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国道371号線旧道(1)

紀見峠旧道

●紀見峠旧道

 大阪府と和歌山県の府県境となるのが紀見峠。紀伊見峠とも呼ばれる。かつての高野街道の難所として知られ、峠には茶屋や宿が建ち並んでいたそうだ。現在は1969年(昭44年) 3月5日に開通した紀見TN(L=1453m)で難なく通り抜けることが出来る。

 現在は生活道路として余生を送っている。

>>国道371号線紀見峠旧道【変遷】

>>国道371号線紀見峠旧道

>>紀見峠旧道のR170国道標識

>>Update 2008.02.14

○国道371号線旧道

 【変遷】

 紀見峠を越える車道が国道に指定されたのは1963年(昭38年)のこと。大阪府高槻市〜大阪府河内長野市〜和歌山県橋本市を結ぶR170(2代目)としてであった。昔の東高野街道〜高野街道に沿ったルートとなる。その後、1982年(昭57年)4月にR170が大阪府高槻市〜大阪府河内長野市〜大阪府泉佐野市に変更となり、紀見峠を含む大阪府河内長野市〜和歌山県橋本市がR371となり現在に至っている。(参考:R170旧道

 この間、すなわちR170時代の1969年(昭44年)、紀見峠のバイパスTNとして紀見TNが供用開始されている。紀見TNが開通した時点で紀見峠を越える道は旧道となり、峠周辺の集落への静かな生活道路となった。

 ところで紀見峠を含めた区間がR371となったのは1982年のこと。一方、紀見峠を越える道が旧道となったのは1969年。すなわち紀見峠を越える旧道がR371だったことは一度もない。正確には『R170旧道』となる。少々ややこしい経緯を持つ旧道である。

注>>現在では紀見峠を越える道はR371となっているので、ここでは紀見峠旧道はR371旧道として扱います。

国道371号線旧道

 【紀見峠】

【レポートは大阪府河内長野市→和歌山県橋本市方向(大阪府→和歌山県方向)です。】

■大阪府河内長野市

 紀見TNの北側(大阪府側)抗口から100mほど手前で、現R371の車道から右に向かって狭い2車線道が分岐している。ここがR371紀見峠旧道の大阪府側分岐点となる。対向車に注意して旧道に入る。

 それまでの交通量の多いR371とは違い、交差点から旧道に入ると山間のローカル国道のような雰囲気のする狭い2車線を走ることになる。民家の前を通り過ぎた所にある急カーブを曲がると、緩やかな勾配の坂道となって峠に向かって進んで行く。左側にR371の車道を見ることが出来る。旧道は紀見TN 北側(大阪府側)抗口のほぼ真上を横切るような形となっている。

 分岐点から3つ目の急な右カーブを曲がると勾配は少しきつくなる。 砕石場があるためにダンプが通るようで路面は少し荒れている。砕石場前を通り過ぎると山中に入って行く。薄暗い山中を進む狭い2車線道で、路面は少し荒れているが走行にはそう問題はない。所々路肩から草木が浸食してきて道幅が狭くなってはいるが、センターライン の跡がわずかに見えており、かつては2車線道であったことが分かる。

 4つ目の急な右カーブを曲がると急な上り坂を一気に 200mほど上る。上った付近に集落が広がる。ここが紀見峠。大阪府側分岐点から約2kmである。

1.紀見峠旧道の大阪側分岐点。右に別れる狭

  い2車線道が旧道。(0004)

2.センターラインのない狭い2車線道が続く。

  路面はそう荒れてはいない。(0004)

3.旧道上からR371現道を見下ろすことが出来

  る。(0004)

4.夏は草木に浸食されて道幅は狭くなる。

 (紀見峠→大阪府側分岐点方向を撮影)(0106)

5.紀見峠に到着。左の1車線狭路坂道が旧高

  野街道。(0505)

6.古いタイプの案内標識も残っている。R170時

  代の名残。(9911)

■和歌山県橋本市

 峠を越えると和歌山県橋本市に入る。紀見峠周辺は開けており、峠の周囲には民家が数軒建っている。峠の手前で別れる1車線 の坂道が旧高野街道で、民家のほとんどはこちらの道沿いに建っている。旧道は峠を切り通して建設された車道なのだ。

 1.5車線幅の鉄橋を渡ると道は下り坂に入る。 この先で集落は途切れ、以後は緩やかな勾配の坂道がしばらく続くことになる。道幅は1.5〜狭い2車線で、見通しの悪いカーブが続くので対向車には注意が必要。1.5kmほど 山間を進むと橋本市柱本の集落に入る。集落内は完全に生活道路となっていた。

 そのまま進んで行くと信号が現れ、紀見TN 南側(和歌山県側)抗口の手前100mぐらいの所でR371と交差する。旧道はここで終わるのではなく、R371を一端横断。その先で急な左カーブを曲がって、先ほどの信号のある交差点から300mほどR24寄りでR371と合流する。そこが和歌山県側旧道分岐点となる。峠から約3kmである。

7.紀見峠を和歌山県側から見る。通る車のほと

  んど無い静かな峠。(0608)

8.紀見峠から少し進むと橋がある。橋名不明。

  (0608)

9.峠の和歌山県側は下り坂が続く。見通しの悪い

  カーブが多い。(0608)

7.峠旧道の和歌山県側は、1.5〜狭い2車線

  幅の道が続く。路面状態は良好。(0608)

8.やがて橋本市柱本地区の町中に至る。地区

  の生活道路だ。(0608)

9.一度現R371を越えて、少しR24寄りで合流す

  る。和歌山県側の分岐点。(0608)

<<MEMO>>

■概況

 全長約5kmの旧道です。沿道には和歌山側分岐点付近と峠周辺に集落があり、現在では静かな生活道路になっています。大阪府側には分岐点付近に民家が数軒あるだけです。道路はそう荒れてはいませんが、所々に落ち葉があったり砂が浮いていることがあるので注意して下さい。砕石場までは出入りするダンプで路面が荒れている場所があります。

■交通量など

 地元車の他に峠を越えて行き来する車はほとんどありません。旧道を経由して走るバイク・車があるので注意して下さい。大阪府内には砕石場があり、そこに出入りするトラックも走っています。また和歌山県内 では峠まで路線バスが走っています。交通量が少ないとは言え、対向車には注意して走って下さい。

 年に1〜2回、紀見TN内の補修・改修工事、ライトの点検などでTNが通行止めになる時があります。その時は旧道が迂回路として使用されます。

 個人的には、R371紀見TNの通行量が多い時、トンネル内の排気ガスで気分が悪くなるのが嫌で、旧道を走ることがあります。前を走る大型トラックを抜けなかった時も旧道を走りますね。(^^;)

■アドバイス

 大阪府側の旧道分岐点は紀見TN出口の近くにあり、TN側からだと緩い右カーブになっており見通しが悪くなっています。河内長野方面から走って来て旧道に入る場合、TN内から出てくる対向車に注意して下さい。和歌山県側の旧道分岐点からの方が旧道に入りやすいでしょう。

 自転車は旧道を走った方が安全です。紀見TNは危なくて走っていられません。

■注意点

  峠付近は自然歩道(ダイヤモンドトレール)と交差しています。シーズン中の土日・祝日はハイカーの姿が見られますので、走行には注意して下さい。冬期は路面凍結・積雪があるかも知れません。

■新紀見トンネル

 計画では現在の紀見TNに変わって、新紀見TN(紀見道路)の建設が計画されています。R371橋本BPと大阪府側に建設予定の「大阪橋本道路」と接続するのが目的です。いずれ現旧道は旧旧道となるのかも知れません。

●走行DATA

R371紀見峠旧道

>>走行日 :1998年11月22日/99年11月21日/2000年4月20日/

01年6月24日/05年5月27日/06年8月10日/07年3月13日/他多数

注意>>この区間は、走行方向問わず頻繁に走行しています。走行日は使用写真の撮影日のみを記載しています。

【紀見峠旧道終わり】

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