集落から200mほど進むと再びヘアピンカーブが現れ、この先はウネウネと見通しの悪いカーブが連続する。このまま峠まで行くのかと思ったが、900mほど進むと民家が現れた。ここが最後の民家となった。 最後の民家を過ぎると再び杉林の中に入り、薄暗い山中を落ち葉の積もる狭路坂道で淡々と進んで行く。そして800mほど進むとr6(県道高知伊予三島線)との交差点に到着。西側分岐点から約2.1kmである。 |
||||||||||||||||||
|
■郷ノ峰峠【県道区間】 |
||||||||||||
郷ノ峰峠は土佐郡土佐町と吾川郡いの町(旧:吾川郡吾北村)との境になる。この峠で高知市から北上してきたr6(県道高知伊予三島線)と交差する。r6は知る人ぞ知る『四国縦断県道』。郷ノ峰峠から少しの間だけではあるが、R439旧道はr6と重複する。かつてはr6がR439と重複していた 。 峠を切り通しで越えると土佐郡土佐町に入るが、県道になったからと言って道路状態にはさして変化はなく、1〜1.5車線狭路が続く。あえて言うなら現役県道だけあって路面の維持管理ならびに整備が行われているぐらいだろう。相変わらず見通しの悪い狭路区間を淡々と進み、峠から600mほど進むとヘアピンカーブが現れる。このカーブの途中でr6は左に分岐し、道は再びR439旧道に戻る。 |
||||||||||||
|
■高知県土佐郡土佐町 |
||||||||||||
ヘアピンの途中で左にr6が分岐すると、旧道のまま狭路坂道となって下って行く。峠の東側(土佐町側)は山中を通る区間となっているため所々で薄暗い場所を通っている。そのため一部で路面にコケがあったりと、なかなかの悪路ぶりを見せてくれる。道幅は1〜1.5車線幅の狭路が断続して続き、所々では草木が積もっている場所もあった。そういう状態にありながら路面状態は思ったよりはマシな状態だった。土佐町側は維持管理作業がなされているのだろう。 3つめのヘアピンカーブを曲がると狭路坂道を下って行き、やがてR439との東側分岐点となる郷ノ峰トンネル東側抗口前に到着した。郷ノ峰峠から約2.3kmである。 |
||||||||||||
|
||||||||||||
注>>写真はすべて2007年(平19年)5月に撮影。 |
<<MEMO>> |
|
■概況・交通量など R439郷ノ峰峠旧道は比較的距離のある旧道となっています。長岡郡大豊町〜吾川郡いの町(旧:吾川郡吾北村)間がほとんど整備された道であったためか、全長で約5kmの短い旧道に『悪路』が凝縮されているように思えました。峠を通るr6との連絡道路としての役目があるために、廃れずに通ることが出来るのは運が良かったのでしょう。 実走調査した時も、R439からr6(もしくはその逆)に向かう車と出会いました。バイクだったのでほとんど問題なくすれ違うことができました。車だったら離合することは不可能な道の狭さなので、車で行かれた場合は注意して下さい。 ■注意点 5kmほどの短い旧道ですが、初心者ライダー・ドライバーは走らない方が無難です。対向車とのすれ違いはかなり困難です。悪天候時も走らない方がいいでしょう。諦めて現R439の郷ノ峰TNを走ることをお勧めします。 |
|
●走行DATA |
|
郷ノ峰峠旧道 【R32→R194方向を走行】 >>走行日:2001年7月21日 |
|
【R194→R32方向を走行】 >>走行日:2007年5月12日 |
|
【合併情報】 ●2004年(平16年)10月1日付けで、高知県土佐郡本川村、吾川郡伊野町、吾川郡吾北村の2村1町が対等合併して『高知県吾川郡いの町』になりまし た。 |
|
取材協力(同行走行)>>かざねがたなさん(2001.07.21) |
|
【R439郷ノ峰峠旧道終わり】 |